重層長屋物件で暮らす工夫~気温に着目して~
1. 重層長屋型とは?
私は重層長屋型のアパートを借りて暮らしています。
これは、1階に玄関があって、部屋は2階や3階にあるタイプの物件のことです。これを重層長屋というそうです。
最近、新しく建てられているアパートを眺めていると、このタイプが多いような気がします。共用部を持たないアパートなので、なにかと都合がよいようです。住んでいる人も多いのではないでしょうか。
(レオパレスさんのサイトに書いてありました)
https://www.leopalace21.jp/lineup/structure/nagaya.html
さて、私の部屋は3階にあります。採光性や風通しもよく、晴天の日はよく日差しが差し込み、気温がぐんぐん上がっていきます。冬は暖房がいらないほどで(※比較的寒さに強い人間という理由もある)、夏は辛い暑さです。これはなんとかして涼しく暮らす工夫をしなくてはなりません。
ある日、気が付きました。玄関は随分と涼しい気がする。冷たい空気は下にたまるものですからね。しかし3階と1階の玄関では気温差がかなりあるような気がしました。さっそく気温の観測をしてみましょう。
2.気温観測の方法
気温の観測には、「おんどとり TR-72wb」を使用しました。この機種は温度と湿度の観測が可能です。測定間隔は1分としました。機器を2台準備し、1階の玄関と3階の部屋にそれぞれ設置しました。
観測日は2024/7/9であり、私が外出していた4:30~19:30を観測期間としました。このとき、普段の生活環境を再現するため、3階の窓は全開放し、外気を取り込める条件としました。1階には窓はありません。
3. 観測結果
観測結果を示します。私の家の最寄り気象観測所であるつくば(舘野)の観測結果も併せて示しました(黒線)。この日は梅雨期にしては非常に暑く、屋外気温は9時前から30℃を超え、14時に最高気温36.6℃に達しました。
室内気温に着目すると、3階(赤線)では朝から30℃を超えており、外気の温度上昇に伴い14:30には38.1℃を記録しました。その後は気温は低下に転じたものの、外気の温度低下に対しては鈍く、19時でも33℃台となっていました。
一方で、1階(青線)は、3階とは異なる温度変化の傾向を示しました。外気の温度変動の影響をほぼ受けておらず、観測期間全体において29℃程度を維持しています。室内気温が最高となった14:30時点では29.7℃であり、このとき1階と3階の気温差は8.4℃もありました。
4. 重層長屋物件で快適に暮らす工夫
さて、体感のとおり、明らかに1階(玄関)と3階では大きな温度差があることが明らかとなりました。3階の38℃は耐え難い暑さでありますが、30℃に満たない1階は比較的涼しく、生活可能なレベルと思います。
この結果から重層長屋物件で快適に暮らすために、1つ提案をすることができます。
暑い日は1階の玄関で暮らそう!
玄関のスペースを活用しよう!
というのは、冗談ではありますが、今回気温を計測してみて、同じ家の中でこんなにも温度差があることに驚きました。言い換えれば、1階の空気は循環していないということでもあります。清潔に保つためにも時々玄関を開けて、意識的に換気をする必要があるようです。
来週には梅雨明け、いよいよ夏本番となりそうです。今年の夏も酷暑となるようです。暑い日には、玄関で暮らすのではなく、きちんと冷房をつけて暮らしていきたいです。熱中症にならないように!