すごいアドリブ力!192「逆境を超えるアドリブ力ー安藤忠雄さん(建築家)」
こんにちは、くらです。
ここで取り上げるアドリブ力とは、「咄嗟の判断・対応によって、自分を含め周りの人たちも幸せにする力」と定義します。
このブログは、今まで困難を乗り越えて自分の道を切り開いて来た方々の、困難に出くわしたときに発揮されたと感じるアドリブ力を取り上げ、人生をより豊かにするための参考にしていただければと思い、発信しております。
クイズ
建築家の安藤忠雄さんは、経済的事情と学力の両方の理由で大学にはいかなかった。自分で勉強しようと、朝から晩までずっと勉強した。そのときに祖母から言われた。
「おまえは学校へ行ってない。ハンディキャップがある。でも、ハンディキャップは意外といい。○○○から」
〇に入る言葉は何でしょうか?
[こたえ]頑張る
まえがき
日本を代表する建築家であり、東京大学特別栄誉教授でもある安藤さん。すごい学歴があるんだろうな、と思っていましたが、実は大学を出ていない、努力の天才でした。どんな努力をしてきたのか。
一度は死に物狂いで物事に打ち込んでみる
安藤さんが中学二年の時だった。自宅を改築作業していた若い大工さんが、昼休みと取らず、パンをかじりながら一心不乱に仕事をしていた。その真剣で、仕事に誇りを持って働いている姿を見て、自分も建築の道に進みたいと思った。
でも、それは、簡単な道ではなかった。
「家が貧しかったから、早く稼いで祖母を楽にしてあげたいと思ってました。高校生の時に双子の弟がプロボクサーになったこともあって、ボクシングジムを見学したら、当時サラリーマンの給料が1万円の時代に、四回戦のファイトマネーが四千円なんですよ。喧嘩してお金くれるの?こりゃええなと。
1か月くらい練習してプロになったんですけど、後に世界チャンピオンとなるファイティング原田が練習に来た時に、圧倒的なレベルの差を実感しました。才能というのはあるんですね。それでさっさとやめました。
経済的な事情と学力の両方の理由から大学には行けず、建築の専門教育も受けられなかった。ならば自分で勉強しようと、十九歳の時に、建築学科の学生が四年間かけて学ぶ専門書を一年で全部読もうと決心し、毎朝九時から翌日の朝四時まで机に向かいました。
睡眠時間は四時間。四月一日から翌年の三月三十一日まで、ほとんど外出もせず、無我夢中で勉強したんです。
『おまえは学校へ行ってない。ハンディキャップがある。でも、ハンディキャップは意外といい。頑張るから』と祖母が言ってましたけど、いま振り返るとその通りだと思います。
その後、昼はアルバイトをし、夜は通信教育で建築やデッサン、グラフィックデザインなどを手当たり次第に学び、休みの日は奈良や京都へ行って、東大寺や法隆寺といった壮大なものから茶室のような小さなものまで、ありとあらゆる伝統的な建築を見て回る生活を送りました。
(中略)
若い頃に、一度は死に物狂いで物事に打ち込んでみることが必要です。目標を定めたら何が何でも達成するんだという意志を持たないと。独学であっても、強い覚悟と実行さえあれば道は開ける。これは私の実感であり、体験を通して掴んだ一つの法則です。」
(『1日1話 読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』藤尾秀昭(到知出版社)より引用 P50)
あとがき
以前、ハングリー精神、という言葉をよく聞きました。今はほとんど聞かなくなった。なぜか。
勝手な考えですが、将来の夢、というものが、感覚として薄らいでいるからではないか。夢、というと、ワクワクして、それでいてなんだか得体のしれないもの、険しい道の先にたどり着くもの、という感覚だったような気がします。
なぜかというと、たどり着く先が、今はほとんど見えてしまう。情報がたくさんあって、こうしたらこうなる、ならば、こっちへ行ったほうが簡単だ、という感じ。
途中の余計なことを省ければ、とても効率的な話です。効率という言葉は、個人的にはあまり好きではないのですが、今の競争社会では、スピードと効率が求められるのはしかたのないこと。
のんびりやっていると、ライバルに先を越され、道が断たれてしまうこともある。私も個人的に、面倒臭がりなので、余計なことはしたくない。でも、早道ばかり選んでいると、自分の頭と体を使う機会が失われ、いつかは、自分一人では何もできない人間になるかもしれない。そんなことを考えてしまいます。
ニュースでパブロ・ピカソの娘さんが相続税に対処するため、父親であるピカソの絵を美術館に寄贈した、という話をしてました。それで10億円とか20億円とかの対処ができる。
それだけでもすごい話ですが、ピカソが90年の生涯で作成したものは約15万点にのぼるとのこと。そのバイタリティは人間離れしていると感じますが、なにが彼をそうさせたのか、と考えるとき、夢、とか、道、などの言葉が浮かびます。
一心不乱、死に物狂い、というのは実践であり、その人なりの覚悟や意志がある。そして、それは、夢、道につながるかもしれない。ピカソがどう思っていたのかは知りませんが、安藤さんの歩んだ跡を見ると、共通なものがある気がします。
今回もお読みいただきありがとうございました。
今日の一言
「今日の一言:逆境を超えるアドリブ力は、死に物狂いの実践によって磨かれる」
今日の「みんなのフォトギャラリー」
いつも「みんなのフォトギャラリー」からすてきな画像を拝借しております。今回は、あふれでる ✯*・☪.。 bhleuさんの画像です。ありがとうございます。
空間を埋めていく色と音のアドリブ。
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