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豊田市美術館に行ってきました

こんにちはRYUです。ウチの奥さんは新聞や雑誌のプレゼントに応募するのが趣味?で、忘れたころに当選!して賞品が届くことがよくあります。今回は美術館のチケットがペアで当選した!ので、さっそく行ってみることにしました。

こちらが当選

さて、当たったチケットはこちら。シンガポールのアーティスト「ホー・ツー二エン」の展覧会です。ご覧のような妖怪のキャラクターで動画を制作する方なので、村上隆さんのようなサブカルチャー系のアーティストかと思ったら・・・全く違いました(汗)。一部が撮影可能だったので、その独特な作品世界を紹介してみたいと思います。

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豊田市美術館に到着

というわけで名古屋市内から約40分かけて、豊田市美術館に到着しました。2度目の訪問なんですが、めちゃモダンな美術館で大好きです。無機的なんですが・・・

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あちこちに「反射」を効果的に使ったオブジェがあって、空間に自然光が回るよう変化がつけられています。だからか?無機的だけど寛ぎを感じる空間になっています。

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さて、ではさっそく展示会を見てみましょう。

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一見すると「水木しげる」の世界

最初の展示室には、横20mくらいありそうな画面に妖怪たちが横スクロールで現れます。アニメとしてのクオリティは日本の商業アニメの方がレベルが高いんですが、キャラが独特なので見入ってしまいます。キャラもそうですが背景も明らかに日本!ゲゲゲの鬼太郎の「水木しげるワールド」を思わせます。

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「ろくろっ首」に「天狗」、はては「太平洋戦争中の日本兵」!なぜこんなキャラクターをシンガポールのアーティストが描いたのか?興味が湧くのですが、展示が進むにつれ説明が加えられていきます。

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メタファーを想起させるキャラクター

次の展示室では、先ほど見たキャラクターが単体で現れます。暗黒の画面に次々に浮かんでは消えるキャラクターは、「死者」を表すメタファーであるようにも感じます。

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こちらは「耳なし芳一」みたいですね。仏教をベースにした、アジアの死生観を感じさせるキャラです。

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展示会タイトルになったキャラは、ちょっとPOPな造形。トランスフォームして様々な形に体を変えるところも、仏教の「輪廻」を想起させます。

そしてここでも日本兵。第二次大戦中の日本陸軍の制服です。

そしてテーマは「日本とアジアの近代史」に発展

撮影不可の展示では、アーティストの主題が徐々に明らかにされます。江戸時代から交流があったシンガポール周辺のアジア諸国と日本の近代史が、「虎」にまつわる逸話で描かれます。そして最後は、シンガポールが「仏領インドシナ」と呼ばれて、日本の軍隊が進駐していた第二次大戦の時代が舞台に。ここでやっと、「なぜ日本兵が登場するのか?」という問いに繋がります。

日本とシンガポールは意外に古くから交流があったのですが、その歴史の中には多くの死者が出た戦争も含まれています。既に戦後70年以上が経過して戦争の記憶が失われていく中、両国の歴史の中で亡くなった方への鎮魂がアーティストの制作意図の根幹にあるように思いました。一見するとカルトっぽいですが、よく見るとしっかりしたメッセージ性も有る良い展示でした。

レストランも充実

さて、この美術館のもうひとつの楽しみは食です。なかなかレベルの高いレストランがあるので、ぜひお試しください。

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こちらは鱸(スズキ)のスパイシーソース。ギュっと旨味が詰まった身に、スパイシーなソースの組み合わせです。

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こちらは鶏肉ソテーのクリームナッツソース。淡白な胸肉に濃厚なソースの組み合わせで、こちらも美味かったです。

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セットでついてきたブランボワーズのムースだけでは飽き足らず、同じくブランボワーズのスイーツを追加しました(奥さんだけ)。ご馳走様でした。

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いかがでしたか?こちらの展示会は新年1月23日までですが、展示会も美術館自体も、なかなか見応えがありました。関心を持たれた方は、ぜひ足を運んでみてください。 (RYU)