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不思議な日韓戦

(トップ画像は 時事ドットコム より)

そういえば、ホームページをリニューアルしました(URLは同じです)
よかったら、覗いてみてください。

さて。3月25日に行われた日韓戦、久しぶりなので楽しみにTV観戦しました。

なんだか、とても不思議な日韓戦でした。

ひと昔前までは、日韓戦といえば異様な空気の中でヒリヒリする雰囲気が流れていて、敵意剥き出しに襲いかかってくる韓国選手の気迫に日本の選手は圧倒されて⋯みたいな感じの試合が多かった。

今でも忘れられないのはフランスW杯のアジア最終予選、日本がホームの国立競技場で韓国と激突したあの試合。
徹夜で並び、ゴール前の自由席で観た、あの試合。

日本で行われる代表戦では、今ではなぜかもうなくなってしまった真昼のデーゲーム。超満員の国立競技場。
試合前の国歌斉唱時、直立不動で韓国国歌を歌う韓国の首相の姿がオーロラビジョンに映った時に感じた、初めて味わう緊張感。

サッカーの試合を超えた何かが始まる。そんな、異様ともいえる空気感だった。

山口の伝説ループが放たれた瞬間、ボールがゴールに入るまでに止まった時間。その後の歓喜。
あの時の国立競技場の雰囲気はもの凄かった。今でも忘れられない。

しかしその後に逆転されて1−2で敗れ、日本は崖っぷちに立たされることになる。
帰り道の落ち込み様といったら⋯今では懐かしい。

その後はW杯予戦も韓国と同組になることは仕組み上なくなってしまい、天国と地獄のようなあのヒリヒリ感はもう味わえない。これはこれで、かなり寂しい。
日韓がフル代表の公式戦でガチンコ対決したのは、2011年アジアカップの準決勝が最後なんじゃないかな(知らんけど)

やっぱり僕らの世代までは、サッカーにおいての韓国コンプレックスは根強いんですよ。
あの頃コテンパンにやられ続けたトラウマが今でも残っているし、今でもまだ「韓国戦」となると、身構えてしまう自分もいる。

だからなおさら
25日に行われた日韓戦、TVで観ながら、ずっと不思議な感覚に包まれていた僕なのでした。

僕の最近のnoteを読んで下さっている方ならばご存知かもしれませんが、僕は最近韓国語を勉強していて、K-POPにハマり(特にTWICE)韓国そのものに興味も出てきて、正直言って、韓国らぶ状態です。

だからひょっとしたら今回の日韓戦も韓国を応援してしまうんじゃないかという思いでいたけれど、さすがに始まってみれば、山根のゴールに「おぉ!」と小さくガッツポーズをしている自分がいて、少し安心したり。

でも
そんな韓国びいきな自分の心情を抜きにしても、あんなに怖くない、そして覇気がない韓国代表を観るのは初めてだった。

もちろんソン・フンミンやファン・ヒチャルがいなかったということはあるけれど、何かこう⋯メンバーどうこうではない、どんなメンツだろうが日本相手ならば死ぬ気でやるぞ俺たちは、みたいな気概を昔の韓国代表はどんな試合でも見せていたと思うのだけれど、それがこの試合では、少しも感じられなかったというか。

気のせいだろうか。韓国のユニフォームがピンクの可愛い系だったからそう感じてしまったのだろうか。
いやユニフォームに関していえば日本は韓国を超えるレベルで今のユニが事故レベルに相当カッコ悪くてダサいから、それは関係ないか⋯
(頼むから早くデザイン替えてくれ)

コンディション云々は当然あるとは思うけれど、それを差し引いても、ちょっと意外でした。

そして何より、日本の選手達が思った以上に逞しかった。
コロナ禍での特別な一戦。この試合をやる意味。当然それは空気として選手達は感じていただろうし、きっと協会レベルや森保監督からも、そういう話はされていたはず。

だから日本の選手達は、すごく気負っているように見えた。闘志が溢れすぎて止められない、というように見えた。

でも、でもでも
ここからが僕の不思議な感覚Part2なんですが、日本の選手達、間違いなく気負ってるけど、さらに

間違いなく、1ミリもビビってなかったんですよ。

それはプレーからも表情からも、何というか⋯醸し出す佇まいからも感じられた。さらに言えば、1点取ろうが2点取ろうが3点取ろうが、全然緩んでない。あの気負いがずっと保たれてる。

けど、決して全力も出してない感じ。韓国の選手達が日本選手の全力を引き出せてもいないし、日本の選手達は、まだまだ余力を残しながらやっているような、そんな感じ。気持ちは昂ってるけど、プレーは冷静にできる。というような。

「韓国は別に怖くもない」
「普段プレミアやセリエAで戦ってる奴らと比べたら楽。決して手は抜かないけど」くらいに思いながら、試合を楽しんでいたんじゃないか。

「もう一段階上げようと思えばいつでもできるけど、さぁどうしようか」

なんて意識はしていなかったと思うけれど、彼らのプレーぶりや佇まいは、間違いなくそれだった。親善試合とはいえ、昔の日韓戦を知る身としてこれはもう隔世の感…本当にビックリした。

海外組だけでなく、国内組も同じ。Jのレベルが確実に上がっていることも、この試合では感じることができた。

もう、今の代表の中核を担う選手達にとっては韓国コンプレックスなんて微塵もないんでしょう。
僕らおじさんだけが、まだ昔の幻影に引きずられて勝手にピリピリしちゃってる感じ。いやはや、恐れ入りました。代表戦を観て、久しぶりに「俺たちの代表。逞しいなぁ」と思ってしまった。

次はアウェーで、できればコロナ禍も落ち着いてのスタンド超満員の中でやってほしいね。昔ずっと行われていた日韓定期戦、また復活してくれないだろうか。

note、2日に一度のペースで更新しています。アーカイブは こちら から。



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