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ミニマリストを夢見る元マキシマリスト

地方都市、持ち家の一戸建て、
そんな家庭に生まれた私。
成長とともに自分の部屋は汚くなる一方だった。
家や部屋が特に狭いわけではなかったので、
捨てるということを学習しないまま成長した。

もったいない。
いつか使える。

片付けることは捨てることではなく、
きれいに整えることだと理解していた。

新卒で地元に就職した後、東京へ転職。
転職理由は、キャリアアップと、
関東在住の当時の交際相手との将来を考えて。

都内の1LDKの部屋で2人で生活を始めた。
450Lの大型冷蔵庫
8kgの洗濯乾燥機
スチーム機能付きオーブンレンジ

2人とも重厚長大マキシマリスト。
しかも私はストックの鬼。

収納がほとんどない部屋だったので、
揃えた収納家具は、
タンス×2
クローゼット
ハンガーラック
収納付きレンジ台
収納付きテレビ台(大型)
衣装ケースたくさん
185×185cm!の巨大壁面収納ユニット

2人とも片付けが苦手。
友達を招いた時以外は、
それはそれは酷い散らかりようだった。

時は流れ、彼とお別れをすることに。
関東出身の彼は実家に戻ったので、
家具は全て私の元に残った。
ふわふわもこもこ羽毛布団まで2セット。

その後、いろいろなきっかけが重なって、
シェアハウスへ引越すことに。
といっても寮のような大型シェアハウス。
キッチンとシャワー、トイレが共同で、
自分の部屋は約7畳の個室だった。

入居にあたって大きなものは処分し、
かなり捨てたつもりだった。
というか、実際捨てた。

が、家具と段ボールを運び入れただけなのに、
部屋には足の踏み場がほとんどない。
ベランダへ続く細い細いイバラ道がある程度。
段ボールは目線の高さまで積まれている。

段ボールからモノを引っ張り出して使う、
そんな混沌とした生活をしばらく続けていた。

ある時、友人にこんまり先生の本を借りる。
大きく頷きながらあっという間に読み終えたが、
洋服を全出しするスペースがないことに気付き、
取りかかる前に挫折。
これも挫折というのだろうか。

それでも、ちまちま古い概念の片付けをして、
普通の散らかった部屋レベルになった。
人様はとても呼べないが、
万が一誰かに見られることがあっても、
全力で言い訳できるレベル、というところ。

そんな私に転機が訪れる。
海外に出ることを見越して、
実家へ戻ることを決めたのだ。

「これからは、すっきり暮らしたい」
ここで流れが大きく変わった。
というか、
変えたいと、変えようと思った。

そのためには何をしたらいいだろう?

頭でっかちの私。
理論的なアプローチが出来たらと思って、
整理収納アドバイザー2級を取得。

片付けの概念が変わった。

シェアハウスの退去日を間近に控え、
捨てる、
捨てる、
捨てる。

もったいないとか、
ヤフオクで売ったらとか、
時間的にも考られなかったけど、
それ以上に学んだ知識が私を後押ししてくれた。

シェアハウスのゴミ置場は、
私のゴミが半分以上を占めていた。
シールを集めてもらったお皿も、
福袋に入っていた雑貨も、
全てゴミ袋に入れた。
悲しかった。

大量にあった水や食料のストック、
コレクションと化していたお酒は、
シェアハウスのメンバーへ。
自転車も譲った。
喜ばれた。そりゃそうだ。
大きな植木もシェアハウスに無理やり寄贈。
これは喜ばれたのか分からないが。

本はまとめてブックオフへ。
腕がちぎれるかと思うくらい重かった。
いくらかにはなったが、
値段は全く気にならなかった。

東京最終日、時間はギリギリ。
くったくたになって、
バスに飛び乗った瞬間は未だに覚えている。

実家に戻ってすぐのタイミングで、
整理収納アドバイザー1級を取得。
息つく間もなく、
オーストラリアに1か月の短期留学。
60Lのスーツケース1つで過ごした。
そしてまたすぐに、
ニュージーランドにワーホリ1年。
84Lのスーツケース1つで過ごした。

全荷物を持ってニュージーランド国内も旅した。
スーツケースバージョンのバックパッカーだね、
と笑われたっけ。

完璧ではないが、
今も出来るだけ最低限のモノで暮らしている。
捨てられないモノがあったり、
新しいモノに惹かれたり、
ごちゃっとしたモノの塊と戦ったりしながら。

変わったのは部屋だけではない。
旅の荷物にも変化があった。

ニュージーランド国内で2泊の旅行、
バックパッカーズ宿泊。
つまりタオルやパジャマ、洗面道具が必須。
普段使いのリュックと、
財布や携帯が入るショルダーバッグで済んだ。

比べて思い出すのは、
東京から松本への2泊の旅行、
ホテル泊。
つまりタオルやパジャマ、
こだわりがなければ洗面道具も必要ないのに、
キーポル45をパンパンにしていた。

私は間違いなくマキシマリストだった。
今はどうだろう。
たまにマキシマリスト的な考えの時もあるが、
少しは変わったと思う。
でもミニマリストではない。

ミニマリストには憧れるが、
ミニマリストが自分に合うのかわからないし、
正直、ミニマリストになれる自信もまだない。

でも、出来るだけ少ないモノで、
身軽に、心地よい暮らしと旅をしていきたい。
そう思っている。

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