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ラジオチュロスという名の社内ラジオ、はじめました。
こんにちは。ADWAYS(アドウェイズ)の CREATIVE BLOG編集部です。
リモートワーク(在宅勤務)が推奨になってから希薄になりつつある社内コミュニケーションを活性化させよう、という目的で始動したクリエイターチームのラジオ。
その名も、ラジオチュロス。
今回はラジオチュロスのメンバーである赤垣さんと成田さんに、社内ラジオ始動の経緯や目的についてお話をお伺いしました。
赤垣さん
ラジオチュロスのラジオパーソナリティ
動画デザイナー
今回のメインインタビューイー
成田さん
ラジオチュロスのメインDJ
ゲーム広告領域の動画ユニットマネージャー
声がいいサッカーお兄さん
社内ラジオ始動の経緯と目的
早速ですが、おいしそうな名前ですよねラジオチュロス。
何か由来はあるのでしょうか。
赤垣:ラジオドーナツの真似か?疑惑がありますが、オマージュです。
意味合いとしては「3時のおやつ感覚で楽しんでもらえるように」と、成田さんが名付けました。
3時のおやつをたべながら聞けるラジオ、いいですね。
ラジオチュロスは赤垣さん発案で始められたのですか。
赤垣:コロナ以前から「社内ラジオの番組ができたら面白いね!」と、成田さんとよく話をしていたのですが、実現することなく月日が経っていきました。
コロナの影響もあってADWAYSでは在宅勤務が推奨になり、お家時間が増えて。その巣ごもり中に見たアニメ「波よ聞いてくれ(※1)」にハマってしまい、自分の中のラジオ熱が再燃!
※1 波よ聞いてくれ
北海道のラジオ局を舞台にした群像劇。原作は「無限の住人」の沙村広明 氏。
ほとんど勢いで「一緒にラジオやりませんか?」と、ぼくから成田さんに呼びかけたのがキッカケです。
余談ですが、世の中がデザイナーに求める質が変化してきていると感じていて、自分も「装飾的なデザインだけじゃなくビジネスやサービス、もっと大元になるものをデザインしたいなぁ。」という気持ちを抱き始めた頃でした。その気持ちとラジオ熱が運よく結びつき、ラジオチュロスが実現したわけです。
当初の目的は、「クリエイターチームの一事業としてラジオ広告媒体を持つ!」や「CREATIVE BLOGと連携して学生の新卒採用の応募数UPに貢献!」なんて大きなことを考えていたのですが、まずはスモールスタートで様子を見ながら順次拡大させていきましょう、目的もまずは手の届く範囲で「在宅時のコミュニケーションを活性化する!」という運びになり、現在に至ります。
現在は月イチ配信で主に時事ネタに絡めた雑談をメインに扱っていますが、スモールスタートでよかったなと、少しホッとしています。(笑)
今回、CREATIVE BLOGで取り上げていただけるのは当初の目的の1つが叶ったということにもなりますので、大変うれしく感じています。
また、ADWAYSのスゴイところとして、一見すると無謀な企画でも、とりあえずやらせてくれるというところがあります。
普通ならやらせてくれないようなことも、挑戦させてくれる。その点には本当に感謝しています。この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございます!
ラジオチュロスの制作秘話
ついにラジオチュロスが始動したわけですが、実際の所、はじめてみてどうですか。
赤垣:ラジオの制作自体、初めてなのでわからないことだらけです。(笑)全て手探りで作っています。
その代わり、丁寧な番組制作を心掛けています。
大変な中でも、リスナーさんからのコメントや企画への励ましの言葉など、みなさんからリアクションをもらえる時が、はじめてよかったなと思う瞬間ですね。
ラジオ制作が初めてとは思えないのですが、どのように番組制作を行っているのでしょうか。
赤垣:音声広告やインターネットラジオの動向など、関連する情報を集めて番組制作の参考にしました。(尺、話の持っていき方など。)
DJに関しては最初から成田さんを想定していたので、彼にお任せしています。
編集に関しては、当初Adobe Auditionを想定していましたが、後々のことを考えて使い慣れたAfter EffectにGUIが近くて使用人口も多いPremiere Proを使用しています。(Tipsに関してもネットに情報が多い。)
成田:録音方法などは調べましたが、それ以外は感覚でやっています。毎月配信を重ねるごとに反省・改善されていくので、成長している感じが面白いですね。
その他は、TV番組のコーナーや題材、芸人さんを参考にして面白い言い回しや絡み方などを参考にしています。
番組を作っていく中で、むずかしいと感じる時はどんな時ですか。
赤垣:今でも試行錯誤中ですが、いわゆる「放送禁止用語」や「日本語の正しい読み方」など、どこまで厳密さを求めるかという点に頭を悩ませています。
今後、外部向けに配信することができたら、ここのガイドラインは必要になってくるだろうなとは考えています。
成田:トークゲストの方が来た時に、会話している当人同士がただ楽しいだけではなく、聴いてるリスナーさんに少しでも興味を持ってもらったり、面白いと感じてもらえるような話に持っていくことですかね。
「ぼくたち(成田・赤垣)が楽しむこと」を大切にしているのですが、「ぼくたちだけが楽しい」になってはいけないので、その塩梅はむずかしいですね。
あとは、毎回リスナーさんに向けたアンケートを取っているのですが、回答が沢山集まるようにする方法が未だにわからない。(笑)
リスナーさんの反応でうれしかったコメントや反響はありますか。
赤垣:みなさんさまざまな価値観で楽しんでいただけているみたいなので、一概には言えませんが、ぼく個人としては「在宅勤務でチームメンバーの顔が見えにくくなり、会社側でサポートし切れていなかった心のケア」をラジオ番組で少なからずフォローできたことが、一番手応えを感じている点です。
また、ゲスト出演いただいた方が他のメンバーに口コミで出演の感想を伝えてくれたおかげもあり、ゲスト出演したいという人が増えてきました。
メンバーにとって、ラジオチュロスがあたらしいコミュニケーションの場となっているのですね。
赤垣:リスナーさんからの持ち込み企画やアンケート結果も、そのまま企画には落とし込まず、その裏側の真意を汲み取るようにしています。声なき声を拾い上げるのが、この番組の意義だと考えているので。
バラバラに点在したリスナーさんのコメントと時事ネタを並べ、つなぎ合わせて1つの全体像、話すテーマを決めていきます。浮かび上がらせる、あぶり出すとも言えますかね。そうして決まったテーマに合ったゲストを呼ぶ時にも、事前に打ち合わせをして大体の流れと「着地点」を共有します。
リスナーさんからのコメントをきっかけにテーマを決めたラジオ回では、リスナーさんと気持ちを共有できた(と、ぼくは思っている)ので、ひとつのコミュニケーションの場になっているとうれしいです。
ラジオはライブではなく録音したものを配信しているので、自分の好きなタイミングで作業BGM代わりに聴くことができるのも、気軽なコミュニケーションとしてちょうどいいみたいです。
ラジオを始めてから気が付いたことや変化はありましたか。
赤垣:リスナーさんの反応からもいろいろな気付きはありましたが、大きく分けると内面的と外面的にそれぞれ気付きがありました。
内面的には、「何かを作るって大変。でも、楽しい!」そう思った時、自分は根っからのクリエイターなんだと再認識しました。
外面的には、巷ではAI/DXの導入が喧伝されている一方で、民間企業のAI導入率は「AI白書2020(※2)」によると4.2%なんです。ということは、約96%の企業にAIの導入余地があるということですよね。
実は、ラジオもそうなんです。YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームが伸びる一方で、音声広告やラジオが密かに伸びてきているんです。(※3)
何が言いたいかと言うと、以上の3例から考察したぼくの仮説なんですけど、人間の中でも特に日本人は、未曾有の危機や自分の理解を超える未知なる技術や概念に直面した時、「ソフトな懐古主義や現状維持に心が傾くんじゃないか」と思うんです。
だから、2つの現象のギャップ(乖離)を埋めるサービスであったり現在のトレンドとは正反対のトレンドに逆張りすることで、新たな市場を開拓できるのではないか?と、思ったわけです。
いずれにせよ、ラジオを制作するにあたって少なからず時事ネタを扱うため、ニュースなどの情報収集や分析方法には気を付けるようになりましたね。
※2
「AI白書2020」を解説、IPAが示す日本の人工知能導入率が低いワケ
業種別AIの導入状況に関する法人アンケート調査を実施(2018年)
※3
YouTubeが音楽ファンをターゲットにした音声重視のオーディオ広告を開始
情報収集や分析以外に、運用で心がけていることや大切にしていることはありますか。
赤垣:先ほどお話しにでた「波よ聞いてくれ(※1)」の作中に、
“ 「俺たちは日常を演出しなきゃならない」
「一人じゃない」「大丈夫だよ」と語り続けなきゃならないんだよ
お前がリスナーの不安を掬い上げるんだ ”
出典:沙村 広明『波よ聞いてくれ 』8巻 一部抜粋引用
と、いうセリフがあります。このセリフのように、コロナ禍におけるリスナーさんの不安な気持ちを掬い上げること、「1人じゃない」「大丈夫だ」ということを、「リスナーにくだらない話で鼓舞し続けること」です。成田さんもアニメを見てくれていて、この「想い」は共有しています。
ラジオチュロスで特に拘っていることがあれば、教えてください。
赤垣:これは成田さんにもお話していることなんですが、まずは作り手である「自分たちが楽しむこと」。
嫌々だったり、させられている感だったり、作業感を感じながら作っちゃうと、その雰囲気は声のトーンや番組の構成に乗っかってリスナーさんに伝わっちゃうので、そこは避けたい。
こう言ってしまうとアレですが、普段の仕事は慣れるに従い、色々なレギュレーションが絡んでデザイナーにとってクリエイティビティを発揮しづらい環境になってしまう場合があると思っています。
普段はなかなか発揮できない創造性だったり溜まってしまったフラストレーションを発散させたり、リスナーさんにも自由に意見を言ってもらいたいですし、アウトプットのお披露目の場として利用してもらっても大丈夫です。
ちなみに、ラジオチュロスのジングルはディレクターの野口さん(※4)に依頼して制作してもらいました。番組のコンセプトだけお伝えして、そこから大きく外れてなければ、あとは自由に制作してください!と、丸投げです。(笑)
ラジオチュロスのジングル解説
ジングル聴きましたが、かっこいいですよね。
ジングルのコンセプトはあるのでしょうか。
※4 野口さん
ラジオチュロスのジングル制作担当
ディレクター
愛称:天才のぐちマン
ラジオチュロスジングルの視聴はこちら
天才のぐちマン:ドーナツよりチュロス!ということで......、AMよりFM感?(笑)ラジオで言うと「ジャンク系」のジングルを目指しました。
リズミカルなダンスミュージック的なビートに、なりちゃん(成田さん)らしさとしてカッティングギターを更に乗せることで、身体が自然に動いちゃう的な?(笑)
あとは、どうやってオチを付けるかみたいなことを意識したかな。コード進行を間違えると、なんかオチを付けられないと言うか......。最後に、自分の声で「ラジオチュローーース」って入れている部分があるんだけど、これもオチを付けるために入れたって感じ。ジャンクなラジオっぽさがあるかも。(笑)
とは言いつつも、テーマやコンセプトなんて偉そうなものはそんなになくて、楽しく作らせてもらいましたって感じ。(笑)
ちなみに聴き所は、2人(赤垣さんとなりちゃん)の声を使用している所かな。あとはカッティングのギターサンプルを最初に作って、あとでなりちゃんにギターで弾き直してもらったんですよ。んで、最初のサンプル音源を左に。なりちゃんの生ギター音源を右に(逆かも)振っているので、ヘッドホンやイヤホンで聴いてもらうと分かりやすいかも!
こんな感じで大丈夫?(笑)
赤垣さん:産みの苦しみはあったかと思うのですが、楽しんで制作していただけたようなのでホッとしました。(笑)
今後、番組がどんな展開をしていくにせよ、「クリエイターがクリエイターらしくあれる場所」、そこの軸だけは振らさないようにしようと思っています。
今後のラジオチュロスの取り組みや展望
今後、ラジオチュロスとして挑戦していきたいことや、展望はありますか。
赤垣:先ほどもお話したように、番組のコンセプト自体は「クリエイターらしくいられる場所、クリエイターに寄り添うラジオ番組」でいたいと思いますが、世情と共に番組に求められるものも変わってきますから、正直どうなるかはわかりません。急な変化のダイナミックさも楽しめたらいいな、とは思いますが。
ビジネス的な展望で言うと、最終的には当初の目論見通り外部に向けた配信ができたらいいなと考えてます。
そこで音声広告の知見や制作ノウハウを溜めつつ、あわよくば媒体としての地位を確立できたらとも。
まぁ、媒体とまではいかなくとも、その時までには制作のノウハウは溜まっているわけですから、それを根拠に他媒体やラジオ配信をやってみたいという方へ制作のアドバイスだったりコンサルだったりができますよね?
そういう形でもいいし、番組を聞いてくれた誰かが「DJの方にイベントの司会をお願いできますか?」なんて依頼が来るかもしれない。
自分たちの経験やノウハウを活かし、誰かの課題を解決することでそれを会社の価値に変えたいと思っています。
当面の目標としては、現状2人で全ての作業をこなしているのですが、これを誰がやっても同程度のクオリティで番組を作れるように、ワークフローを仕組み化(マニュアル化)したいなと考えています。
それができたら、枠組みごと丸っと若手に引き渡して、自分は表舞台から去ろうとも考えています。
性格的に飽きっぽいし、いろいろなことに携わりたいというのもあると思うのですが、もうね、年齢も年齢なんでそろそろ細かい手作業からは解放されて、頭脳労働にシフトしたいんです!(切実)
と、まぁ、ここまで散々自分の妄想をツラツラと述べてきたわけですが、全ては未定です。
成田さんとも相談しなければいけませんし。
彼ならきっと、「そんな小倉ゆうかみたいなこと言わないでよ。」(※5)といって慰留してくれると思いますが。
※5 小倉ゆうか
生放送ラジオ番組のエンディングで突如、降板宣言。「夜早く寝て、朝早く起きる生活が辛くて......。」の名言を残す。その後、本当に事情説明することもなく降板。レジェンドとなる。
ー 終 ー
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