こんにちは、adonisと申します。今回は最近訳あって使用していた相剣電脳堺の魅力と基本展開について紹介します。
※しばらく本題に関係ない個人的話が続くので、構築と展開だけ興味がある方は「1.電脳堺と相剣の噛み合いについて」まで飛ばして下さい!
はじめに
私は2020年にHEROで遊戯王復帰しDAMA登場以降のCSにてなんだかんだほぼ毎期HEROで入賞してきましたが、2022年7月以降は本当にHEROでは勝つことができないと感じていました。(偉そうでごめんなさい)その理由はティアラメンツ…ではなくこれらです。
正直制限改定後はスプライトが競技シーンから消滅してティアラメンツがトップシェアならカモ環境だと思っていました。HEROは先攻なら【マクロコスモス+相手ターンにサンダーボルト&羽根帚】という黄金展開で詰ませ、後攻なら速攻魔法の多さから各種ティアラメンツ罠を不発にしながらワンキルができるからです。しかし上記のカードは登場直後からほぼ全てのデッキにシナジー関係無く採用されており、先攻でフル展開しても相手のギミックに関係のない上記カードで捲くられて負ける事例が多発しました。例えばデストロイフェニックスガイ+ダークロウという普通なら強固な盤面に対しフェンリル特殊召喚されたとします。フェンリルのサーチ効果処理後にダークロウの効果を発動できず、こちらはスタートステップでデストロイフェニックスガイの効果を使用しフェンリルを破壊せざるを得ません。しかしダークロウATK2400を守ることができバトルフェイズも乗り越えたと思いきや、墓地のデストロイフェニックスガイを除外してATK2500の後続が出てきます。しかも何故かバトルフェイズ中に。(そもそもシナジーが無いのにデッキに投入する恩恵の方が大きいって時点で単体のカードパワーがおかしいんですけどね…)ティアラメンツクシャトリラの登場によって一時期参加者のメインデッキから深淵の獣が減ったと思いきや、週によってティアラメンツ側の構築が異なり、構築の段階で苦戦を強いられました。実際同じ地域のCSである週は複数人の入賞レシピに深淵の獣が採用されていなかったのに、翌週末のCSでは突然複数人が深淵の獣をメインデッキから5-6枚採用しているということがありました。
「大会で勝ちたい」と思う正常な人ならここでティアラメンツを組むでしょう。しかしこれは個人的な問題ですが、復帰した時に「特定のデッキを使い続けて極める。その上で勝つ!」と制約を課していた私には、環境外(いわゆる賢者デッキ)且つ深淵の獣が刺さらない、その上自身が使いたいと感じるテーマを探すしか道がありませんでした。非常にハードルが高いです。(T T)
そんな中、同時期にCS入賞を連発していたアインズさんから教えて頂いたたのがこの電脳堺でした。11期当初の電脳堺は誰が使っても手軽に朱雀+真竜皇VFDが成立するため一部プレイヤー層からのヘイトが溜まっている印象でしたが(電脳愛好家の方ごめんなさい)、現在の電脳堺は幅広いカードプールから戦略に応じたシンクロとエクシーズを連続召喚するデッキになりました。それに伴いエクストラデッキの採用モンスターもプレイヤーの好みによって変わり、各々の個性を活かしたデッキ構築やプレイングが可能になっています。ただ私は全くその回し方を知りませんでした。電脳堺の「で」も知らないどころか、さ行で止まっているレベルです。
実は私自身の電脳堺歴は4か月とまだ短く、電脳堺全盛期(PSYフレームギアγや抹殺の指名者、真竜皇VFDを複数枚採用でき、原始生命態ニビルを受けた後に再度追加の真竜皇VFDを成立できた時代。)には一切触っていませんでした。「電脳堺門を置かれて電脳堺モンスターの効果を通したら負けなんだな」くらいの認識でした笑。そんな薄い知識しかない私でも、スプライト、ティアラメンツ、クシャトリラが登場した後の個人CSで相剣電脳堺を3回使用し、全てベスト4に入賞できました。(そのうち1回は使い始めて1週間、対人2日目でした。)
またアインズさんと一緒に学んだくるみもちさんも前期、今期共に相剣電脳堺で入賞されています。アインズさんは7月以降相剣電脳堺で10回入賞。くるみもちさんは今シーズンのMD大会(BO3)で入賞。OCGでも4回戦の非公認トーナメントで優勝。
このように相剣電脳堺のデッキパワーは極めて高いですが、反面「レシピを見ただけでは回し方が分からない」という声をよく聞きます。私も同じでした。勉強するため〇〇TUBEを探しても、みんな真竜皇VFDやグリフォンライダー前提の話をしていて全然参考になりませんでした…笑。そこで今回は自ら回して覚えた展開について解説記事を書きました。(ただ真竜皇VFD禁止以降のOCGでの構築や回し方があまり世間に出回っていません。正直OCGでこのデッキを使用し複数回入賞している人が少ないこと※回し方を知らない人が多いという方が適切かもしれない※、複数回入賞した当事者が基本展開から応用まで詳しく解説している記事も見かけなかったことから、途中から有料にしました。現在の電脳堺に興味がある方、良ければ読んでみて下さい。特に展開パターンは初動2枚の組み合わせごとに全パターンを記載しており、時々見かける「電脳堺の基本展開解説といいながら初手に九竜と瑞々がある王道パターン1例しか紹介が無い」なんて適当な内容ではありません笑。3人で編集を繰り返し、このnoteの作成にかなり時間をかけたことから、撮影カメラ代(画像)くらい戻ってきたら嬉しいなぁという儚いお祈りをしています。m(・・)m
このカメラ、カードを近づけたらテキストまでしっかり見えるのでリモート対戦にもお勧めです!
効果や展開の解説で丁寧語を使用すると文が長くなるため、説明の途中で「である調」に切り替えます。一部の方には違和感があるかもしれないですがご容赦下さい。
Ⅰ.電脳堺と相剣の噛み合いについて
電脳堺は手札からの特殊召喚を主軸とする展開系テーマです。手札で効果発動をしているため、相手が持つ効果無効系の手札誘発(エフェクトヴェーラーや無限泡影)を無力化できるメリットがあります。対する相剣は基本的に通常召喚権+幻竜族コストによってシンクロ召喚を行うデッキです。またギミックの性質上、効果無効系の手札誘発の影響を強く受けるテーマです。この時点で大半の人は「噛み合ってないじゃん」と思われることでしょう。実際1か月に1回くらいは相手の効果無効系がクリーンヒットし展開が止まってしまうことがあります。しかしそれに目を瞑ってもこの2テーマを組み合わせるメリットが複数あります。
メリット1:それぞれのギミックにスイッチ可能
地属性の電脳堺は幻竜族のため、相剣モンスターの発動コストになります。また龍相剣現はシンクロモンスターが存在する状態で発動するとサーチ先を電脳堺モンスターまで拡大できます。反対に電脳堺側は幻竜星ーチョウホウを破壊することで、白の聖女エクレシアを経由し相剣のギミックにアクセスすることができます。電脳堺と相剣の動きを相手によって使い分けることでお互いの短所を補い、長所を伸ばすことができます。具体的な数字は割愛しますが、有識者によると上記噛み合いの結果として勇者電脳堺と比較した際の初手事故率も軽減されているらしいです。
メリット2:墓地除外への耐性が少し増す
相手が除外ギミック(マクロコスモスやディメンションアトラクター)で妨害してきた場合、通常の電脳堺であれば展開札が全て機能しなくなってしまいます。(電脳堺はデッキからカードを墓地に送らないとその後の追加処理をできないため)そのような状況でも相剣師ー莫邪や相剣軍師ー龍淵を初動にすることで最低限の妨害を用意したり、場合によっては相剣大公ー承影をシンクロ召喚することで相手の除外効果を逆手に取ったりすることができます。
メリット3:レベル4のチューナー非チューナーを用意可能
電脳堺のテーマ内ではレベル・ランク共に3・6・9のモンスターしか出すことができません。勇者パーツを採用した型では同様にレベル4とレベル7を召喚権無しで用意できることが強みでした。しかしOCGでは流離のグリフォンライダーが禁止になって完全な展開補助要員になってしまったこと、墓地の光闇属性をメタる深淵の獣が散見されるためアーティファクト・デスサイズや妖精伝姫シラユキへの信頼が薄いことから、今後の採用が悩まれました。(相剣電脳堺と分かった時点でサイドチェンジ後は深淵の獣を抜くことが予想されるものの、メイン戦やサイド後ギミックの都合上入っている可能性も否めないため、光属性の墓地発動効果モンスターを絶対的な妨害として信用できません。)対して相剣モンスターは召喚権こそ使いますが、効果が通れば同時にレベル4のチューナー・非チューナーを用意できるため、電脳堺と合わせた時の貫通力、展開力は勇者型以上です。また輝竜星ーショウフクのように相剣モンスター1枚から出て捲り性能も高いカードを採用できます。
メリット4:テーマ内に光闇属性がいない
これは少しHERO使用者としての個人的な感想も混じっていますが、「闇・光属性主体の墓地利用デッキを使用した結果、相手がたまたま出張パーツとして入れていた深淵の獣に展開を止められ負けた。」という事象が発生しなくなります。もし相手のデッキが【深淵○○】であった場合は相手のカードを大幅に腐らせることができます。またサイドチェンジ後は反対に相手が深淵の獣を投入してこないことが予想されるため、こちらがサイドで投入する深淵の獣の召喚を通しやすくなります。(自分の深淵の獣効果にチェーンして相手の深淵の獣が墓地の同じモンスターを対象に取り、こちらの特殊召喚を阻害される可能性が減ります。)
Ⅱ.各テーマカードの役割
1枚ずつ簡単に紹介します。灰流うららや指名者系のような汎用カードはサーチできないうえ基本的なギミックに影響しないため割愛します。
Ⅱ-1.「電脳堺」カードの役割
Ⅱ-2.「相剣」カードの役割
Ⅱ-3.EXデッキの役割
※環境によって優先するカードが替わるため、採用の可能性があるカードを選択し紹介しています。
レベル12
レベル10
レベル9
レベル8
レベル6
ランク12
ランク6
ランク3
その他、勇者電脳堺には以下のようなモンスターの採用も見かけますが、相剣電脳堺では枠の都合上採用の見込みは低いため記載を省略しています。
・シューティング・ライザー・ドラゴン
・ハイパーサイコライザー
・永遠の淑女ベアトリーチェ
・告天子竜パイレン
・No.75 惑乱のゴシップ・シャドー
Ⅲ.基本展開
このデッキは初手+展開途中にドローしたカード次第で展開ルートが分岐していくため、絶対的な正解がありません。(それも面白い点の一つです。客観的に見たら展開できなさそうな手札でも、使用者次第で制圧盤面に早変わりします。)そのため、この後紹介する展開を一例として覚えて頂き実戦でパズルを組み立てるように回してみて下さい。よく意識高い系の主人公がボス戦で「1+1は2じゃない、無限大なんだ!」みたいなこと言いますが、このデッキはそれに近い動きをします。組み合わせ次第では手札が6枚なのに6妨害超えた上で盤面を捲ることもあります。ちなみに私は一人回しして展開パターンを理解するのに3日もかかりました…笑