月刊プレイリストボーイ2021年10月号
【10月のプレイリスト】
01.Happy Ever After/ジュリア・フォーダム
02.I Hear You Paint House(feat.Van Morrison)
/ロビー・ロバートソン
03.No Time To Die/ビリー・アイリッシュ
04.新しい人/ オーガ・ユー・アスホール
05.96708/カーリー・ジラフ
06.Wind Blow/レヨナ
07.Bodhisattva/スティーリー・ダン
08.Jazz/バッファロー・ドーター
09.9月の海はクラゲの海/ムーン・ライダーズ
10.When You Wish Upon a Star
/ジム・カンピロンゴ
【メモ】
秋深まると、ジュリア・フォーダムの声を無性に求める。この曲も、珈琲を飲んだりしながら日暮れに聴くのが好きだが、歌詞の内容はそんな生やさしいもんじゃなくて、南アフリカの差別・迫害を嘆く歌。…だとしても自分にとっては秋の曲。
映画「アイリッシュマン」の音楽を手掛けたロビー・ロバートソンが、その物語からインスパイアされてつくったという曲。ロバートソンもヴァン・モリソンも、ロック界ではデ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシくらいのお立場だもんね。
007最新作の主題歌。この曲はアデルの「スカイフォール」と同じ路線だな。ビリー・アイリッシュの嗄声は悪夢の一歩手前的な不穏さを感じる。
「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」進行のフォークソングでもオーガ風のサイケアンビエントで包み込むと、こんなにcoolになる。気怠るくて、冷たい。そんな世界が何より好き。
最近知ったカーリー・ジラフのこのアルバムは、今いちばんよく聴いてる。この曲はウェストコーストロック調だけどドラムが打ち込みというだけで、今っぽくなる。こういう方法論でスジを通すところも好み。
レヨナの声には惚れ惚れするしかない。低音から中音域でジックリと粘りながらブルージーに決める感じが最高にセクシーでカッコいい。
オーソドックスな筈のロックン・ロールも全然オーソドックスじゃなくなる。一筋縄ではいかない、文武両道感がスティーリー・ダン。
先月?出たバッファロー・ドーターの新譜から。有機的な要素が殆どない気持ち良さ。あとひとつ言えることはこの曲は少しも「JAZZ」ではない。
いちばんヘンテコで尖ってた頃のムーン・ライダーズ。9月の海にはそんなにクラゲがいるのかしら?知らんし。
46分縛りでプレイリストを作ってると、必ず「帯に短し襷に長し」というような時間ができる。ジム・カンピロンゴの演奏から敢えてこれを選んだのは時間がちょうど良かったから。こういう真面目なスタンダード曲は斜に構えて冷笑しがちだけど、ちゃんと聴くといいですね。