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すごいアドリブ力!028「運鈍根(うんどんこん)のアドリブ力」

こんにちは、くらです。

(いつも「みんなのフォトギャラリー」からすてきな画像を拝借しております。今回は、imaoikiruさんの画像です。ありがとうございます。)

一つのことをずっと続ける。職人、プロフェッショナルの人たちは、ずっと一つのことを続けている人が多いと思います。どうしたら続けられるのか。
作家の曽野綾子さんが仰っています。

「私は仕事を始めたのが23歳なんですよ。いま87歳(2018年11月)ですから、64年も同じ仕事を続けてきました。辛抱だけはいいんです。よく『私は30年やってきた』っておっしゃる方がいますけど、『まぁたった30年、私はもう65年近いわよ』って言ってます。続くっていうことは一つの”くだらない才能”ですね。職人は続かないといけない。

京都の西陣で大変お顔の利く方と、ある会でお会いしてお友達になったんですね。いろんなお話をして、『私はとにかく何年でも一つ事ができるんです』って言ったら、『西陣織で欲しいのは曽野さんみたいな人だ』と(笑)。機織りでも農業でも何でもいいんですけれども、とにかく一つ事の仕事を続けられる人間でないとダメらしいですね。

(中略)

昔、ある有名な作家の方に編集者が『小説家に向いている性格って何ですか?』って聞いたら、『そりゃあ、運鈍根さ』っておっしゃった。

(中略)

いい言葉ですよね。運と鈍と根が三つ繋がっていない人間はダメだって。私もそう思います。自分に才能がなくてもあまり気にせず、何とかなるんじゃないかと思って、ひたすらやり続けるのがいいんですよ(笑)。

(中略)

私は昔から『くれない族』と定義してますけど、青年でも中年でも『~をしてくれない』と言い始めた時から、既に精神的な老化が進んでいる。それは危険な兆候だと思って、自分を戒めたほうがよろしいかもしれません。他人が『~をしてくれない』と嘆く前に、自分が人に何かしてあげられることはないかと考えるべきです。

(中略)

私はオペラが好きなんですけど、オペラの語源はラテン語で『仕事』っていう意味なんです。だから、オペラは大勢でつくり上げる一つの仕事なんですね。主役はいるけれども、主役一人でオペラはできない。それぞれが過不足ない役割を与えられて、その持ち場で丹誠を込めていくから素晴らしいオペラになる。

いまはそれを間違って考えて、自分のしたいことをすることが自己を育てることのように思う人がいるので困りますね。自己を丹誠するにはまず一生懸けていいという目的を持ってなきゃいけない。

その目的に向かって、どういう人間に自分を仕上げたいのか。人間はもちろん脇道に逸れる時間も必要ですけれども、やっぱり自分を訓練していくと同時に、自分も他者のために、少し手助けする気持ちを持つことが大切です。」
(月刊到知2018年11月号インタビュー『自己丹誠こそ幸福への道』曽野綾子より引用)

ひたすら続ける。そこに必要なのは、目的。なんのために、誰に貢献できるのか。人はそのために懸ける時間が大切で、その時間が人を、その人の道を作っていく。才能があるかないかは関係なく、何とかなると思いながら、運と鈍と根をつなげていく。運は、鈍と根で作られていくのではないか、そんなことを思いました。

今回もお読みいただきありがとうございました。

「今日の一言:アドリブ力は、運鈍根で磨かれる」


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