ファブリーズMEN炎上広告チェック!背景ジェンダー構造解説
厳しめ!広告の炎上チェック
評価:問題度 中
結果:プチ炎上
理由:臭い人がいじめられているように見える
対象広告:ファブリーズMEN エレベータートラップ篇
なぜ炎上したのか?ポイント解説
ネガティブな訴求方法
1 消費者を焦らせて購買につなげようとする
2 男性が女性にいじめられているように見える
3 男性と女性の構造が見える
1 消費者を焦らせて購買につなげようとする企業態度
まず、「人/異性に臭いと思われたくない」という気持ちを表現しているのは、消費者インサイトをついているはずです。
しかし、そのインサイトを露骨な形で表現してしまった事で、消費者を焦らせて購買につなげようとする企業態度が見えてしまいました。
「職場の女性にこんな風に思われたくないですよね?」と男性ターゲットに訴求しており、いわゆる脅迫的な訴求であったことが否めません。
2 男性が女性にいじめられているように見える
また、表現では女性の振る舞いがハラスメントに当たります。
具体的には、エレベーターで男性のパーソナルスペースに入り、「汗臭い」「焼肉食ったっしょ」と露骨に眉をしかめる点です。これは、男性が臭い、といったステレオタイプの助長や、臭い男性にはひどい態度を取って良い、と企業が考えていると言うメッセージに繋がる可能性もあります。
3 男性と女性の構造が見える
この広告についての炎上が話題になった際、「男が臭いって言うのはいいのか」「男性と女性が逆だったらもっと炎上していた」等、男性からの発言が目立っていました。中でも「フェミニズムの女性は小さなことで広告を炎上させるが、男性が悪く言われている広告は炎上になりにくいのは女尊男
卑」という意見が多くTwitterにありました。
ジェンダー、特に女性のステレオタイプや女性が被害者となる形での広告表現が炎上しやすい昨今、男性からの声が上がっており、男尊女卑だけでなく女尊男卑が存在することで物議を醸していました。
炎上を防ぐためには
いじめられる表現や消費者を焦らせて購買につなげようとする手法を使わず、「人から臭いと思われたくない」という消費者のインサイトを刺激するにはどうしたらいいでしょうか。実際にP&Gの他の広告で良い例がありました。
良い広告の例 高橋一生出演/ファブリーズMEN WEB動画「雨」篇
この広告では、主人公の男性が自分の服が臭うんじゃないか、と気にしています。
上記のエレベータ―篇の広告とは異なり、広告ストーリーに他者の視点がありません。臭いと嫌われる、ひどいことを言われるという脅迫的な表現がないのです。
このように、他者からの評価ではなく自分起点で不安を抱えている描写にする事で、いじめや脅迫的な表現を避けられます。
最後も女性は主人公に好意を寄せていた、というハッピーエンドになっており、人を不快にさせる確率が少ないと思われます。
広告の良し悪しはどう評価するのか
広告炎上や批判可能性を抑えること、メッセージを適切に伝えるには、
社会背景や、ターゲットの傾向、感情など様々な要因を理解する必要があります。
広告評価を行った経験を活かし、広告内容のチェックを行っております。
もし自社広告、発信内容に不安がある方はお役に立てますので、ご連絡ください。