【学会誌】少風量の塗装ブース

こんにちは。
『表面技術』2023年1月号を読んでいます。
読んだ記事について、気になったりやポイントだと思った部分をメモしておきたいと思います。

今回読んだ記事のタイトルは「環境対応型塗装システム」で著者は㈱大気社の岩切さんです。

内容

自動車向け塗装ブース開発に関する記事です。

塗装ブースにおける環境負荷を削減するために、必要な風量を下げた塗装ブースを開発したとのことです。

ポイント・メモ

  • 温湿度調整した気流を使用する塗装ブースは塗装ラインにおけるエネルギー量の50%を占める

    • 更にその大部分は空調エネルギーとして使われている

    • 開発した塗装ブースは空調エネルギー(ブース給気量)を低減することを目的とする

  • 新塗装ブースは半円形上の給気ダクトを天井に設置して給気

    • 従来は天井全面からダウンフローする構造

    • 半円形ダクトを用いて車体表面の気流制御に特化することで少風量化(対従来70%)

    • 新構造では天井上の整流のための動圧室が不要

    • 床下の集塵装置を減らせる(少風量のため)

  • 流体解析を使って設計:2つの気流で品質確保を実現

    • 車体ボディーを覆うような気流

    • ブース壁面に沿った気流

  • 色被り、壁汚れ、ブース内温湿度、VOC濃度で効果を評価

    • 品質は従来レベル

    • 塗料に含まれるVOC濃度は変わらないが、低風量なので高VOC濃度となる

      • VOC処理設備のサイズは縮小できる

  • ランニングコストは29%削減できた

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