管理する必要がない人を採用する。700人規模の会社経営者が考える採用スタイル
アディッシュは、現在グループで700人を超える組織になりました。
事業の拡大に伴い避けては通れない道、それが「採用」です。
どの会社も、自社に合った良い人を採用したいと思っているはず。
今回は、アディッシュで採用する際に、私自身、どのように見極めをしているのか、採用活動をする上で大事にしていることについてまとめてみます。
採用したい人が持つ、定性的な能力を定義する人
アディッシュで採用活動をしていく中で、私自身は、特に以下の2つに当てはまるかどうかを見極めています。
ただし前提として、アディッシュのミッションとビジョンに共感できないというのは対象外です。
まず何よりも、会社の一番根幹にある考え方に合うかどうか。
これは前提です。その上で、以下の2つを大事にしています。
1. 「ひとつその先」に思いを馳せることができる人
事業推進というのは、課題解決のプロセスでもあります。課題を解決するときに、対象のひとつ先であるステークホルダーに対してまで思考が及ぶといいな、と思います。その方が、より根本的な課題解決に向かうことができるからです。
他にも今の業務をそのままやるだけではなく、ひとつその先を見据えて業務を変えていくことができる、というのも非常にいいですね。
ステークホルダーのような水平的なものにしろ、時系列のようなものにしろ、対象の「ひとつその先」に思いを馳せることができればできるほど、広がりのもった事業推進ができるなと思います。
たとえば、今、当社には営業職で採用して結果を出している人がいます。
その人は、上司から何か依頼があるとかそういうわけではなく、事業部の垣根を超えて、職能間の垣根を超えて、チームでクライアントに提案をすることで大きな成果を上げています。そういうパフォーマンスは見ていてとても頼もしく映ります。
2. 管理する必要がない人
私の好きな言葉の一つに
「その人に対して管理をしなければいけないとしたら、何か採用時点で間違っているかもしれない」
というものがあります。もし何かの業務管理をしなければ心配だ、と自分が感じているとしたら、その人は理想的な人材ではないかもしれません。
時にリードすることはあっても、本当に信頼している人に対しては管理しないですよね。その人に対して心配な要素があるから管理してしまうんです。逆に言えば、管理する必要があるかどうかは、採用が成功したかどうかの指標になると考えています。
これは、どんな組織でもマネージャーの方なら、一つ二つは思い当たる節があるのではないでしょうか?それくらい汎用性ある指標です。
例えば、アディッシュのデザイナーで管理せずとも自ら動いてくれる人がいます。
そのメンバーは、プロダクト開発に携わりながら、アディッシュ全体にもデザイン思考を広げた方が良いと声を挙げてくれて、委員会を作る動きもしてくれました。そんな自ら考えて行動できるメンバーが多く集まる組織を常に目指していきたいと思います。
見極めるために面接でよく聞く質問
アディッシュは、採用時に必ず何人かで面接しますし、私やマネージャーはもちろん、より一緒に働くチームメンバーとの面接(というより面談ぽいですが)もプロセスとして大事にしています。
その中で、幾つか気に入っている質問を4つほどご紹介します。
①どのような決断を迫られたことがありますか?
「ひとつその先」を考えられて、管理する必要がない人材は、概して責任やリスクを自ら取って動く力があるはず。
それを確かめるのに、この質問は有効です。
ここで聞きたいのは、どの程度深い決断をした経験があるのかということ。そしてそれが自分で下したかどうか。それが深ければ深いほど、自分で責任を取りに行くタイプだと分かります。
②自分、チーム、組織において、なりたい姿を描いたことがありますか?
上司から部下に目標を与える会社も多い中で、自分で具体的に目標設定して、未来像を描いた経験がない人も多いはず。
一方、アディッシュでは、自らゴール設定をすることを大事にします。
その力があるかどうかを聞くのが、この質問です。
仕事ではなくてプライベート的なものでもよいのです。
どのようなプロセスを踏んで、そして何を大事にしてゴールを設定したのか。高い目標を掲げるのか、メンバーと対話をしながら設定するのか。
その人のやり方が見えてくると思います。
③利害関係が一致しなかった過去の例を教えてください
会社や仕事というのは矛盾だらけだと思います。
あれもこれもやらないといけない。その中でどのように振舞って、どう解決するのかを知りたい。
当然ですが、問題を生み出すよりも、解決する人であってほしい。
だから、利害関係が一致しなかったときに、「どうしたのか」を質問しています。
④あなたは、どんなことに恐怖を覚えますか?
「仕事をする上で何が怖いか」という質問もよくします。
何に対して恐怖を感じるのか?この答えにはその人の価値観が反映されていると思っているからです。
「自分が手持ち無沙汰な状態が怖い」
「クライアントに怒られたくない」
というような、さまざまな答えがこれまでに出てきました。
私自身は、自分が見えないところで、自分の将来の目標を実現するチャンスを逃しているのが怖いです。目標に向かっているつもりでも、最適な手段を見落としていたり、落とし穴に気付けなかったり、という事態を恐れていて。この領域は伸びると思ったのに、実はこっちだったのかと後になってハッとしたり。重大な盲点に気づいたときに怖さを感じます。
アディッシュに合う人・合わない人
採用情報には「自社に合う人」について記載することが一般的ですが、今回はあえて「合わない人」からアディッシュに向く人材を考えたいと思います。これはミスマッチを無くす上でもいいかもしれません。
色んなものが整っていないとダメな人
アディッシュという会社の基本的なスタンスは、自分で、自分たちで作っていくということ。
潤沢に全てをこちらから用意することが出来ない分、環境が整っていて、全てを与えられないと動けない人にとっては正直不向きでしょう。
足りないものや課題があっても、それを解決・解消していくプロセス自体を楽しめる人がいいなと。
チームアクションが嫌いな人
たとえシングルタスクだったとしても、仕事はチームや関係者と一緒にやることが多い。それが嫌な人、自分の仕事だけ完璧にこなせばいいという考え方の人はあまり合わないと思います。チームで動くことが好きで、利己心だけで動かない人が私たちの会社にはフィットしている印象です。
今回は、アディッシュで求める人物像と面接でよく聞く質問、そしてアディッシュに向かない人について書いていきました。
アディッシュにご興味のある方は、ぜひ一つの参考にしてもらえればと思います。
そして「ひとつその先を考えたくて、管理よりは自分たちで何かを生み出したくて、チームで働くことの方が好き」という方はぜひ、アディッシュのサイトを訪れてもらえると嬉しいです。
https://www.adish.co.jp/recruit/