早めの夏休みに行ってきました(DAY4:竹富島ディナー)
こんにちはRYUです。石垣島→竹富島→沖縄本島を巡った早めの夏休みの4日め、今回は「星のや竹富島」のメインダイニングで頂いたフレンチ・ディナー「島テロワール」を紹介します。失礼ながら食べる前に「離島の食事に大きな期待はできないのでは?」なんて思っていたのですが、そんな予想を遥かに超える、素晴らしいコース料理でした。
メニューは1択
前日に予約して入店したのですが、コースで食べたい場合の選択肢は看板メニューの「島テロワール」1択でした。「島テロワール」は総料理長である中洲さんが、フレンチをベースに沖縄・竹富島の食材を駆使して創作したコース料理。期待が膨らみます。
まずはオリオン・ビールで乾杯して待機。テーブルにコース・メニューが届いたんですが・・・
なんと全部で9皿!あります(表記は8皿ですが、9皿になる理由は後ほど)。フレンチで一般的な「前菜→スープ→主菜(魚)→アミューズ→主菜(肉)→デザート」という流れではなく、沖縄/竹富島の食材を1皿ずつ紹介する流れになっており、その中に肉・魚・野菜・スープといった要素が含まれています。この時点で感心しました。
そして、おそらく一皿=一口くらいの量だろう・・・と思ったのですが・・・この予想も大きく裏切られることになります(汗)。では、この日の全メニューを画像つきで紹介します。
1皿め カツオとにんにく
まずは最初の「カツオとにんにく」の一皿。この状態で登場するんですが・・・フタになっている器を開けると、スモークされた香りが発ちます。
味覚だけでなく、視覚と嗅覚も刺激する、食べる側を覚醒しようとする面白い一皿です。
2皿目 山羊とフーチバ
こちらも凝った一品。緑色のフーチバ(ヨモギ)を効かせた粟(アワ)に挟まれているのは、生の山羊肉。邪魔しない程度にナツメグ系のスパイスも入っていて、フレンチのタルタルステーキを思わせる仕立てです。山羊特有の畜肉臭は皆無で、サワークリームもよいアクセントでした。
3皿め 車海老と人参
こちらは竹富島で養殖されている特産の車海老と、これまた特産の島人参の組み合わせ。鮮度のよいエビの甘さと、人参の甘さがよく合います。上に乗っかっているのは、小エビを擦り込んだ海老せんべい風のアクセント。柔らかい食材の中に、カリカリの食感の食材を合わせたセンスを感じます。このへんでビールを飲みきったので、ハイボールにチェンジ。
4皿め 島菜とサザエ
こちらは竹富島で栽培されている長寿草をポタージュに仕立て、近海で捕れたサザエを合わせたもの。サザエの出汁が強く出ていて旨い!夏なので熱すぎない温度加減も、よく計算されています。スープでありながら具が多くて、前菜にもなる一品です。
5皿め スギと青豆
次は主菜の魚にあたる一皿。「スギ」はスズキ目の魚で、本土では通称「琉球スギ」と呼ばれます。白身なんですが、しっかりと脂があり、アミノ酸の旨味もギュッと濃縮された旨い魚です!表面の黒い粒は粟くらいの大きさの雑穀で、地元産の青豆の甘みとともに、淡白な白身の魚に一工夫した風味を加えています。
ちなみに、このへんで自家製のパンも出てきました。バゲットの形ですが、表面の硬さは全くない柔らかいパンです。個人的にはもちょっとしっかり皮の厚みと風味があったほうが好みですが、シニアが多いこちらのダイニングでは、これが正解だと思います。ちなみにバターではなくオリーブオイル&バルサミコが付いていて、一貫したヘルシー志向です。
6皿め ジーマーミ豆腐のレモン&クリーム仕立て
さて、メインの肉の前に、ここでメニューにないアミューズが登場しました。地元産のジーマミー(ピーナツ)豆腐と、これまた地元産レモン・生クリームを合わせた一品。ジーマーミ豆腐のモッチリ感に、爽やかなレモンの風味とクリームのフレッシュ感。この1皿だけでも、また食べたくなります(笑)。
噂のホスピタリティに驚く
さて、ここまで食べたところで、一つ気付いたことが。こちらの画像を見てお分かりになりますか?
手前が私、左が奥さんのお皿なんですが・・・スプーンの位置が左右逆になっています。実は私は左利きなので、いつの間にか?リサーチしてフィードバックされていたわけです。フォーク&ナイフだけなら、右利きも左利きもフォークが左なので気づかなかったと思います。
担当の女性に「いつ左利きに気づいたんですか?」と聞いたところ、驚くべき回答が帰ってきました。
「チェックイン時にペンで宿帳に記載されている時に、お客様の利き手が左であることを情報として共有させて頂きました」とのこと。
夫婦揃って驚いたのは言うまでもありません。噂には聞いていましたが、星のやのホスピタリティは凄い(というかエモい)と思いました。
些細なことですが、ひとつの体験として記憶に残ると思います。
さて、感動したところで赤ワインを召喚してメインの肉料理に備えることにします。
7皿め 牛肉(ポーポーとちんすこう)
肉料理は牛か豚か?選べたので、両方一つずつオーダーしました。こちらは牛肉です。石垣牛のヒレステーキを覆っているのは、なんと地元産のちんすこうを砕いたもの!肉にちんすこうなんて邪魔では?と思ったのですが、塩味に与える僅かな甘みが、肉の旨味と重なって旨いです。つけあわせの春巻き状のものは沖縄のお菓子「ポーポー」を模したもので、豆や黒米が巻かれています。
7皿め 豚肉(低温調理豚とアセロラソース)
こちらは沖縄産のアグー豚に、フレッシュな地元産のアセロラをソースに添えた一品。流行の「低温調理」で旨味を閉じ込めた豚肉の表面には、あえて焼き目が付いています。香ばしさを出すための工夫らしいのですが、こちらもまたセンスの良さを感じる一皿でした。かなり多め?に入っていたグラスワインも、ちょうど空になりました(笑)。
8皿め 島バナナ・ジーマーミ豆腐・パイナップル
デザートも見た目はコンサバ・・・ですが中身は秀逸でした。左側は、ちょうどこの頃、旬になった石垣産パイナップルのソルベ。右はジーマミ(ココナツ)豆腐と島バナナのペーストが入ったドルチェです。もはや言葉で表現できない旨さだったので、ぜひ現地でお試しください。
9皿め チョコレートとマンゴーゼリー
そして最後はチョコとマンゴーゼリーで終了。食後の飲み物はあえてコーヒーではなく、地元産のハーブティーを頂いたら大正解。アニスの香りがして、スパイシーで美味しかったです。
料理長登場
そして食後には、なんと料理長の青木さんが各テーブルご挨拶に。総料理長の中洲さんとともに季節ごとのメニューを考案して調理されている責任者で、気さくにお話して頂きました。ご馳走さまでした。
というわけで如何でしたか?星のや竹富島のメインダイニングの夕食コース「島テロワール」は、バターをふんだんに使う伝統的フレンチとは対局にある、フレッシュな地元の素材を使った「ヌーベル・キュイジーヌ」の系統にある素晴らしいコース料理でした。ご覧いただいた通り一皿ごとにサプライズがあり、調理する方のアイデアを感じました。
またここに宿泊してメインダイニングで夕食できるよう、仕事を頑張りたいと思います(汗)。では明日、最後に沖縄本島に1泊して名古屋に帰ります。
(RYU)