「劇場版センキョナンデス」舞台挨拶上映「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」
どうも、安部スナヲです。
最近観た映画の感想を述べます。
今回はミニシアター系の割とニッチなこの2本。
「劇場版センキョナンデス」舞台挨拶上映。
時事芸人のプチ鹿島とラッパーのダースレイダーが時事ネタについてラフに語るYouTube番組「ヒルカラナンデス」のスピンオフ的に始まった、選挙の突撃取材企画。
当初は映画をつくる気などなかったが、2022年7月8日。奇しくも取材中に起きたあの事件をキッカケに、ドキュメンタリー映画として伝え、残すことの意義を見出したという。
フィーチャーされた選挙戦はふたつ。
ひとつは2021年衆院選の香川1区。
映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」でお馴染み?の小川淳也(立民)が初めて選挙区で宿敵平井たくや(自民)に勝つという悲願を遂げた選挙。
四國新聞(平井氏の一族が経営)の平井氏への露骨な肩入れと小川氏への公正を欠く批判報道について、鹿島&ダースコンビが同新聞社に押し掛けて詰問し、追い詰めて行くところは勧善懲悪的カタルシスを得られる名場面だった。
それよりも何よりも、両候補者の選挙活動そのものの熱量のちがいが興味深い。
もうひとつは2022年参院選の大阪。
ここへ来てさらに打倒維新への激しい執念を燃やす菅直人が「闘うリベラル」を掲げ、辻元清美(比例)はじめ立民候補者の援護射撃を奮う。
そんな選挙戦の最中だ。7月8日奈良県は大和西大寺駅前、自民党候補者の応援演説中に安倍晋三元首相が凶弾に倒れる。
日本中が凍りつき、選挙活動も一時中断されるなか、それでもそれぞれが安倍さんへの敬意・弔意をしめしながら民主主義の意味を問い直す……そんな様子が生々しく伝わって来る貴重な映像の数々が記録されている。
本作を観に行った3月25日のシネマート心斎橋は、たまたま舞台挨拶が行われた日だった。
上映後に登場した鹿島さんとダースさんは、目下の統一地方選挙の大阪府知事選と、翌日に告示予定の市長選の選挙活動について、いち早くレポートしてくださった。
「アップデート大阪」からの候補者谷口真由美氏(府知事)と北野妙子氏(市長)を応援する自民、立民、それぞれの弁士がなんかギクシャクしてて互いに目を合わせようとしないとか、そういうイジワル目線な話も聞けて超愉快!…といって、大阪市民である自分にとってはワロてばかりもおられぬのだが……。
ともあれ、民主主義はどうあって欲しいか、野党にはどのような力を持って欲しいかということが少し見えた。そんな映画でした。
「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」
プロの殺し屋女子高生チサト(高石あかり)とマヒロ(伊澤沙織)が愉快痛快に暗躍するバイオレンスアクションコメディの2作目。
前作で2人は高校卒業に伴い、殺し屋とて、これからはフツウの社会人として自立する必要があるということで、所属している殺し屋協会からルームシェアで同居することを命じられる。
バイトして生活費を稼いだり家賃を払ったりという純社会生活に悪戦苦闘しながらも、ヤクザのイザコザに巻き込まれてド派手に暴れまくり、まぁあんまり成長してる感じはしないけど、なんとかつつがなく?暮らしていた。
今作で再びスクリーンに登場した2人は、滞納していた高級トレーニングジムの会費請求と、キャリアに応じてプラン変更を余儀なくされた殺し屋保険料の支払い期限に追われていた。
で、アタフタと支払いに行った銀行で強盗に遭遇し、そいつらを鮮やかに撃退したものの私的な争いを協会から咎められ謹慎をもうしつけられる。
一方で協会無所属の、いわば「非正規」の殺し屋兄弟ユウリ(丞威)とマコト(濱田龍臣)が、正規の殺し屋(なんじゃそら)のポストを奪うという目的で、彼女たちの命を狙うが……というハナシ。
映画の中では殺しを請け負う代理店のような協会が存在し、受注ベースで各殺し屋に仕事を依頼する。
何せ殺人なので契約履行、業務遂行にあたっていろいろ細かい規約が設けられていたりする。
チサトとマヒロは、殺し屋としては超一流の腕を持っているが、ゆうてもまだ10代のガキ。いつも一般常識やら社会性の乏しさでつまづいてしまう。そこが面白いところ。
普段はソファに行儀悪く寝そべってダラダラダラダラとスマホをいじったり、スィーツを食べながらダベってじゃれあったりしているが、いざ仕事となると俊敏かつ強靭な身のこなしで格闘と銃撃戦を繰り広げる。
特に本職のスタントパフォーマーである伊澤沙織が演じるマヒロのダイナミックな格闘シーンには惚れ惚れする。
このマヒロという娘は、普段はいつもモジモジしてる内向的なハニカミ屋なのに戦うと超強い。正直に告白すると、前作を観て以来、マヒロのこのギャップ萌えを何度も思い出してはニヤニヤしている。
そして注目すべき名物サブキャラは死体処理業者のタサカ(水石亜飛夢)
彼女たちがターゲットを仕留めたあと、合法か非合法かよくわからんフローでホシの処理をするタサカは、いつもイライラしながら彼女たちの仕事のしかた(殺し方)に対する不満をネチネチいう。
今作の彼は、さらに物語上重要な役回りを担っていて登場頻度も多いので、あの神経質で肝っ玉の小さい現場責任者感に何度も爆笑させられた。
にも増して驚かされたのが、タサカのアシスタント役のミヤウチさん(中井友望)
ずっとフニャフニャした喋り方でパッパラパーかに見えた彼女がクライマックスに向かう重要な局面で、ほんの一瞬、豹変するのだ。
その時、彼女が上司であるタサカに言った台詞は、図らずもナメられっぱなしの我が人生に猛省を促す教訓となりました。
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