見出し画像

月刊プレイリストボーイ2025年1月号

【今月のプレイリスト】

1.スネークマンのテーマ/スネーク・マンショー
巳年にちなんで、というくだらん選曲理由だが、「ふてほど」が流行語になるご時世、スネークマン・ショーがサブスクに上がっていることに驚く。薬局でコンドームくださいと言い出せずに逡巡するコントなんかは、むしろ今より純情だったんだなぁ、とも思える。

2.おそうじおばちゃん(Live)/憂歌団
年初めに参加したブルースセッションで歌った曲。1975年当時、既に民放連からは「不適切」認定され、放送禁止となった。職業差別というのが理由らしいが、労働者の嘆きにユーモアとペーソスを交えて歌うBluesの本質を理解しないのは、文化的痴呆と言わざるを得ない。

3.What My Momma Told Me/
That's All Right (feat.Derek Tracks)/
ジュニア・ウェルズ
最近よく聞く、ジュニア・ウェルズと6人の若手スライド名手らとのコラボアルバムから。なかでもやはり、デレク・トラックスはひときわ才気を炸裂させている。抜けの良いリムショット主体のシャッフルもサイコーっす。CDは既に廃盤。サブスクありがたや。

4.Speak To Me/ジュリアン・ラージ
こういうアカデミック臭がプンプンする、「僕何でもできちゃうんです」みたいなギタリストは基本、鼻持ちならんのだが、 2024年話題になったミュージシャンで真っ先に想い浮かんだのはこの人。この演奏はお行儀の良いマーク・リボーみたいなフレージングの妙が、まぁ悪くないよ。

5.Hollywood Waltz/イーグルス
7日に発生した山火事は3週間にわたって街を焼き尽くし、「まるで夢の国」だった筈の南カリフォルニアを広大な廃墟にしてしまった。春にアカシアは咲くのだろうか。。。1日も早い復興を願います。

6.Still Crazy After All These Years/
ポール・サイモン

12日に出演した南森町シカゴロックでのLiveで共演した時里さんが弾き語りで聞かせてくれた。モダンで知的なのに牧歌的でもある。いやはや大名曲。

7.Mercy,Mercy/ドン・コヴェイ
これも12日のシカゴロックでレコードで聞かせてもらった曲。ちょうど自分たちのステージ終了直後、余韻にかぶせるように大音量でかけてくれた。若きジミヘンによる正調R&Bギターにミックが憧れた猥雑なSoul。やっぱりレコードで聞いたらサイコーだった。

8.Y.M.C.A./ヴィレッジ・ピープル
新大統領に当選したうえでは、少しでもあの人物を理解しようと努力したが、実際にあのように暴力的な大統領令を乱発されると目の前が真っ暗になる。子供の頃から親しみを持って来たこの曲が、こんなに禍々しく響くとは。

9.Yes Sir,I Can Boogie /バカラ
映画「アプレンティス ドナルド・トランプの創り方」のエンドロールで流れる曲。

10.Juna/クレイロ
アナグロっぽい音質含め、ジェーン・バーキンかカーディガンズみたいな印象を受けたが、彼女はアメリカ人。バイセクシュアルであることを公言している彼女は、新大統領就任式の日、「誰かトランプに大至急魔法をかけて」とSNSで訴えたという。この現実こそが魔法と思いたい。

11.らいおんハート/佐藤竹善
ナカイくんに何の思い入れもないが、あのような形での引退には一抹の寂しさを覚える。彼にはどこか陽気さが上滑りしてるような空虚を感じていて、そういうとこにこそ自分は親しみを持っていたのだなと気づいた。SMAPがサブスクにないので佐藤竹善のバージョン。名曲をいっそう際立てる歌いっぷり。レゲエのようでレゲエでない、裏拍でネバりまくるビートとのミスマッチ感も面白いと思う。

12.地球ブルース/The Crane Fly
百歩譲って、世界はアメリカを中心に回っているかも知れないが、地球はそうではない。

いいなと思ったら応援しよう!