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【まとめ】コロナウイルス関連の広告をまとめてみたら、各国の国民性が見えてきた。

こんにちはRYUです。3月も下旬になりましたが、未だに世界中でコロナウイルスが猛威を奮っていますね。どこに行くにも感染の危険を考えねばならない生活に疲れてしまいますが、欧州やアメリカの状況を見ると、まだまだ油断はできません。もうしばらく、不便な生活に耐えましょう。

さて、コロナが中国以外の国に拡散してから2ヶ月程が経過した現在、コロナにまつわる「広告」が海外を中心に見られるようになりました。今日はそんな各国の「コロナ関連広告」をまとめて紹介し、比較してみたいと思います。

最初はタイトル画像の「コカ・コーラ」の広告です。NYタイムズスクエアで掲載されたデジタルサイネージなんですが、キャッチコピーがうまい。

" Stayng apart is the best way to stay united ” 

あまり英語は得意じゃないんですが、直訳すると「協力して暮らすベストの方法は、離れて暮らすこと」でしょうか。「協力してくらす事」と「アメリカ(United States)で暮らす事」の意が掛け合わされています。押し付けがましくない、スマートな愛国心の表現だと思いました。

次に、「コロナと言えば・・」の大本命?コロナビールの新商品ローンチ広告です。2月に発表されたアメリカで掲載されたらしい広告なんですが、これもキャッチコピーが奮ってます。

" Coming Ashore Soon ” 

直訳すると「もうすぐ上陸!」(汗)。病気のほうのコロナは既に上陸しているので、日本人なら絶対「自粛」になる表現です。でも、メキシコやアメリカでは、ポジティブに「ウイット」として捉えられるんじゃないでしょうか?こんな状況でも明るさを忘れないトーン&マナーに、個人的にはむしろ好感を感じます。

さらにもっと明るいのが、アメリカ国内のAir bnb(民泊)を紹介したこちらの記事。

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https://www.businessinsider.com/airbnb-hosts-advertising-coronavirus-free-hideaways-amid-panic-2020-3

こちらRyanさんの宿は、「コロナから脱出!」「トイレットペーパーあるよ♪」というのが売りになっています。確かに周囲の環境を見る限り、ウイルス感染の可能性はほとんど無さそうですね。こんな楽しい表現でも、日本では批判される可能性があるんじゃないでしょうか。

次は、いま最も深刻な感染状況にあるイタリアの事例です。ファッション雑誌「Vanity Fair」イタリア版」は、3月11日発売号を「コロナウイルス特集号」として発行。ファッションの中心地、ミラノが所在するロンバルディア州では、何と無償で配布したそうです。誌面の内容については、以下から確認ください。

ジョルジオ・アルマーニ、ミウッチャ・プラダ、ドルチェ&ガッバーナ等、ミラノのモード界の重鎮たちがコメントを寄せています。共通するのは、皆さん極めてポジティブであり、かつコメントにパワーがあること。

この方々のコメントで直接ウイルスが退治できるわけでは無いのですが、疲弊するミラノ市民に、精神的にパワーを与える効果は絶対にあると言い切れます(私見)。特に最長老・御年85歳のアルマーニのコメントは圧巻なので、ぜひ一読ください。

さて最後は我が国、日本なんですが・・・これまで見て頂いた欧米の事例のように、「コロナウイルスを正面から捉えた広告」はほぼ見当たりません。ネガティブな状況では横並びで「自粛」になりがちな、日本人の価値観を反映していると思います。こういった局面で慎重であることは勿論悪いことではないのですが、困難な局面でもどこか「明るさ」を忘れないアメリカや、正面から問題解決に立ち向かう「強さ」を見せるヨーロッパと比較すると、価値観(というか国民性?)の違いは明らかです。

そんな「広告自粛」の色が濃い国内において、コロナと正面から立ち向かう広告は無いのか?と思い探したところ・・・ありました!

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化学工業メーカー「アイカ工業」が2月27日に出稿した新聞広告(全15段多色)です。こちらの商品「ウィルテクト」は表面に付着した特定ウイルスを減少させる効果がある抗菌・抗ウイルス型の化粧版で、衛生に対する要求レベルが高い医療・介護・教育施設での活用が見込まれているようです。防疫への関心がMAXなタイミングですから、出稿時期はベストですね。

ひょっとするとアイカ工業の内部でも、「このタイミングで大規模な広告は自粛したほうが良いんじゃないか?」という議論はあったかも知れません。しかし、「ネガティブな状況下でもポジティブな訴求ができる」可能性を示したこの広告は、建築業界や広告業界に、少なからず力を与えたのではないかと思います。日本国内においても、そんな力を持った広告が増えてほしいと思います。 (RYU)