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[雑記]あなたと叶える新しい物語

ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルオールスターズ、通称スクスタが遂に正式リリースされた。
TVアニメの圧倒的な完成度と楽曲の良さで一世を風靡したラブライブ!シリーズは、アニメであるがゆえの終わり、「卒業」へと収束していった。しかしアニメは死せどもIPは死なず、ユーザーにとって一番身近なゲームハードであるスマホからの動線として、スマホアプリゲームの中では既に相当なレガシーと化していたスクールアイドルフェスティバルを超える存在として、誰も彼もが待ち望んでいた新作アプリゲームだ。
アニメでは終わりへと到達したμ'sとAqoursへ触れるだけでなく、3つ目のスクールアイドルユニット「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」、通称ニジガクの本格的なストーリー展開が行われる。ニジガクは前からCDリリース等はされていたものの、スクスタでの展開を最初から予定していたので、満を持して送り出されたラブライブ!新作プロジェクトと言って過言はない。


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最強で最高のアイドルゲームだぞ。


スクスタのリリースにあたっておれが一番懸念していたのは、プレイヤーである「自分」がゲーム内に存在するかどうか、だ。
バンドリ!ガールズアンドパーティでは自分こそいるものの、自分に向けてキャラクターが喋ってくれる機会は極端に少ない。ライブ後の演出やイベントコミュなど、基本的には一生キャラクター同士の絡みを見続けるゲームだった。対してアイドルマスターシリーズは、プレイヤー=プロデューサーなので自分とのコミュニケーションが多い。どちらがいいとかではなくて、軸や方向性の違いだが……。
ラブライブ!ではどうかというと、TVアニメはそもそも双方向のメディアではないので、基本的に彼女たちの絆の深まりを観ているだけだった。しかし一度ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルをプレイしてみたときにはチュートリアルからしてガッツリ自分に向けて喋ってくれたし、ホーム画面でも自己紹介をしてくれたりとプレイヤーに対するアピールがあった。「おれのこと好きってこと?」と思いつつ、なんとなく、違和感のようなものを感じもしていた。

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おれの推しは国木田花丸さんだ。友達想いで優しいし語尾が変だ。花丸さんのことは好きだが……………おれと付き合ってほしいというよりも、この世界で元気にキラキラでいっぱいの毎日を生きていてほしいという気持ちが強い…………正直認知とかは全然してもらわなくていい………。そういう複雑な気持ちがあった。


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そうしてリリースされたスクスタだが、結果………プレイヤーは、ゲーム内に、いた。ニジガクの上原歩夢さんが、おれに向かって喋っている。おれはμ'sとAqoursのライブを観て、スクールアイドルの魅力を知った生徒の一人だ。


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ただし、おれは女子生徒だった。プレイヤーは上原歩夢さんの幼馴染で、女の子。そして虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の存続の危機に立ち向かう、10人目のメンバーだ。まさに「あなたと叶える新しい物語」、その通りだった。
ほかにもホーム画面に設定したお気に入りメンバーとは、タッチ操作で触れ合える機能もある。タッチすることでキズナレベルが上昇し、ステータスにボーナスが入る仕組みだ。キズナレベルの上昇時には「あなたがいてよかった」と直に感謝の気持ちを告げられるほどには、自分が存在する。


思い返せば、スクフェスで感じた違和感の正体は、「世界観にそぐわない男性性の介入」だ。アニメシリーズを視聴したことのある方ならわかると思うが、ラブライブ!の世界では徹底して男性が描かれない(お約束として、お父さんが背中だけ出てくる)。それによるメリットとして何重ものセーフティが機能していることはここでは割愛するが、ゲーム内での自分の解像度が低いことで、本来世界にいるべき男性=自身が存在してしまい、解釈違いを引き起こしている、そういった違和感だ。


おれは多少面食らいながらも、折角だしと思い空き時間を使ってリセマラをしていた。せめてAqoursのURやSRを引いて始めたい気持ちが強かった。とはいえチュートリアル終わりまでにもらえるラブカスターでは10連も回せず、UR確率は5%、ミリシタもやりたいしデレステもメモリアルガシャが来たしシャニマスはいつでもおれを待っている。パッと見で100%の音ゲーでないことはわかったので、なんだかんだ言ってやらんまま終わるかも知れないな、そう思った矢先だった、室井さんのデータを見たのは。


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衝撃が走った。プレイヤーとして、自分のHNではなく、自分のオリジナルキャラの名前を入れるという行為にだ。
確かにこのスクスタには、フレンド登録の画面で表示される「プレイヤー名」とは別に、ストーリーを進めているときに表示される「ニックネーム」を入力する。そしてプレイヤーはストーリーでは女の子の口調だ。これらが何を意味するか、おれはこれっぽっちも考えずにリセマラを繰り返していた。「女の子としてプレイすれば良い」、たったひとつの単純な答えだった。


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この男はいつでも本気だ。


もともと室井さんは自身をプレイヤーキャラとして投影するゲームであっても、女性主人公を選んでゲーム内の女性NPCと付きあう妄想をする百合狂信者だ。サモンナイト3では必ず女性主人公を選んで生徒も女の子にしていたし、アイドルマスターシリーズにおいても自分自身ではなく女性Pを脳内で一人置くし、ナナシスのライブでは玉坂マコトさんの「お兄ちゃん」呼びよりも「お姉ちゃん」呼びに興奮する。
室井さんはスクスタだと最初からニジガクの天王寺璃奈ちゃん推しで、ニジガクの子はまだ最高レアリティのURが実装されていないのでリセマラ無しでサッサと始めていた。何もかもがスマートだった。

おれは反省した。このゲームの本当の楽しみ方を何一つ考えずに、目先のURに囚われ、あまつさえリセマラの段階で、投げ出そうとしていた……。これが数年前のおれであったら、投げ出していたかもしれない。だが今は違う。おれが百合共有サーバー「Lily」を作ったのは、室井さんの本気に向き合うためだ。こんなところで立ち止まるわけには行かなかった。おれはこのゲームを、スクスタを、300%楽しむ。そのための答えはもう目の前にあるのだから……。


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私は本気です。各位フレンド登録、よろしくお願いいたします。(フレンドじゃないとひらめきスキルが発動しないそうなので)

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