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人生を切り開く言葉6「一家仁(いっかじんなれば)なれば」

こんにちは、くらです。

一家仁なれば

「一家(いっか)仁(じん)なれば、一国(いっこく)仁(じん)に興(おこ)り、一家譲(じょう)なれば、一国譲に興る」(大学)
一家のなかが互いに仁の心で貫かれると、おのずからその国全体に仁の気風が起こってくる。家のなかで互いに我を捨てて譲り合うところから、国全体が譲り合い、力を合わせていこうという気風が起こってくる
(『人物を創る人間学』伊與田覺(いよたさとる)(到知出版社)より引用 P131)

仁の心とは愛の心。互いに愛があれば組織全体に愛があふれてくる。
そして、譲り合えば、組織全体が譲り合いの精神に貫かれる。
「大学」とは、中国古典の四書(『大学』『中庸』『論語』『孟子』)の一つ。
古典の教えは、現代でもその実用性が実証されている。

日本料亭の老舗、船場・𠮷兆(きっちょう)創業者の孫、湯木尚二(ゆき・しょうじ)さんのお話。
創業者の息子である父から26歳のとき、新しい店の店長を任された。
事業をどんどん拡大している中で事件が起こる。

賞味期限、産地の偽装、料理の使いまわし等々が摘発され、2008年5月に廃業。両親は自己破産。
38歳で職、財産、そして信用と失う。

尚二さんは一時、人間不信で外出のできなくなり、マンションの一室でシール張りの内職をしていた。
そんなとき、家を整理していたらダイエー創業者の中内功さんの著書を発見。本人のサインがあった。

「ネアカのびのびへこたれず」

中内さんも山あり谷ありの人生を生き切った人。勇気づけられた。
そして、その後大変な努力で「日本料理 湯木」をオープン。多くの人に支持されている。

トップの在り方

「ありがたい限りです。あの一件から、トップとしての考え方も変わりました。従業員を信じて信じて、信じ切る。意欲があってうちに来てくれ、自分が選んだ人ですから、叱ることがあっても愛情を持って教育しています。年に3回ほどは、私が幹事を務めて従業員の懇親会も開いているんです。

組織面に関しては授業部制を採用し、調理場や接客などそれぞれのリーダーに任せています。そしてリーダーとは密にコミュニケーションを取りながら、おもてなしへの思いを共有しています。

従業員には誇りを持って働いてもらいたいですし、従業員のご家族にもいい店で働けてよかったと言っていただきたい。その全責任は、トップである私のタクトの振り方次第だと肝に銘じてます。」
(月刊到知2020年12月号インタビュー①「十字架を背負いながら前を向いて歩き続ける」より引用 P40-43)


会社が倒産に陥った原因の一つとして、従業員に対する愛情や配慮が圧倒的に足りず、コミュニケーション不足に陥っていた、と湯木さんは言っています。そして、不祥事は、慢心を気づかせるために、起こるべくして起こったと思う、とも仰っている。

それを命懸けで何とかしようとしていたら、周りの人たちが助けてくれた。これは、先の「大学」の一節そのものではないか。

苦労して、どん底から這い上がる人たちは、結果として、「仁」と「譲」を貫いた行動を起こしている。古典の言葉の真理を見たような気がします。

今回もお読みいただきありがとうございました。


今日の「みんなのフォトギャラリー」

いつも「みんなのフォトギャラリー」からすてきな画像を拝借しております。今回は、変なののさんの画像です。ありがとうございます。
水彩と空間のバランス。


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