Advanced Squad Leader (ASL) 勝利への道:戦術探究 実戦編 J33 THE SLAUGHTERHOUSE (3)
ドイツ軍第4ターン終了時は以下のとおり。
前の記事から2ターン過ぎた絵ですが、ずいぶんとすっきりした状況です。タバコ工場を制したソ連軍は右端に固まっています。キラースタックはぐるっと遠回りして、戦線に行こうとしており、地雷原で立ち往生している歩兵も見えます。
我が方はといえば、ほぼ工場に固まっています。
序盤はかなり複雑な形勢でしたが、中盤戦になるとずいぶんと単純になってきましたね。ソ連軍は右端の部隊を突進させてくる。我が方はそれを迎え撃つ。
―以上!ってな感じ。
88mm砲が、何もなすことなく消し飛んだのは、前の記事で書いたとおりですが、敵もそれなりに痛手をこうむっています。JSU-122の1両がESBで6ゾロを出して走行不能。T-34/85の1両が対戦車地雷原で地雷を踏んで走行不能、もう1両は主砲とBMGが故障。こちらは受け身で、ただ勝手に戦力が減損しています。ですが、そろそろ屠殺場の守備隊が能動的に頑張らねばなりません。それが、これからのハイライトとなるでしょう。
ソ連軍第5ターン終了時は以下のとおり。
敵は、屠殺場へと一気に間合いを詰めてきました(TI状態の歩兵は地雷探索のために索敵)。それを四連装高射砲と9-2指揮官+HMG分隊が果敢に迎撃し、薙ぎ払います。このあと、四連装高射砲たちは主砲が故障したT-34/85にフリーズかけられています(戦車は主砲が故障すると突然大胆になりたくなるルールは改定してほしい……ボソッとな)。
このターンは、どうにか凌ぎました。しかし、虎の子の10-2指揮官スタックが迫っていますし、2門の122mm砲に目をつけられています。残るは2ターン。最後まで抵抗して好ましい大団円を迎えるか、まもなく決着がつきます。
ドイツ軍第5ターン。ユニットは残り少なく、やれることは限られています。まずフリーズ中のT-34/85。9-1指揮官とMMG分隊は、パンツァーファウスト判定に失敗。あまつさえ、分隊は釘付け状態で無理に判定して、6が出たため混乱状態に。しかし、四連装高射砲の操作班がパンツァーファウストを取り出して撃破しました。屠殺場を守るほかの歩兵はあらかた敵の主力のLOS外に移動します。ちなみに、このヘクスにいるユニットたちは、敵の防御射撃で総崩れとなりました。
ソ連軍第6ターン。敵は遮二無二に屠殺場の一角にとりついてきました。もう迎え撃つ以内の選択肢はありません。撃って敵の多数を混乱状態とし、この時点でソ連軍は投了しました。
今回の対戦を振り返って
軍事やビジネスの世界で、「立てた計画は実行するはしから崩れていく。しかし計画はしておかねばならない」みたいな言い回しがあります。今回の88mm砲と四連装高射砲の配置は、まさにそれが当てはまります。前の記事で2千字余り費やして考え抜いたのに、本来の意図に全然活かされなかったわけですが、じゃあ、それが全くの無駄だったかといえば、さにあらず。敵の進撃を遅らせるのにまあまあ役立ちましたし、次回以降の対戦に暗黙知として生かされていくわけです。
それはさておき、今回はソ連軍の疑問手に助けられて、勝ち抜けた感があります。疑問手というのは、例えばキラースタックが、後半は移動に費やされて全く出番がなかったこと(射界は限られていても元の位置にいたほうが良かったのでは)。2-2-8が、タバコ工場を奪還できる位置にいるにもかかわらず、全く対処してないことなどです。それらがなければ、こちらは要衝を守り切れなかった可能性があります。
それはともかく、「自分が苦しい時は相手も苦しい」「戦(いくさ)とは、相手がいるからままならないもの」という、手垢にまみれて言い古された言辞が、盤上でも真実だということです。このゲームの面白さを再認識したいい機会でした。