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【リスティング広告マニュアル】アカウント設計+配信を軌道に乗せる初期設計

ADおたくです (@adotaku00)

趣味と特技がADで、本業でも副業でもADをしています。

<自己紹介>
・名前:ADおたく
・本業:上場企業にてマーケティングスペシャリスト
 (リスティング・ディスプレイ・アプリ)
・副業:広告コンサルタント、広告運用代行

このnoteではリスティング広告の最初にして最大の鬼門である、「アカウント設計+配信を軌道に乗せるための初期設計」マニュアルを書き記します。

・そもそもリスティングってどうやって始めるの?
・アカウントって具体的にどうやって作るの?
・アカウント設計が大事って聞いたことあるけどなんで?
・全然効率安定しないんだけどどうしたら良いの?

このようなお悩みを解決できるような内容になっています。
効果の良いリスティング広告を始める為の実践的な考え方・手の動かし方をメインでお伝えします。

※ググったら出てくるリスティング広告の知識や概要についてはあまり触れません<(_ _)>

それでは本編へと参ります。

リスティング広告開始までの3STEP

リスティング広告を始めるまでの流れを3STEPに分けて説明します。

STEP1:何のために・誰に対して、リスティング広告を打つのかを整理する
STEP2:整理した目的・ユーザーニーズに沿って、アカウントを設計する
STEP3:配信初期の設計をし、広告配信を軌道に乗せる

この3点を理論編と実践編(ツール等を交えた手の動かし方)に分けて説明します。

理論編

STEP1:リスティング広告の目的を整理

広告配信を始めたいから、まずは色々調べないと!となってしまう方が多いと思います。
ex)「リスティング広告 始め方」「リスティング広告 アカウント設計」でググってみたり。

素晴らしいことなのですが、一旦深呼吸しましょう。

広告配信を始める前に、「そもそも何のためにやるんだっけ?」というのをきちんと言語化してみましょう。

リスティング広告の強みは顕在化しているニーズに対して任意の訴求をアプローチできる点です。その強みを活かせているかを確認しましょう。

【STEP1-1】リスティング広告の目的を整理する
(定量目標まで整理できると尚良い◎)

課題・目的・目標の3つを書き出してみるのがおすすめです。

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2つ例を出して説明します。
①認知度を上げたい

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リスティングは顕在化しているニーズにアプローチする広告なので、既にサービスを知っている人や何かしら検索している人にしかリーチできません。
認知の課題に対しては、ディスプレイや動画広告などを活用するのが良いでしょう。

②新規ユーザーを獲得したい

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転職を考えているユーザーに対してリーチ出来るので、リスティング広告の強みを活かせています◎

超当たり前のことですが、この3点を各関係者でちゃんとすり合わせましょう。ここがブレているとアカウント設計どころの話ではなくなってしまいます。

【STEP1-2】ユーザーニーズをざっくりイメージ

顕在化しているニーズ(検索キーワード)に対して広告を掲出するので、
どのようなユーザーニーズに応えたいかを洗い出してみましょう。

転職サイトを例にとって実践してみます。

ざっくりユーザーニーズを洗い出し
・何となく転職したいと思ってる人
・とにかく現状から待遇を上げたいと思ってる人
・具体的な会社名をイメージして転職を始めようとしている人
・「IT系にいきたい」というように、職種をイメージしている人

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そこから、そのユーザーが検索しそうなクエリを考えてみます。

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どういうユーザーに対して広告を打ちたいかをざっくり可視化できました。

STEP1では2つのことをしました。
・リスティング広告の目的を整理する
・広告を掲出するユーザーニーズをざっくり可視化する

STEP2:アカウントの設計

アカウントの設計でいちばん大事なことは、
「ユーザーニーズ×サービスで伝えたいこと(訴求)」を明確にすることです。

リスティング広告は、顕在化しているニーズに対して任意の訴求をアプローチできるという圧倒的なメリットがあります。

なので、アカウントはその強みを最大限発揮できるような設計にするのが
良いです。

同じく転職サイトを例にして整理していきます。(一部抜粋)

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整理していくと、「ユーザーニーズ」と「サービスで伝えたいこと」が合わないケースも生じます。

ニーズに対して届けたいメッセージがない場合は広告を出すメリットは薄れるため、広告の掲出はやめておきましょう。

あとはリスティング広告の言葉に置き換えるだけです。

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「ユーザーニーズ」と「サービスで伝えたいこと」
1セットが広告グループになります。

キャンペーンは1ヶ月に30~50CV程度が担保できていれば、基本的にどんな括りでも良いです。予算が少ない場合はできるだけまとめてCV数を担保しに行きましょう。

アカウント設計の際の考え方をまとめると下記のようになります。
こちらを押さえるだけで、良いアカウントを作ることができます!

キャンペーン:CV数を担保できるようにできるだけまとめる
広告グループ:「ユーザーニーズ」「サービスで伝えたいこと」の1セット
キーワード:ユーザーニーズ
広告文・ランディングページ:サービスで伝えたいこと

イメージがつきにくい方のために、あまり良くないアカウントの例を見てみましょう。

① 1つの広告グループに複数のユーザーニーズが混ざっている

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母数を担保したい、アカウントをスリムにしたい等の理由で、1広告グループの中に、複数のニーズが混ざっているケースです。これだと、キーワードと広告文・ランディングページの関連性が損なわれてしまうので、媒体からの評価が落ちてしまいます。

母数はキャンペーン単位で担保すれば問題ないので、出来るだけ1広告グループ1ニーズを守りましょう。

②広告文とランディングページがズレている

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ニーズに適したランディングページがなくてサービスTOPに飛ばしているケースです。こちらはサービスによってはうまくいく場合もありますが、ニーズに対して適した訴求をするには、広告文とランディングページはセットの方が良いです。

STEP2で重要なことは3点です。

・アカウントの設計では、「ユーザーニーズ×サービスで伝えたいこと」を明確にすることが重要
・広告グループは「ユーザーニーズ」「サービスで伝えたいこと」の1セットで区切る
・広告文とランディングページの整合性を意識する

STEP3:広告配信の初動を征する

アカウントの設計が完了したらついに広告配信を開始します。
どのキーワードに対していくらで広告を出すのかを計算し、STEP1で決めた目標を達成できるように広告を運用します。

どのキーワードに対していくらで広告を出すのか=「入札」は昨今、機械学習が進み、媒体側が自動で計算してくれる仕組みが整っています(自動入札)

そのため、アカウント設計が終わればあとは媒体の自動入札に任せて運用しよう。と思っている方も多いかもしれません。

ただ、そのように配信を開始した方から、
下記のようなお悩みをいただくことが多いです。

・配信が伸びすぎてしまってコストが超過してしまった
・思うように配信が伸びず、コストが使いきれない。無理に使い切ろうとすると効率が悪化してしまう
・目標に対して未達だが、何をどう改善したら良いのかよく分からない

これらの悩みは、配信初期の設計が為されていないことが原因の場合が多いです。

広告配信の初期はコストや各種数値が大きく変動したり、想定通りに進捗しないことも往々にしてあります。
そのため、配信前に配信初期の設計をしておき、初期の進捗に対するアクションを想定しておくことが必要です。

配信の初動をうまく軌道に乗せれば、良いデータで媒体が自動入札を動かしてくれるので、それから先の運用効率化が期待できます。

配信初期の設計で決めておくべき主要な項目の下記5点を後述の実践編で、それぞれの具体的な決め方も合わせて紹介いたします。

・初期購入キーワードのマッチタイプ
・初期購入キーワードの入札単価
・キーワード群ごとのマッチタイプの拡張タイミングと基準
・キャンペーンの予算上限
・自動入札の適用タイミングと初期の目標入札単価

実践編

実践編ではオンラインのプログラミングスクールを例に、アカウント構造と配信初期設計の作り方を順を追って説明します。

作業ファイルやフォーマットを添付しますので、そちらを参考に皆様のサービスでの広告配信に活用いただければ嬉しいです m(__)m
※後続の作業は実際にあるサービスを例に進めていますので、一部ぼかしています。

【STEP1-1】リスティング広告の目的を整理する
こちらは事業部や上長、チームメンバーとすり合わせながら決めましょう。今回は仮で下図のように定義します。

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【STEP1-2】ユーザーニーズをざっくりイメージ
サービスを使いそうなユーザーニーズを考えていきましょう。
まっさらな状態からニーズを考えてもいいですが、ツールを使ってサービスサイトの流入キーワードを調べ、そこから逆算するのがおススメです。

2ステップに分けて説明します。
①サイトにどのようなキーワードで流入しているのかを調べる

SEOツールでもあるahrefsを使って、ドメイン検索する方法を紹介します。ahrefsにドメインを入力すると流入したオーガニックキーワードがわかります。(有料ツール)

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トラフィックや参考となるCPCもわかるので、後続の作業に活用できます。

Google広告のキーワードプランナーを使用するやり方も紹介します。
キーワードプランナーの画面にドメインを入力すれば、想定流入キーワードと競合性、上部掲載に必要な入札単価がわかります。

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キャプチャ外の項目も含めてみるとざっくり下記のようなキーワードになりました。

・競合名
・サービス名
・プログラミングスクール
・プログラミング
・Javascript 学習


②見つけたキーワードのサジェストを調べて深堀りする

ラッコキーワードという無料ツールを使って、①で出したキーワードのサジェストを調べていきます。

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最上部に出てくるサジェストが最も検索ボリュームが多いキーワードになります。サジェストを活用してユーザーが検索しそうなキーワードをまとめます。

まとめる際はXmindというツールがおススメです。私はざっくりイメージを固めていく段階では、可視化がしやすいXmind、最終的なアカウント構造のアウトプットはExcel/スプシという切り分けをしています。

Xmindを使い、キーワードをカテゴライズします。
カテゴライズせずにただ箇条書きで列挙するだけでも構いません。

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STEP2:アカウントの設計
まとめた想定流入キーワードからユーザーニーズを言語化し、そのニーズに対してサービスで伝えたいことを当てはめていきます。

サービスのLPを確認しながら当てはめていきましょう。
LPがない場合は広告用にLPを作る方向にもっていく施策につなげるのも有効です。(流入が見込めるがLPがないため機会損失を生んでいるという論)

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青の伝えたいことの1セットが広告グループになります。

Xmindを元に、アカウント構造をExcel/スプシにまとめます。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/119YTAwMGbd3Jvu--3ki6Fl868N8D6vLsUDT2UzVikkU/edit?usp=sharing

これでアカウント構造は完成になります。

※後々の入稿バルクの作成効率も考え、最終的にはExcel/スプシにまとめた方が効率的だと思います。Xmindは自分の中での整理や、人にわかりやすく伝える目的で使用しています。


STEP3:広告配信の初動を設計

配信初動の設計を具体的に6ステップに分けて紹介いたします。

①初期配信時の購入キーワードとマッチタイプを決める。
まとめた全キーワードをコピペしてGoogle広告のキーワードプランナーに入力しましょう。

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※この際マッチタイプを網羅して入力しましょう
[]は完全一致、””はフレーズ一致、記号なしが部分一致です。
記号なしのみだと部分一致の予測データのみになってしまうため注意!

左タブの「予測」に遷移し、データをエクスポートして、スプシに貼り付けてください。

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そのデータをスプシに貼り付け、黄色背景部分をキーワードシートにコピペしていただくと、キーワードのマッチタイプごとの想定費用やCPCが一覧化されます。

この予測データを参考にしながら初期配信時に購入するキーワードとマッチタイプを決めていきます。

決め方は大きく分けて2通りです。

A:全体の想定費用が許容できるのであれば、全キーワード全マッチタイプで配信する
B:キーワード群にCV効率を考えた優先順位をつけて、優先度が高い群から徐々に配信していく

それぞれメリデメが存在します。

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私が推奨するやり方は制限をかけつつ、A方式での配信です。
・初期配信時は完全一致とフレーズ一致のみにする
・全体費用に対してキーワードの予測費用が10%以上を占める部分一致は購入しない
上記どちらかのルールを適用させたうえで、A方式での配信をお勧めします。
コントロールを利かせつつ、初期配信時の工数を最小化するのが狙いです。

②キーワードの入札単価を決める
キーワードシートのI列で計算しています。
予測CPCに対して完全一致には0.9、フレーズ一致には0.85、部分一致には0.75をかけたものを初期の入札単価としています。

基本的に拡張度合いに対して堅めに係数をかけて設定することを推奨します。具体的な数値は予算状況に合わせて変えてもらって構いません。

③キャンペーンの予算上限を決める

事業の都合で予算が固定で決まっている場合はその予算を設定しましょう。
そうでない場合は、各キーワードの想定費用の合計値を設定しましょう。
(スプシの例だと¥262,308)

キャンペーンの予算上限を設定することで、予算が大幅に超過するリスクを軽減できます。

④入札の設定

入札ですが最初の2・3日は手動入札を推奨します。手動入札期間で①で算出した流入見立てと大きくズレないかを確認します。

そのうえで想定通りなら、目標のCV件数と想定の費用から算出した「目標CPA×0.8」を目標値にして、自動入札を設定しましょう。
※コストの超過リスクを防ぐために若干堅めに設定。具体的な数値は状況に合わせて設定。

学習データがブレてしまうことを防ぐために、設定してから1週間はCPAの目標値を触らないようにしましょう。

⑤自動入札の安定化
自動入札が安定化してきたら、コスト進捗に合わせて配信を調整します。
配信ボリュームが出なければ、①で初期入稿扱いしなかったマッチタイプやキーワードをオンにするか目標CPAを引き上げて調整しましょう。

コスト進捗とCPAが想定通りになってきたら、初期配信フェーズは完了です。

あとは媒体の自動入札を活用しながら、購入キーワードや広告文・ランディングページの改善を行い、さらなるCV拡大を目指しましょう!

今回はリスティング広告のアカウント設計・配信初期の設計をテーマに記事を書きました。

今後は他チャネルのアカウント設計の話やリスティング広告の未来の話など、アドテクに関わる記事を書いていこうと思いますので、ご期待ください!

リスティング広告にお困りの方は、ぜひ一度お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。
https://lany.co.jp/listing/








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