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支給率わずか6%!「家賃支援給付金」獲得までのストーリー

こんにちはRYUです。コロナの第2波もやっと収束・・・と思える昨今ですが、皆さんの地域ではいかがでしょうか?

長く続くコロナ禍の中で、弊社も「コロナ関連補助金」をいくつか申請し受給してきたのですが、2ヶ月を過ぎてもまだ申請が受理されなかった補助金がありました。企業が貸借しているオフィスの「家賃」を支援する「家賃支援給付金」です。

なんと申請数に対する給付数が6%!

・・らしいこちらの補助金(詳細は以下で説明)、数あるコロナ関連補助金の中でも最難関です。そんな補助金が2ヶ月のやりとりの末、昨日やっと支給された!ので、ここに至るまでの汗と涙のストーリーを発表してみたいと思います。弊社と同様に何度も差し戻され、困っている企業の皆様の一助になれば幸いです。

まずは、企業が申請できる主要な「コロナ関連補助金」について整理してみましょう。最初はこちら。

1.持続化給付金

売上が対前年50%以下になった月があれば、総額200万円を限度に事業持続化のための資金が中小企業に支給される制度です(個人事業者の方は上限が100万円)。「中小企業」の規定も資本金10億円以下&従業員2,000名以下と緩やかなので、8月31日までの時点で申請件数も多く、給付率も90%以上あります。至急性を考慮した、最も敷居の低い補助金と言えるでしょう。

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※(一社)サービスデザイン推進協議会(渦中の中小企業庁からの委託先)HP

2.雇用調整助成金

次は、非常事態宣言などに対応して「休業」に協力した企業に支給される補助金です。中小企業は最大100%の人件費が休業した日数に対して支払われる(ただし上限15,000円/日)ので、休業日数が多かったBtoCの業界では、合計支給額が「持続化給付金」以上となるケースも多いようです。

要求される書類が多く申請側の事務負担は大きいのですが、こちらも支給率は85.6%あり、比較的敷居の低い補助金です(9月4日までの累計 支給件数1,118,886に対して支給決定数は958,215)。

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※厚生労働省HP

3.家賃支援給付金

そして問題の「家賃支援給付金」。単月の売上が対前年比50%未満か、3ヶ月にわたる売上が対前年70%未満になった場合、「持続化給付金」の規定と同じ中小企業に対して、家賃補助が6ヶ月分にわたって支払われます。合計給付額は最大600万円!と、中小企業にとっては大きな額なんですが、前述の記事によると、支給率はわずか6%の「狭き門」になっています。

ちなみに比較として正しいか?分かりませんが、東京大学の志望者数に対する合格者数は3倍程度。合格率は30%程度なので、

ある意味、東大を上回る難関です。

なぜこんなに「狭き門」になったのか??理由はいくつか有るのですが、支給までに5回の「ダメ出し」を受けた弊社から見ると、いくつかの理由が思い当たります。

狭き門の理由1: 申請者側の問題

弊社が現在の社屋の賃貸契約を交わしたのは平成17年(15年前)だったのですが、この間、賃貸人(貸す側の企業)の分社化、グループ内での事業譲渡などにより、実に賃貸人の企業が3回!変わっていました。中小企業庁側から「最初の契約書と賃貸人が異なっている」という指摘があったのですが、貸す側の企業がどのような事業再編を行ったのか?なんて、ホームページの「沿革」に書いてなかったら分かりません。結果的に、Wikipediaの記事まで動員して補足資料を送付し、ようやく基準を満たしました。

弊社より長く、30年・40年の長期にわたって賃貸契約を結んでいる場合は、こうした過去の契約を辿る作業がさらに困難になると思われます。また前述の西日本新聞記事には、「家主との関係が悪化していて書類が揃わないケースも多い」と指摘されていました。

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 ※賃貸人の変遷を説明するために、私が実際に制作した書類。

狭き門の理由2: 事務局側の問題

家賃支援給金の窓口となっているのは、中小企業庁の委託を受けた「家賃支援給付事務運営コンソーシアム」です。「持続化給付金」で、事業委託による中抜きが問題となった「サービスデザイン推進協議会&電通」とは事務局形式が異なり、窓口業務の主体はリクルートなんですが・・・どうも事務局のスタッフが、こうした業務に習熟しているとは思えないのです。

弊社の場合は、一度認可された添付ファイルが、後からNGになる!という不可解な事がありました。おそらく、事務局スタッフの見識の個人差が大きいのではないかと推測します。

狭き門の理由3: システム上の問題

実例でご覧いただくと、「差し戻し」になった時の事務局側の説明文がこんな感じなんですが、どう思われます??

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どうやら、事務局が使用するシステムは、あらかじめ用意した定型文を組み合わせて返信する仕組みになっているようで、「御社はここがダメ」という具体的な指摘になっていません。NGポイントは「AもしくはBまたはC」といった曖昧な指摘になっているので、こちらが推測して対応するしかないのです。

これら全ての可能性に対応する回答をしても、事務局側からは全く同じNGポイントが返ってくることがあり、この場合も「ここがダメ」という具体的な指摘はありません。そうなると「どこかダメなのか?」申請側は困り果てることになります。こうした状況に陥ること自体、やはりシステム上の問題と言えるんじゃないでしょうか。

結局のところ、弊社が何度も申請を繰り返したポイントは、前述の「賃貸人の変遷」と、「売上に雑収入があったこと」の2点でした。これらのポイントは事務局側から具体的に指摘されたわけではなく、幾度にもわたる申請の中で、弊社側が想像を繰り返した結果、たどり着いた結論です。

おそらく弊社同様に「何がNGなのか?」わからないまま、申請を繰り返している企業の方も多いのではないでしょうか。カオスな状況になったら自分たちで「NGポイントを想像する」だけでは限界がありますから、事務局側と直接話ができる「申請サポート会場」を利用してみてはいかがかと思います。

そしてやっと!給付に至りました!

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最初の申請から2ヶ月を経て、汗と涙の末、昨日ようやく入金に到りました。いまご苦労されている企業の申請担当者の方に、弊社の経験談がお役に立ったでしょうか?御社も早く申請が受理されるよう、祈念しております!  (RYU)