エレキギター。
大学入学の時に購入した。地元の中古ショップで。
そもそも音楽が好きになったのは、中学の時にSchool Of LockというFMラジオを聴いていたからだ。
高校生の時からスマートフォンが手元にあるせいで、いろいろリサーチをした。あの人が使っているのはここのメーカー、とか、このモデルはあまり評判が良くない、とか。今考えるとちゃんちゃらおかしいが、当時はそれが楽しかった。
地元の中古屋で、Fender Japanのものを買った。もちろん試奏などできないので、店員さんにやってもらった。音がどう、とかもわからないのに、わかっているフリをしたのを鮮明に覚えている。
端的にいうと、購入以来ギターはほとんど触っていない。もちろんバンドを組んだりもしていない。4万円のギターは、いつも悲しそうにこちらを見ている。
ただ、強がりではなく、もったいないとは思っていない。買ってみて初めて気づいたこともある。意外と重たいこととか、やっぱりFコードは押さえづらいとか。Stand By Meの弾き語りが、かろうじて出来た時の達成感とか。ギター欲しいなぁと思っていた頃とは経験値が違うのだ。貧乏学生には高すぎる授業料であるが、それもまた今しかできないことなのかもしれない。
何より、このギターが、あの頃の感情を思い出させてくれる。実家の蒸し暑い部屋で、某楽器店のサイトをみていた日のことを。未来への希望とか、理想とか、そんなものの象徴であったような気がする。弾きはしないけれど、いらないと思ったことは一度もない。過去の大事な思い出のようなものなのだ。
そろそろまた弦を張り替えよう。ついでにちょっと弾いてみようかしら。
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