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【学会誌】コールドスプレーアディティブマニュアファクチャリング

こんにちは。
『表面技術』2023年5月号を読んでいます。
読んだ記事について、気になったポイントをメモしておきたいと思います。

今回読んだ記事のタイトルは「溶射(コールドスプレーアディティブマニュファクチャリング)による積層造形の最前線」で著者は信州大学の榊さんです。

内容

コールドスプレーを使った積層造形法に関する歴史と用途、作製したされた造形物の物性に関して簡潔に記載されています。

コールドスプレーを使った積層造形方のことを「CSAM;Cold Spray Additive Manufacturing、コールドスプレーアディティブマニュファクチャアリング)」と呼ぶようです。

CSAMの長所

  • 大気中で造形

  • 寸法の制約が少ない

  • 造形物内部の酸化が殆どない

  • 高い粉末供給量と付着率のため造形速度が速い

  • 2種以上の金属材料の造形も比較的容易

CSAMの短所

  • 造形パターンが大きく、重ねるほどパターン断面が三角形状となり鋭角化する

  • 圧縮性の残留応力が高く、厚くすると基材からの剥離が起こる

  • 粒子間の結合力が他の手法(レーザー積層造形など)に比べて弱く、通常の成膜条件ではほとんど伸びない部材となる

  • 造形用のガンやロボットなどの制御部の開発が必要になる

CSAMの用途

記事の中で多く言及されているのは航空宇宙関連の部材で、ジェットエンジンやロケットエンジンノズルへの検討が進んでいるようです。

シェットエンジンなどは内側が空洞構造で、切削加工で作ろうとすると材料効率が悪いため、アディティブマニュファクチャリングが注目されているようです。
そして、造形速度が速く、寸法の制約が少ないCSが適しているようです。

上記長所・短所を考慮すると、小さいものよりも大型部材の方が得意そうですね。

著者も引用文献を引き合いに出して次の様に書いています。

「高速CSAMプロセスは複雑性の低い品領域を担い、造形速度は遅いがより正確なレーザープロセスが幾何学的な制御が必要な領域に専念させるだろうと予測している」

『表面技術』Vol.74,No.5,2023

今日は以上です。

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