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発達障害と、障害者手帳と、取得か否かと

こんにちは。
にじいろ発達相談室ヨアケマエです。

本日は発達障害の方が障害者手帳を取った方が良いかどうかの考え方についてお話ししたいと思います。

結論から言いますと、YESであり、NOでもあります。
どっちやねんと言いたくなるところですが、要は個別の状況に応じた判断が必要ということです。

障害者手帳の種類

障害者手帳には3つの種類があります。
①身体障害者手帳
②療育手帳(地域により名称が異なります)
③精神障害者保健福祉手帳


発達障害の方は身体の障害をお持ちでなければ基本的に療育手帳か精神障害者保健福祉手帳を取得対象となります。

療育手帳は18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所などで判定を受けて交付されます。

精神障害者保健福祉手帳は医師の診断書に基づいて各都道府県の精神保健福祉センターで審査が行われ、交付されます。

どちらがよいというものではありませんので、取得される方の知的能力によって判断されることが一般的かと思います。

手帳取得のメリットデメリットは様々なサイト、noteでも書かれている方がいらっしゃるので、そちらを見ていただければと思います。

手帳取得に関する考え方

私は主に以下の3つを考える際の視点としています。

① ご本人の手帳に対する認知
② 手帳取得に対する心理的影響
③ この先の生活像(近未来)


① ご本人の手帳に対する認知
発達障害の方達は認知特性に偏りがあります。そのため、何を聞き、どのように認知、理解しているかを確認する必要があります。
たまたま過去に知人が手帳を持っている人に対してマイナスなことを言ったのを聞いていたことで、それを世の中のみんながそう思っていると捉えてしまう、なんてこともあります。

② 手帳取得に対する心理的影響
様々な支援経過の中で、支援者から手帳を勧められた経験がある方もわりといらっしゃいます。
①にも関連してくる部分で過去の経過(他者の言動や自分自身で作り上げてしまっている意識など)の中で否定的な印象を持ってしまっている場合もあります。
手帳取得について否定的な方に無理に手帳取得を勧めた場合、一時的には納得したとしても、後になって手帳を取得したことについてとらされたという感覚になってしまうことがあります。
意思決定支援というご本人の思いを大事にしながら支援を考えていく話が進んでいますので、多くのケースは大丈夫とは思いますが、学齢期の主体性が曖昧な時期(具体的には中学生から高校生くらいでしょうか)には取得の判断について丁寧なすり合わせが必要となります。

③ この先の生活像(近未来)
相談の中で5年後、10年後、どうなっていたいか聞く場合もありますが、答えられる方は多くはいらっしゃいません。
というか、見通せていたならば相談に来るまでもないわけで、これからどうしたらよいかわからないから相談されているのですから。
なので、あまり遠くのことよりもまずはこの先の次のステップについてどういうイメージや希望を持っているか、を大切にお聞きします。
障害者雇用を積極的に考えていきたいのか、福祉サービスを利用したいのか、少しでも税金などの補助を受けたいのか。その人の希望とメリットがどの程度合致するのかどうかについて考えます。

手帳取得に関するデメリットはないの?

これもたまに聞かれますが、社会的な意味でのデメリットはないと考えています。
あるとすればその方の中にある心理的葛藤や家族や知人との関係性の中で生じてくる悩みの部分ではないかと思います。
手帳を持つことで他人にバレるのでは…なんてことも聞かれますが、私は「パスポートと同じですよ」と答えています。
誰がパスポートを持っていて、持っていないかなんて他人から見たらわからないですよね。
必要になったとき(パスポートなら外国に行く時、身分を証明するとき)だけ使えばいいものなので、そういった意味でもすこしでも心理的葛藤や抵抗感が減ってくれたらいいなぁと思っています。

まとめ

手帳取得について、私はこういった部分を検討しながら普段の相談業務を行っています。
初めにYESでありNOであると書いたように、その人の発達障害に対する自己理解や心理的抵抗感、また何をこの先望まれているのか、その他も含めて検討した上で必要かどうか判断することが大切と考えています。

発達障害の方で手帳取得に関して悩まれている方がいらっしゃれば、今回の記事が少しでも参考となれば幸いです。
個別性がかなり高いため、直接相談をして考えたい方がいらっしゃれば、ココナラの方でご連絡下されば、状況をお聞きする中で一緒に考えさせていただきます。よろしければご連絡下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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