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★リスティング広告運用の教科書★

はじめに

初めまして。
株式会社アドサカスの代表の松井と申します。

WEBマーケティングで世の中の役に立ちたい!

私は、元鍼灸師で2年間で1000人の人に鍼を打ってきました。
その後、開業したのですが、全く集客ができず、廃業。
その後は、集客の重要性に気づき、広告代理店に入社、今は独立をしています。

広告代理店では、主にマーケティング全体戦略設計~デジタル広告運用まで、幅広くマーケティングに携わってきました。また、運用予算も年間数十億円使い、企業様の事業成長の一端を担わせてもらいました。

事業成長におけるビジネスドライバーを握っているのが"集客"だと信じています。

マーケティングではカテゴリーやポジショニング、ブランディングなど、重要なことではあるものの、既に商品やサービスがあり、ある程度の商品力がある場合は、一旦WEBマーケティングでニーズを調査し、売上を少しでも上げることの方が大事だと思っています。

そして、WEBマーケティングでの中でも一番成果が上がりやすいのが、今回お話しする"リスティング広告"です。

昨今のリスティング広告は、P-MAXというメニューが開発されて、だれでも60点くらいの運用ができるようになっています。

ただ、私は、残りの40点に差があると思っております。
広告代理店は、残りの40点に対して、バリューを発揮するべきだと主張したいです。
それができないようであれば、広告主側で運用したほうが良いです。

余談がすぎましたが、本noteでは、リスティング広告の分析の仕方から考え方をnoteに記したいと思います。
まだまだ未完ではあるものの、これを読んでいただいた方にとって、
少しでも役に立つものになれば嬉しいです。


ちなみにこのnoteには、リスティング広告の入稿の仕方については、記載していないので、詳しくわかる本のリンクをおいて置きます。

1.脳死はやめてP-MAXはやめましょう

はじめに言いたいことは、分析できる内容が限られているP-MAXはやめてください。

リスティング広告で結果が出ていない多くの原因は、戦略的に広告運用をせずに脳死でP-MAXを使っていることが多いです。

厳密にいうと、P-MAXが悪いというわけではなく、1番初めに選択するメニューとしてP-MAXを選ぶべきではないということです。

ただし検索広告を運用し、補完的にP-MAXを選ぶなら、問題はないです。

P-MAXは、分析できる内容は下記になります。

P-MAXと検索広告の分析比較表

表を見てもらった通り、P-MAXでは、分析するのはほぼ不可能です。

どのキーワードでCVしたかや、配信面はどこが最適なのかが全く分からず再現性も薄いことが分かります。

そのため、ギャンブル性をどうしても排除できないため、1番初めに配信するメニューではないということです。

そのため、まずは、検索広告から始めるべきというのが、私の見解です。
検索広告である程度、アカウントの構築が出来た段階でP-MAXを選ぶべきです。

2.検索広告の運用方針について

次に私がクライアントからご依頼を受けた場合の運用方針についてお伝えをします。

運用初動(1か月目~3か月目)

運用を始めた1か月目は、キーワードはフレーズ一致で入れて、必ず入札方法を個別クリック単価で配信を実施します。
キャンペーンと広告グループも細かく分けて配信します。

個別クリック単価は使う方が減ってきているように感じていますが、
私は、まだまだ現役で使用することがあります。

では、なぜ個別クリック単価を選ぶかというと、詳細にクリック単価をコントロールしたいからです。
リスティング広告の運用目的は、CV数を上げるか?CPAを下げるか?の2点に絞られます。
運用初期では、できるだけCPAを上げずに配信することが求められます。

リスティング広告における重要指標

そのため、クリック単価をコントロールしやすい個別クリック単価で運用します。
また、運用初期は、CVが安定せず、アカウント内にデータが溜まっていない状態です。
その状況で自動入札をすると、無駄クリックが増えてしまい、CPAが高騰する恐れがあります。

運用者として、クライアントにバリューを提供するには、個別クリック単価で入札を実施し、1か月目からでもバリューを出しましょう。


運用中期(3か月目~8か月目)

この時期は、すでにCVがある程度出てきて、CPAも安定期に入っています。順調に予算もあげている段階であれば、入札方法を個別クリック単価→目標コンバージョン単価に変更し運用します。


そして、運用初期に細かく分けた広告グループも1つにまとめてしまい、Hagakureの形に変更し、CPAの改善を目指します。

運用後期(8か月目~12か月目)

アカウントが安定し、拡大期に入る時期なので、KWも積極的に部分一致を使っていく時期です。この時期からP-MAXも視野に入れて、配信を検討しても良いでしょう。

リスティング広告は、運用初期が一番工数がかかりますが、安定してしまえば、継続的にCVを獲得できる媒体です。


3.運用初期のアカウント構築について

今回は、「パーソナルジム」を元にアカウント構築の考え方をお伝えしようと思います。
まず、指名キャンペーン一般キャンペーンに分けてキャンペーンを作ります。

指名キャンペーンとは?
基本的に商標キーワードやサービス名を入れるキャンペーンです。

例:ライザップやチョコザップ

一般キャンペーンとは?
こちらは、「パーソナルジム 渋谷」や「パーソナルジム 安い」といった幅広い検索意図を持つキーワードを指します。

大きく分けてこの2つのキャンペーン構成でリスティング広告を運用していくのが基本的な考え方になります。

広告グループについて

キャンペーンが作れたら、次に広告グループを分ける必要があります。
先ほどもお伝えした通り、運用初期は、細かく広告グループを分けるべきです。
分ける基準は、キーワードでどんな配信するかによって広告グループを分けます。
パーソナルジムの場合、

地域グループ:渋谷、新宿、池袋など
価格グループ:安い、格安、料金
目的グループ:ダイエット、ボディメイク、運動不足解消
ターゲットグループ:女性、男性、初心者
悩みグループ:腰痛改善、肩こり改善、姿勢改善

この5つのうち、地域グループが1番CVに繋がりやすい傾向にあります。
そのため、まずは、地域グループから配信を実施し、徐々に価格グループや目的グループの配信を実施します。

広告文について

レスポンシブ検索広告の形式で入稿することが基本となります。
その際に、2つのポイントを意識してください。

①広告文の中にキーワードをできるだけ入れる
②広告文は、10~15個入稿し、見出し1は固定する

例えば地域グループの広告文を作る場合
※文字数制限は無視しています。


見出し①固定
【渋谷】9,980円で通い放題パーソナルジム
見出し②以降
男性専用のジムと言えば
サウナ付きのパーソナルジム
マッチョになれるパーソナルジム
~~~~~~~~~~~~~


①広告文の中にキーワードをできるだけいれる理由

各KWにおける品質スコアの「広告の関連性」に直結します。
広告文の中に対象となるキーワードが入っているかいないかで、品質スコアが2~4ほど変わるので必ず入れるようにしてください。

また、1番最適なやり方は、「広告カスタマイザ」を使う方法です。
広告カスタマイザは、各キーワードごとに広告文を作って配信をするやり方です。
ただし、設定がややこしいため、今回は割愛します。
詳しい設定方法は、アナグラムさんが記載してくれています。
アナグラムさんありがとうございます🙇

②見出し1を固定する理由

これは、広告文の統一性を図るためです。
仮に見出し1を固定せず配信した場合、下記のように文脈があやふやになってしまうことがあります。

(例)
マッチョになれるパーソナルジム|サウナ付きのパーソナルジム

そのため、見出し1は、固定をしてしまい、配信したほうが良いです。

運用初期のアカウント構成については、大枠理解できたでしょうか。
後は、配信したい地域や時間帯などは、予算に合わせて設定をしてみてください。

4.運用初期の運用について

運用初期の入札方法は、個別クリック単価で各キーワードの入札単価が1円になっていると思います。

各キーワードで「入札単価をFirst Page CPCまで引き上げる」を押して1ページ目には配信できるように設定します。

入札設定

この際に注意したいのが、1ページ目に配信するために1,000円以上かかる場合です。

⚠注意⚠
特定のキーワードだけがクリック単価4,000円の時があり、そのキーワードにクリックが寄ってしまうと、CPAが爆発することあるため、この設定は慎重に行ってください。

3日程度配信し、次にやることは、各キーワードのクリック単価の調整と、検索語句の分析です。


各キーワードのクリック単価の調整

徐々にデータが溜まってきた段階で、各キーワードのクリック単価を調整します。
その際に大きく4つのキーワード群に分けることが出来ると思います。

①目標CPAの範囲内でCV獲得したキーワード
②目標CPAの範囲外でCV獲得したキーワード
③目標CPAの範囲内でCV獲得していないキーワード
④目標CPAの範囲外でCV獲得していないキーワード

①のキーワードは、クリック単価を20%ほど上げて、そのキーワードに予算を割り振りしてください。

②のキーワードは、CVの獲得見込みはあるが、目標よりも少し配信が出過ぎた状態なので、クリック単価が高かったか、検索語句を見に行きます。

③のキーワードは、まだまだ配信が出ておらずCV見込みがあるため、継続配信です。

④のキーワードは、すでに配信が出過ぎてしまっているため、一旦停止してみて、再度分析をしましょう。

検索語句の分析

先ほど4つに分けた中で②と④のキーワードに関しては、検索語句を分析しましょう。
キーワードを選んだら検索語句が出てくるので、そこからCV見込みが薄いキーワードがないかをチェックします。

検索語句の見方

もし、検索語句内でCV見込みが薄い&費用を使っているキーワードがあれば、すぐに除外設定をしてください。

以上が運用初期に1番初めに見るべきポイントです。

5.運用中期の運用について

運用の中期に入ると、CVが安定的に獲得できていてCPAの改善が求められる段階に入るかと思います。
その段階なってからHagakureの形に作り直します。

Hagakureとは、Google広告におけるアカウント構造の最適化手法の一つで、シンプルなキャンペーン構成と機械学習を活用した運用を特徴としています。

運用初期に構築した広告グループを1つにまとめていきます。
ただし、ここで重要なことは、CVがすでに獲得できているキーワードのみをまとめていきます。
すでに運用初期で獲得見込みがないキーワードまでまとめる必要はありません。

そして、入札方法も「目標コンバージョン単価」に設定を変更し、自動入札で機械学習の精度を重視した運用方針に変更します。

6.運用後期の運用について

運用の後期に入ると、やることがなくなってきて、成果も安定していることだと思います。
そのため、他の媒体やP-MAXなどの違うメニューを使って配信を伸ばしていきます。

P-MAXは、「検索・ディスプレイ・YouTube・Gmail・マップ」などに配信ができるため、検索広告だけではリーチできなかったユーザーにもアプローチができるようになります。

そのため、運用後期になり、違うターゲット層にもアプローチするには有効な手段になります。

7.運用の分析方法について

このセクションでは、具体的な運用の分析方法について書いていきます。
ただし、運用は競合他社の運用やユーザーの態度変容によって日々変わっていくものです。
あくまでテンプレート的な考え方のため、ご留意ください。

CPAが高い時

分析を実施する際は、大きなところから小さな原因を分析することをお勧めしています。

■順序
キャンペーン→広告グループ→キーワード→検索語句→広告文→スケジュール別≒デバイス別≒地域別

キャンペーンの分析

今回は例として、関西に2店舗の展開をしているパーソナルジムを想定します。
※数値は、適当な数値を入れています。
まず、過去1年間の実績がある場合は、全体を俯瞰するために下記のように「キャンペーン×月別」に分けてデータを揃えます。

キャンペーン×月別

この場合、京都と大阪では、獲得効率は京都の方が良いことが分かります。
全体のCPAを下げるには、Keyとなるのは「大阪のキャンペーン」です。
そして、この表を見て、着目する点は、CPCとCVRです。

■CPC
京都:1,109円
大阪:598円

■CVR
京都:6.07%
大阪:1.65%

明らかに京都と大阪では変化があることがわかります。

他にも指標として見るべきポイントは、表示回数です。
京都と大阪では、同じくらいの広告費を使っているにも関わらず、
表示回数に2倍ほどの差があります。

■表示回数
京都:150,951
大阪:305,375

【キャンペーン別×月別分析での考察】
①大阪のCVRが低い理由は、京都と比べてCPCが低い。
CVRが高いキーワードはCPCが高い傾向があるため、Keyとなるキーワードの入札ができていないのではないか?

②大阪の表示回数が多く、CPCが低いのは、部分一致で配信がでており、幅広くキーワードが配信されているからではないか?
そして、CV見込みが薄いキーワードでの配信が相対的に多くなっており、CVRが低くなっているのではないか?

このようにキャンペーン×月別の表を見ただけで仮説が大切です。

広告グループの分析

次に改善余地のある大阪_パーソナルジムキャンペーンの「広告グループ別×月別」に分けて分析をしていきます。

広告グループ×月別

分析をしてみると、広告費全体の約8割が「地域グループ」での配信に寄っていました。
着目ポイントは、地域グループはCVRが高い傾向にあり、CPCも高い傾向にありました。

■CPC
地域グループ:1,222円
価格グループ:233円
ターゲットグループ:183円
■CVR
地域グループ:3.09%
価格グループ:0.66%
ターゲットグループ:1.52%

もし、地域グループでのCPCを下げることができれば、CPAの改善が考えられそうですね。

【この表での考察】
①地域グループでのキーワードでCPC下げることができないか?
ロングテールキーワード(「梅田 パーソナルジム 安い」など3文字以上のキーワード)での獲得ができれば、CPCが抑えながら獲得できるのではないか?
②ターゲットグループの費用を下げて、地域グループに寄せることでもっとCPAの改善ができないか?
③価格グループのCVRが0.66%と低いため、もう少し分析する必要がある。

キーワードの分析

先ほど分析した「大阪キャンペーン」の「地域グループ」の「12か月分のキーワード」を分析していきます。

12か月分×キーワード別

着目するポイントは、「大阪 パーソナルジム」です。
CV数は多いですが、CPAが4万円台と高い状態です。
次に注目する点は、「パーソナルジム 梅田」というキーワードです。

全体のCPAと比べると「梅田」というキーワードが入っているとCPAが低下傾向にあります。

【この表での考察】
①「大阪 パーソナルジム」の配信を抑制して、「パーソナルジム 梅田」に配信を寄せれば、CPAが改善するかもしれない。
また、「パーソナルジム 大阪 安い」を「パーソナルジム 梅田 安い」に変更することでCPAが改善するかもしれない。
②広告文内に「梅田」を入れるとCTRが改善するかもしれない。
③LP内にも「梅田から徒歩〇分」と入れるとCVRが改善するかもしれない。

この後は、同様の形で検索語句を分析していきます。
また、他にもインプレッションシェア,品質スコアなど見るべき指標は山ほどあるのですが、一通りこのような形で分析を進めていきます。

まとめ

リスティング広告の分析についていかがだったでしょうか。
正直、まだまだ分析方法はあるので、全てをお伝え出来たわけではありません。
ですが、考え方や分析の仕方については、少しはお伝え出来たのではないかと思います。

最後に

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