元祖ベルジャンホワイト。HOEGAARDEN 1000BeerChallenge(91/1000)
■元祖ベルジャンホワイト
ヒューガルデンは、ベルギーのブリュッセル近くにあるヒューガルデン村で、14世紀ころからつくられていたというビールです。大麦とホップだけでなく、小麦を使ったエールビールで、それにヒューガルデン村ではコリアンダーとオレンジピールを加えていました。
かつてはこれを単純にホワイトビールとか呼んでいたようです。それが実はこの地域に独特な作り方だったということがだんだんとわかってきて、ベルギー発祥のホワイトビールということで、ベルジャンホワイトという言い方ができたのでしょう。
■ヒューガルデンがヒューガルデンになるまで
ヒューガルデンがベルジャンホワイトの元祖という理解で良いのだろうとは思うのですが、もともとは単にホワイトビールなどと呼ばれていました。
しかし、14世紀からヒューガルデン村あたりでホワイトビールがつくられていたわけですが、その後ピルスナーの人気が高まったため、ホワイトビールはつくられなくなっていきました。そして1957年にはまったくつくられなくなったと言います。
しかし1966年、ヒューガルデン村出身のピエール・セリスという人が復活させます。その時の商品名が、ヒューガルデン・ホワイト。
ここでようやくヒューガルデンが誕生したんですね。
■ヒューガルデン世界へ
しかしヒューガルデンの波乱の人生は続きます。
1985年に醸造所が火事。単独での復興が難しくなってしまいます。ただ、すでにヒューガルデンは人気が出ていましたので、支援するという会社も現れます。
その結果、大きな資本の後押しを得る形になり、ヒューガルデンは世界へ売り出されることとなりました。このころから、ヒューガルデンという商品名と、ベルジャンホワイトというスタイル名が確定していったのでしょうか。
その後2005年には、ヒューガルデンが転換期を迎えます。世界的ブランドになってきたので増産するぞということで、醸造所を移転することになったのです。もともとの創業者であったペール・セリスはこれで味が変わってしまったと言って、今度はセリス・ホワイトというビールをつくっているそうです。
■[beer091] ヒューガルデン
話が長くなったけれど、ヒューガルデンはそんなこんなでベルギーの村から世界的セレブになったのでした。
日本でも、もともと兵庫の小西酒造が輸入していたところに、アサヒビールが販売権を奪取してとかいう、アイドルが売れたら大手事務所が引き抜いてみたいなドラマがあったとかないとかいう話ですが。
純朴そうに見えるヒューガルデンにもいろいろな過去があるようです。
■ビール情報
名称:ヒューガルデン
メーカー:InBev
産地:ベルギー
タイプ:ベルジャンホワイト
アルコール度数:4.9%
価格:400円くらい
入手場所:カクヤス
■味わいメモ
外観:淡い濁った麦わら色。
アロマ:スパイシーさ。柑橘感。熟成香。麦っぽさ。
味わい:熟成香。麦の甘さ。スパイシー。柑橘感。酵母感。
ボディ:フルボディ。
ホワイトエール特有の濁った色です。香りもコリアンダーと柑橘っていうベルジャンホワイトの典型。そりゃ元祖ですから、そうなりますよね、と。あとは熟成香が強めかな。
口当たりはほんのり甘く感じられます。そしてコリアンダーの独特な香りがきて、すこーし苦味。
一度落ち着くとバナナのような熟成香が感じられるようになり、酵母っぽいまったり感も。後味は再び柑橘系の酸味とコリアンダー。
好き度:★★★★
コリアンダーとか柑橘とか言うと癖が強そうですが、意外とそうでもない。苦味も弱いし、優しい印象。ビールの苦味が嫌いという人でもするする飲めるかもしれません。
ビール代になります。