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七夕の日に「サボテンの花」
七夕の日が近づくと若いころお世話になった先輩を思い出します。社会人になって間もない新人に、彼はよくこう言いました。
「男女は会いたい時に会えないくらいがちょうどいい。織姫と彦星のように年に一度しか会えなかったらケンカすることもない」
続けて、先輩は「ずっと一緒にいると大変だよ…」とにやり。公私ともに面倒をみてもらった方で愛妻家なのを知っていたから、なぜそんなことを言うんだろうと思ったものです。
【オカリナ】たなばたさま~2023~吹いてみた (youtube.com)
(あおすずあさぎさんの「たなばたさま」)
夫婦の機微について知るようになったのは、後に私が結婚して所帯をもってからですが、ここでは横に置いといて…。もうひとつ、先輩はこんな格言を紹介してくれました。
「私とあなたはサボテン夫婦。棘があれども水入らず」
ドイツの諺だそうですが、確認はとれませんでした。言い得て妙です。
サボテンの花言葉は「温かい心」「枯れない愛」。喧嘩をしてしまっても、互いに思いやりをもって向き合うことが大切…ということでしょう。
多肉植物を育てるのを趣味とする後輩の話では、サボテンは種類や環境によってかわいらしい花を咲かせるそうです。2000品種以上あるサボテンには、花を咲かせる品種をそうでない品種があると。
このサイトを見ると、サボテンの花も赤、白、黄色などほんとうに色とりどりですね。
さて、音楽の世界ではそのものずばり、「サボテンの花」という楽曲があります。
作詞・作曲は財津和夫、チューリップの通算8枚目のシングルで発売されたのは1975年2月5日ですから半世紀前です。しかし、多くの人がそうであるように、私がこの曲を知ったのは90年代の大ヒットドラマ「ひとつ屋根の下」の主題歌としてでした。
歌詞の内容は思いっきり失恋ソングですね。歌い出しから、
ほんの小さな出来事に 愛は傷ついて
君は部屋をとびだした 真冬の空の下に
編みかけていた手袋と 洗いかけの洗濯物
シャボンの泡がゆれていた 君の香りがゆれてた♪
編みかけていた手袋をほっぽり出して真冬の外へ飛び出すなんて、ふたりの間でどんなやりとりがあったんだろう──片思い専門家の私には理解できず、想像を巡らすばかり。
サボテンというフレーズが出てくるのは2番の最後のほうで、
思い出のつまったこの部屋を 僕も出てゆこう
ドアにかぎをおろした時 なぜか涙がこぼれた
君が育てたサボテンは 小さな花をつくった
春はもうすぐそこまで 恋は今終わった♪
オカリナの練習にあたって私なりの選曲の基準がありまして、それはラブソングはやらないことなんですが、唯一の例外がこの曲です。
(こや音さんの「サボテンの花」)
最後の歌詞が、いまの自分の気持ちにぴったりとくるからでした。
この長い冬が終わるまでに
何かをみつけて生きよう
何かを信じて生きてゆこう
この冬が終わるまで♪
大切なものを喪ったけれど、人生はこれからも続くわけで、だからこそ、希望をもって再出発しよう、という決意と覚悟…。
気に入ったのでさっそく楽譜を取り寄せて練習しています。