テクニカルな動きが魅力的!VSヴァンキッシュソウル解説書
1.はじめに
こんにちは。adonisと申します。今回はVSデッキを紹介します!(栃木のプレイヤー、アインズさん @ainz0402yp との共同執筆です。)彼はVSリリース直後から使用し、複数回CSや非公認大会で入賞されていました。そして今回 AGE OF OVERLOADで登場した新規カード2種を採用してすぐに優勝されています!私が知る限り最もこのテーマを使いこなしている人物です。
新規登場後は5/5で入賞。その内2回は優勝されています!
また私も先週中規模の非公認大会(予選5回戦の後上位7名でトーナメント)にて使用してきました。筆者に経験と知識が無くては本末転倒なので… その結果、罪宝R-ACEやティアラメンツがシェアを占める環境でも予選4勝0敗1引き分けでトーナメントに進出、ベスト7になることができました。
そこで、本noteでは「これを読めば2023年8月時点でのVSの全てがわかる」といっても過言ではないくらい細かく解説していきます。10,000字近くある無料部分ではテーマカードの紹介を、その先の有料部分では前回の相剣電脳堺note同様に細かい展開解説や小技、豆知識等を紹介していきます!VSをこれから作ってみたいという方はもちろん、VS経験者にも最後まで読んで頂いて後悔はさせません!良かったら読んでみて下さい!
※簡略化のため非公式用語やいわゆる”手札誘発”が大量に登場します。アレルギー体質の方はご注意ください。また派生として十二獣と合わせたり、黒魔女ディアベルスターを出張させたりした構築もあるようですが、今回は純VSという前提で紹介させて頂きます。(派生した構築は別の方が考えたものなので、このnoteで勝手に紹介してしまうのも良くないです。)
2.VSデッキの特徴
このデッキの魅力は主に2つあります。1つ目は『クリーンヒットする相手の手札誘発が少ない』という点です。もちろん全く影響を受けないわけでは無いですが、他の展開型デッキと比較して致命的なカードが無く、意識して回すことで増殖するGのドロー枚数を1-2枚に抑えて妨害を用意したり、召喚特殊召喚4回以内でワンキルしたりできます。また自分に取って致命的なカードが無いと言うことは、仮想敵に対して有効な手札誘発を何でも入れる事ができることを意味します。
2つ目は良い意味でプレイヤーのスキルが如実に出る点です。決して使う人を選ぶというネガティブな意味では無く、小技や細かい立ち回りの連続で一見何もできない手札から相手を捲り、気づけば制圧盤面が成立していた!なんてこともあります。少し話はそれますが、現代遊戯王の大会でシェアを多く獲得するテーマは「先攻で○○が回ったら勝ち」という、自己完結型のデッキが多いです。(大会で勝つためなのでこれは当たり前のことです)このタイプには所定の展開ルートがあり、相手の妨害が無ければそのルートを通して勝つというスタンスだと思います。それらと比較してVSはターンの往復で圧倒的なアドバンテージ差を広げていくテーマです。固定の展開ルートは無く、状況に応じて展開プランを考える楽しさがあります。そのため4~5期あたりの小技やテクニックが求められた時代の遊戯王が好きな人にはすごくおススメです!例えば「自分はブラフの大嵐1枚をセットしてターン終了。(エンドサイクや罠に見せかける)相手がカードを複数枚セットしてこちらにターンが返ってきたタイミングで大嵐を発動し1:3交換!」や「モンスター召喚時に考えるふりをして、実はセットがミラーフォースでした。」という心理戦です。プレイヤーの実力と考察力が如実に出て楽しかったですよね!(^^)
細かいコマンドを重ねて最後に大技を決める!まさに格ゲー!このコンセプトを見事にギミックで再現したKONAMIさんはすごいです。これは完全に個人的な感想ですが、最近環境入りしたテーマでVSほどボードアドバンテージを考えてゲームを組み立てるテーマは無かった印象です!(VSを褒めています)
3.VS関連のカード
VSの効果モンスターにはそれぞれ以下のような共通効果があります。
”自分・相手ターンに以下から一つ選択し、その属性の手札のモンスターを1体ずつ見せて発動できる。(その効果を適用する)” この効果には発動するフェイズやステップの指定が無く、その上どれも非常に強力な効果を持っています。
効果の発動時に手札から指定のカードを見せて、どちらの効果を使用するか宣言する必要があります。そのため二つの効果は重複しません。(上記例で言うと、炎と闇を見せて『モンスターを破壊する効果』を宣言した場合は同じく炎を見せることで発動条件を満たす『自身に破壊耐性を付与する効果』は適用されません。
その他にも、これらの共通効果に加えてそれぞれがサーチや自身を特殊召喚する効果を持っています。そこで本noteでは、分かりやすくするためにそれぞれの固有効果を『固有の効果』、手札を見せる効果を『共通効果:〇(属性)→ ~(効果処理)』と表現して紹介します。
※全VSモンスターに『同じカード名の固有効果と共通効果を同一チェーン上では発動できない』という制約があるので注意です!
VS ラゼン
『固有の効果』
召喚・特殊召喚時に自身と同名以外のVSモンスターをサーチできます。このデッキの核です。序盤は如何にしてこのカードを初手に用意するか、そして何回サーチ効果を使い回しできるかが重要です。
『共通効果①:炎→自身への効果破壊耐性付与』
サンダーボルト等モンスターを一掃されてしまうカードにチェーンし、場にVS名称を維持したい時に使用していました。ただ新規で登場した裏螺旋流雪風に破壊耐性付与の効果があるため、相手ターンではもう一つの効果を温存することができるようになりました。先攻では後述するVS蛟龍の発動条件を満たすために使用することが多いです。
『共通効果②:炎・闇→自身と同じ縦列のモンスターをすべて破壊』
表示形式、自身相手を問わず全て破壊できるため、最大0-2交換が成立します。ただし自身のリンクモンスターも破壊されてしまう点は注意です。
効果処理時にラゼンがフィールドに存在しない場合は破壊できません。
VS Dr.マッドラヴ
『固有の効果』
召喚・特殊召喚時にVS魔法罠をサーチできます。
選択肢が現在時点で「墓地蘇生かサルベージする速攻魔法」、「モンスターを裏側守備表示にする速攻魔法」、「フリーチェーンのバウンス罠」、「フリーチェーンのモンスター全破壊罠」「自分のカードを対象に取るカードの発動を無効にするカウンター罠」と豊富で、先攻後攻を選ばず効果を活かすことができます。
『共通効果①:闇→相手モンスターのATK/DEFを500ダウン』
500ポイントダウンは永続で適用されます。対象を取らず、ターンを跨げば同じモンスターにも複数回適用できます。
『共通効果②:闇・地→フィールドで最もDEFが低いモンスターを手札に戻す』
対象は取らず、効果処理時にフィールドに存在する守備力が1番低いモンスターに適用されます。(リンクモンスターに守備力は無いため、リンクモンスターがEXデッキに戻ることはありません。)戻すモンスターはお互いのフィールドを参照します。また同じ数値のモンスターが複数存在する場合は自分がどのモンスターを戻すか選択できます。
VS パンテラ
『固有の効果』
自分の場にモンスターが存在しない場合自身を特殊召喚できます。相手がこちらのリンク召喚を阻止するために初動のモンスターを除去してきた時、このカードがあれば貫通できます。また召喚権と合わせてランク4エクシーズやリンク2以上のモンスターを召喚する時に便利です。
『共通効果①:地→自身に戦闘破壊耐性を付与』
裏螺旋流雪風と合わせることでそのターン完全耐性を得ることができ、そのターンの延命率が上がります。
『共通効果②:地・炎→自身と同じ楯列の魔法罠を破壊』
表裏、自分相手を問わず効果処理時に自身と同じ列にある魔法罠を破壊します。効果処理時にパンテラがフィールドに存在しない場合は破壊できません。
VS 蛟龍
『固有の効果』
自分がVSモンスターの効果を発動するために手札を見せた場合、効果処理後に自身を特殊召喚できます。(発動のコストとして見せるという意味です。後述するVS龍帝ヴァリウスやVSヘヴィボーガーの固有効果では条件を満たさないので注意です。)フェイズを問わず特殊召喚できることが非常に重要で、他カードとの組み合わせ次第でバトルフェイズにダメージを追加したり、後攻0ターン目にVS龍帝ヴァリウスを展開したりできます。
『共通効果①:炎→モンスター1体の表示形式を変更』
裏表を問わず変更できます。
『共通効果②:炎・炎→VSカードをサーチ』
この効果が非常に強力です。前述の通りこのデッキの核はVSラゼンであり、発動コストに炎属性2枚を要求するこのカードはラゼンを引いている前提のカードのように見えます。実際情報が出た時はVS使用者の中でも意見が割れていました。隠さずに言うと私自身も「このカードがあることでワンキルルートが増えるから強いけれど、デッキが回っている前提になりそうだから1枚採用、多くても2枚かな?」と思っていました。でも実際使用してみると、今の純VSは『序盤で如何にして蛟龍の効果を使用するかが重要』だと気づきました。理由は展開パターンでご紹介しますが、簡単に言うと毎ターン手札が2枚増えるので、安定性が格段に上がります。VSはテーマの性質上指定の3属性を手札にキープする必要があり、その有無が勝敗に直結することがありました。しかし蛟龍によって自分、相手ターンを含め4枚VSカードをサーチできるため、確実に3属性が揃います。
VS プルトンHG
『固有の効果』
相手ターン、自分メインモンスターゾーンのモンスターがVSモンスターのみもしくは存在しなければ、チェーンブロックを組んで特殊召喚できます。(メインモンスターゾーンなのでEXゾーンに別モンスターが召喚されていてもOKです。)
『共通効果①:炎→自身のDEFを3000アップ』
ダメージステップでも発動できます。
『共通効果②:地・闇→自身のATKを3000アップ』
ダメージステップでも発動できます。
VS ヘヴィ・ボーガー
『固有の効果』
自分フィールド上の機械族以外のVSモンスターを対象として発動し、効果処理で入れ替わります。この効果はお互いのメインフェイズに発動できる(スペルスピード2)のため、相手の効果の対象になったVSモンスターをサクリファイスエスケープさせることができます。(恐ろしいことにそのVSモンスターは手札に戻るのでリソースを失っていません)
『共通効果①:闇→1枚ドロー』
強すぎます。自分・相手ターンで最低2枚はドローできます。テーマの性質上手札誘発が大量に投入されているため、2枚手札を追加できるのは非常に強力です。またフェイズを問わず発動できるため、各種妨害を最低限ケアすることもできます。
『共通効果②:地・炎→1500ダメージ』
またまた強すぎます。自分・相手ターンで3000ダメージが確約されるため、他で5000ダメージ削れば実質勝ちです。(相手LPが1500以下の状態でターンを渡しても、そのドローフェイズで発動すれば勝ちです。)彼はDDBの生まれ変わりでしょうか?こころなしか名字が佐々木さんではないかと思えてきました。
VS 龍帝ヴァリウス
『固有の効果』
VSヘヴィボーガー同様、自分フィールド上のドラゴン族以外のVSモンスターを対象として発動し、効果処理で入れ替わります。この効果はお互いのメインフェイズに発動できる(スペルスピード2)のため、相手の効果の対象になったVSモンスターをサクリファイスエスケープさせることができます。
『共通効果①:地→自身に効果耐性を付与』
ターン終了時まで相手が発動した効果を受けなくなります。
『共通効果②:炎・地・闇→フィールドのカードを1枚選んで破壊』
対象を取らず、自身以外のフィールドのカードを1枚破壊できます。裏表やカードの種類は問いません。
闘神の虚像
自分・相手メインフェイズに以下のどちらか一つを選択して発動できます。
①手札からVSモンスターを特殊召喚
⇒レベルや属性を問わずに特殊召喚できます。この効果のおかげで相手ターンでもラゼンやマッドラヴといった妨害効果持ちモンスター追加できます。自分ターンでは手数を増やすために使用します。
②墓地からVSモンスターを1枚手札に戻す
⇒レベルや属性を問わずに回収できます。対象を取らないため、仮に相手の妨害によって何かVSモンスターが墓地から離れても、効果処理時に他の選択肢から回収できます。また相手が自分の墓地のモンスターを参照する効果(例:暗影の闇霊使いダルク)を使用した時、チェーンして不発にさせることもできます。
更に、自分フィールドにVSモンスターが存在する限り、相手は最も攻撃力が高いモンスターしか攻撃対象に選択できなくなります。例えばVSラゼンと天霆號アーゼウスが存在する場合、闘神の虚像の効果が適用されて相手は天霆號アーゼウスしか攻撃対象に選択できません。地味ですがこの効果が非常に強力で、闘神の虚像がいる限りリソースを無限回収されるため相手としてはこのモンスターを早々に除去したいはずですが、攻撃するためには先にフィールドからVSモンスターを除去しなければなりません。しかしVSには龍帝ヴァリウスを筆頭とする除去効果持ちカードが複数あるため、容易にVSモンスターを一掃することができません。もし闘神の虚像が残ったままターンが帰ってくれば、どんどんアドバンテージ差を広げる事ができます。
Stake Your Soul!
VS名称が無いためDr.マッドラヴでサーチできないですが、効果は非常に強力です。(あえてサーチできないようカード名にVSと入れなかったんでしょうね~)手札のモンスターを1枚見せて発動し、効果処理でそのモンスターと同じ属性でカード名が異なるVSモンスターをデッキから特殊召喚します。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに手札に戻りますが、効果使用も攻撃もできます。見せるモンスターはVS名称がついていなくても良いなので、テーマ外の汎用モンスターを見せても機能します。
VS コンティニュー
イメージは速攻魔法版の死者蘇生&死者転生です。500ポイントのライフコストと引き換えに墓地のVSモンスターを特殊召喚するか手札に加えるか選択できます。発動時は対象を取るだけで、効果処理で特殊召喚 or 回収を選択します。特殊召喚した場合モンスター効果は無効化されない点が強力です。
VS 螺旋流辻風
イメージは皆既日蝕の書の強化版です。自分フィールド上のVSモンスター1体を対象として発動し、効果処理でそのモンスターの表示形式を変更します。その後、自分フィールドに存在するVSモンスターの種類の数まで(=最低1枚)、相手のモンスターを裏側守備表示にできます。皆既日蝕と違って裏側守備表示にしたモンスターがターン終了時に表側に戻らない点も強力です。相手ターンではEXモンスターの素材が並んだタイミングで発動して後続の召喚を妨害したり、自分ターンではVSコンティニューで蘇生したモンスターを攻撃表示にしたりと、トリッキーな使い方ができます。
VS トリニティ・バースト
自分フィールド上のVSモンスター1体を対象して発動し、効果処理でそのモンスターと属性が異なるVSモンスターを2体まで特殊召喚できます。さらに、対象としたモンスター&特殊召喚したモンスターと同じ列にある相手カードを全て手札に戻します。モンスターも魔法罠も、表示形式を問わず戻します。対罠デッキで相手エンドフェイズに発動したら実質勝ちですね。またモンスターも対象を取らずにバウンスできるため、マスカレーナ素材アストラムのような強力な耐性付きモンスターも容易に除去できます。
VS 裏螺旋流雪風
手札のモンスター(炎・闇・地属性)を各1枚まで、最大3枚見せて発動します。見せた枚数によって効果が重複していきます。3枚見せた場合、以下の効果が適用されます。
・相手に1800ダメージ
・自分の手札からVSモンスターを特殊召喚
・発動したターン自分のVSモンスター全員に効果破壊耐性を付与
・フィールドのモンスターを全て破壊
恐ろしいですね。手札を見せるだけ(実質コストゼロ)でこれだけのアドバンテージを生みます。モンスター以外の妨害手段が1枚増えたのは間違いなく強力な点ですが、手札から特殊召喚する効果も地味ながら強力です。かつてのVSは相手ターンに闘神の虚像の効果を無効にされ、フィールドにVSモンスターを用意できずそのまま負けるということがありましたが、このカードのおかげでその問題点も解決されました。
VS 龍帝ノ槍
自分フィールドのカードを対象とする相手のカードが発動した時、その発動を無効にして破壊します。さらに、自分のVSモンスター1体を選んでその攻撃力分のダメージを与えます。自分のカードが無効されたうえ、突然最大3000ダメージが飛んできます。妨害が対象を取る効果に寄っているテーマに対しては非常に強力です。
4.テーマ外で相性が良いカード
テーマの性質上炎・闇・地属性を軸にデッキを構築するため、これらの属性を持つ手札誘発モンスターとは特に相性が良いです。
灰流うらら
炎属性の汎用モンスターです。Stake Your Soul!の発動コストを見せることで相手に増殖するGの発動を躊躇させることができ、万が一発動されてもこのデッキは増殖するGがクリーンヒットしづらいため、灰流うららを相手への妨害に温存することができます。
怒炎壊獣ドゴラン
誘発効果は持っていませんが、相手の置物系モンスターに対して強い壊獣シリーズをメインデッキから採用できるのはとても安心感があります。またステータスがとても優秀で、後述するスモールワールドでこのカードを経由するとほぼ全てのモンスターにアクセスできます。
俱利伽羅天童
ドゴラン同様誘発効果は持っていませんが、相手モンスターを一掃できる強力なカードです。ドゴランと違い複数枚除去できること、エンドフェイズに相手墓地にある妨害効果持ちモンスターを特殊召喚できることがメリットです。自身の効果で攻撃力も上がるため、ダメージの目標ライン5000(ヘヴィボーガーの3000ダメージを除いた残りLP)にも到達しやすくなります。
増殖するG
地属性の汎用モンスターです。初手に無かった時VSヘヴィーボーガーの追加ドローで引き込むことができて嬉しいカードNo1です。
屋敷わらし
地属性の汎用モンスターです。墓地を使用するテーマに対して有利に立つことができる他、メインフェイズ以外(闘神の虚像でチェーンできないタイミング)で墓地のVSラゼンを対象とする除外効果や、手札誘発に対して使用された墓穴の指名者を無効化できます。テーマの性質上メインデッキから複数枚の手札誘発が採用されているため、他のカードと重ね引きできればより強力です。
応戦するG
VSで墓地を活用するタイミングは闘神の虚像とVSコンティニューくらいなので、相手にとって除外が致命的であれば入れた方が良いです。コストで墓地に送って発動する各種カードを無力化できるため自分も安心して展開できます。不要になったら自分ターンの最後にリンク素材すれば、おまけで増殖するGをサーチできます。
ディメンション・アトラクター
闇属性の汎用カードです。応戦するG同様、相手にとって除外が致命的であれば入れた方が良いです。もし墓地にカードがある状態で引いてしまっても、各種VSモンスターの発動コストにできます。
深淵の獣
闇・光属性が主流の環境ではとても強力です。相手のデッキが他の属性だったとしても、一応自分の闇属性モンスターを除外すれば機能します。VS龍帝ヴァリウスがドラゴン族のため、マグナムートのエンドフェイズにドラゴン族モンスターをサーチ・回収する効果とも相性が良いです。
幻創龍ファンタズメイ
VS魔法罠等、容易にサーチできるカードをデッキに戻しながら手札誘発を引き込みます。最低2枚はドローできるため手札の質が上がります。また闇属性ドラゴン族のため深淵の獣マグナムートの効果で手札に加えることもできます。
D.D.クロウ
闇属性の汎用カードです。ティアラメンツ等のピンポイントで墓地のカードを除外されることが致命的なテーマに有効です。
原始生命態ニビル
3属性には該当しませんが、VS ヘヴィボーガーで相手ターンにドローできたら強いです。相手が各種VSカードや他手札誘発を乗り越えて捲ろうとした後このカードを発動したら、流石にターン中自分のLPが0になることは無いと思います。また環境によってはメインデッキから飛んでくる原始生命態ニビルはケアされることが少ないため、不意を突くことができます。ニビルは守備力が600と低いため、次のターンVS Dr.マッドラヴの効果で手札に戻して再利用しましょう。(後続のVSモンスターが途切れないように、二ビル効果使用前にレベル4のVSを手札に戻しておきましょう。)
エフェクト・ヴェーラー
3属性には該当しませんが、VSヘヴィボーガーで相手ターンにドローしたら1妨害増えるため採用優先度は高いです。無限泡影と比較して、相手ターンに引いても自分のフィールドに依存せず発動できる点、モンスターなのでリンク素材にもできる点が優秀です。対して後攻0ターン目の使用やディメンション・アトラクター適用、三戦の才を意識するなら無限泡影もありです。
パラレルエクシード
闘神の虚像がリンク1のため簡単に発動条件を満たすことができます。増殖するGや原始生命態ニビルが重くなってしまう欠点はありますが、展開が通った時の爆発力が格段に上がります。展開は後述します。
ランク4エクシーズモンスター
VS パンテラ+レベル4モンスター、VS Dr.マッドラヴ+レベル4VSモンスター、パラレルエクシード2体等様々な組み合わせで召喚できます。ランク4にはNo.41 泥睡魔獣バグースカや深淵に潜む者といった特定のデッキに対する強力な回答になるモンスターが多いため重宝します。
天霆號アーゼウス
エクシーズモンスターを採用しているので必然的に採用します。ランク4に迅雷の騎士ガイアドラグーンやダウナード・マジシャンのようないわゆる下敷きが存在しない点は残念ですが、後攻の選択肢にフィールド全体除去が増えるだけでも貴重です。
厄災の星ティ・フォン
必須ではないですが、いざと言う時にあると選択肢が広がり強いカードです。現環境では「I:Pマスカレーナ効果でリンク召喚されたS:Pリトルナイトを破壊したいが、チェーンブロックを作りたくない。」「R-ACEの先攻展開を捲った後、次ターンのタービュランスを阻止する。」という時に便利でした。
BK キング・デンプシー
特殊召喚時に炎属性戦士族=ラゼンを手札に加える事ができます。このカードの素材を用意するために召喚権を使用してしまい同一ターン中の連続展開にはならないことはありますが、後攻で確実にラゼンへアクセスしながらアーゼウスまで繋げることができるため、あって損は無いです。VS コンティニューやパラレルエクシードを絡めたパターンならそのまま闘神の虚像でラゼンを特殊召喚でき、更に上ブレします。
十二獣モンスター
天霆號アーゼウスの使用回数を増やすことができます。
トロイメア・フェニックス / トロイメア・ケルベロス
各種エクシーズモンスターが回答として有効ではない時や、確実に特定のカードを破壊したい時に便利です。闘神の虚像のリンクマーカーが下を向いているため、おまけで各種破壊耐性と1枚ドローが付いてきます。(ただしドロー効果が付くせいで相手が破壊効果にチェーンして灰流うららを発動できるようになるのは注意です。)
I:Pマスカレーナ / S:Pリトルナイト
後述する展開パターンで、闘神の虚像+マスカレーナリトルナイト+VSモンスターという盤面を形成できます。トロイメア・ユニコーンの場合手札コストが必要でVSモンスター3枚を消費してまでやるべきでは無いことから微妙な印象でしたが、S:Pリトルナイトの場合は最低2枚アドバンテージを獲得でき、加えて相手の墓地にも鑑賞できるようになったため、リンクモンスターの中でも採用の優先度が上がりました。
サイバース族セット
※パラレルエクシードを採用している場合必要。非採用の場合は不要です。
転生炎獣アルミラージのリンク召喚時にパラレルエクシードを特殊召喚することで、デコード・トーカー・ヒートソウルの効果で1枚ドローしながら蒼穹の騎士アストラムをリンク召喚できます。展開中の制約によりこの後サイバース族モンスターしか特殊召喚できないためVSギミックと完全に共存はできないですが、対象・破壊耐性持ちで戦闘にも有利なアストラムを召喚できれば、それだけで勝利できるテーマはあります。
リンク3以上のモンスター
自由枠です。環境に応じて適したカードと入れ替えます。今期のオススメ混沌の戦士カオスソルジャーです。(レベル7を含めたリンク召喚が容易にできるため、相手によっては攻撃力4500になった対象耐性付きカオスソルジャーを突破できません。)
カオス・アンヘル-混沌の双翼-
第二の自由枠です。他に必須カードが出たら入れ替え候補になりますが、意外と役立つシーンがあります。VSはテーマ内のカードで破壊ができますが、対ティアラメンツのように破壊への優位性があり、攻撃力もヴァリウスと同等というようなテーマに対しては妨害を活かしきることができない可能性があります。そんな時このカードがあると非常に強力です。素材は主にマッドラヴ+深淵の獣かレベル3チューナー+ヘヴィボーガーで、幽鬼うさぎ等が絡まない限りは光属性を含めて召喚することは難しいため、付与される効果は戦闘破壊耐性のみになることが多いです。
増援 / 『焔聖剣-デュランダル』 / 『焔聖剣-アルマス』
VSラゼンが炎属性戦士族のため、サーチ手段として優秀です。ただしドロール&ロックバードが直撃するため過信は禁物です。(ヘヴィボーガーの効果で紹介したように、うまく立ち回ればこのデッキはドロールの影響を最低限に抑えることができますが、「サイドチェンジで他に入れるカードが無かった」等の理由で1枚だけ入っていたドロールが直撃するかもしれません。)
金満で謙虚な壺
EXデッキで必須なカードは闘神の虚像だけなので、必要に応じてカードを除外しても致命的ではありません。ヘヴィボーガーのドロー効果とだけ噛み合いが悪いですが、6枚から選んで手札に加えるため、初動確保だけでなく+αの妨害を選択して確実に加えることができます。
強欲で貪欲な壺
デッキを10枚除外するのはリスキーなように思えますが、テーマの性質上VSモンスターは闘神の虚像で使いまわしできるため、それぞれ1枚手札にあれば十分です。手札を揃えた後に発動することで純粋に手札の質を上げることができます。(もし手札誘発を2種引ければ2妨害増えます。このデッキは手札誘発が多いので、実際起こりえます。)
スモール・ワールド
VSモンスターは属性・種族・レベル・攻撃力・守備力が少しずつ異なっていて、どのモンスターからも任意のモンスターにアクセスできるようになっています。またテーマ外の各種モンスターからVSモンスターにもアクセスできるため、初手のVSラゼン確保にも役立ちます。後攻で怒炎壊獣ドゴランや俱利伽羅天童を能動的にサーチできる点も強いです。またこのカードは効果が通れば実質ラゼンや灰流うららになるため、相手に灰流うららや増殖するGの発動を強いることで本命を通しやすくなります。
マジックカード「死者蘇生」
自分・相手の墓地からモンスターを特殊召喚できる速攻魔法です。任意のタイミングで相手の墓地に存在するモンスターを移動したり、相手の墓穴の指名者にチェーンして不発にしたりと、汎用の妨害として活躍します。更にこのデッキでは特殊召喚したVSモンスターを手札のVSモンスターと入れ替えることで「この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、その効果は発動できない。」という制約を解除することができます。(例えばこのカードで特殊召喚したラゼンを手札に戻してヘヴィボーガーを特殊召喚し、その後ラゼンを召喚すれば効果を使用できます。)
センサー万別
種族が全て異なるため、センサー万別との相性は抜群です。強いて言えばマッドラヴが存在する状態でEXデッキから悪魔族モンスターを特殊召喚できないですが、センサー万別が適用されている時点で相手は自由に展開できないはずなので、大きな問題ではありません。
※ただし、S:Pリトルナイトの登場により一部の種族統一テーマがEXデッキのモンスターを経由してセンサー万別を除去できるようになりました。過信は禁物です。
サモンリミッター
マッドラヴの効果で相手モンスターを手札に戻すことができるため、サモンリミッターと組み合わせることで実質ロックできます。(1体目のモンスターが出たタイミングでマッドラヴの効果を使用し、相手モンスターを手札に戻します。2回目の召喚特殊召喚が行われた後センサー万別を発動することで、リンク1モンスターすら召喚させずに行動をロックすることができます。)自分にも制約が生じますが、上級のVSモンスターや闘神の虚像の効果で特殊召喚できるため致命傷にはなりません。
スキルドレイン
VSモンスターはもともとのステータスが高いため効果無効になってもある程度戦闘で有利に立つことができます。また、上級2種の効果を同一チェーン上で使用することで、実質スキルドレインの影響を受けなくできます。(例えばチェーン1でVSラゼンのサーチ効果を発動し、同一チェーン上で手札のヴァリウスやヘヴィボーガーの効果を使用して入れ替われば、効果処理時にラゼンはフィールドに存在しないためサーチ効果が適用されます。)
5.展開パターン
序盤に記載した通り、テーマの性質上このデッキには「○○初動では~~を展開」という固定化されたルートが無く、手札の炎・闇・地属性のモンスターの有無や枚数で動き方が分岐していきます。そこで今回は、最低限の組み合わせでどこまで展開できるかを紹介します。例えばラゼン+炎属性2枚は蛟龍をサーチして展開できることが明白なので、ラゼン+炎属性1枚の基本展開に留めています。基本的には属性が増えれば増えるほど展開が上ブレるというイメージでOKです。
※¹複数回同じカード名が登場するため、略称で記載します。(例:VS ラゼン⇒ラゼン / Stake Your Soul!⇒Stake)
※²撮影の都合上EXモンスターゾーンのモンスターは位置を下げて召喚しています。メインモンスターゾーンに召喚しているように見えるかもしれないですがご容赦ください。
※³展開中に使用するVS魔法罠は現在大会環境でよく使用されている種類に絞っていますが、画像に出てこないカードに置き換えても問題無いです。
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