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予測不可能な現代における事業戦略の「問い」とマインド

事業を推進する責任者として、未来をどのように予測し事業戦略を描くのかは常に課題です。予測不可能性の高い現代、私自身がどのようなやり方で未来予測をして、アディッシュで実際にどうしているのかをお伝えしたいと思います。

と、本題に入る前に、、、
今日10月1日は、アディッシュの創立記念日で5周年を迎えました!

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私の中では、一言で言い表すことができない感情が、あります(笑)。
何より、本当に人に恵まれてここまでこれたし、さらに次なるチャレンジに向かっている。
それは何よりも嬉しいし、有り難いことだなあ、とつくづく思います。
今後も、私たちの提供先であるユーザー、クライアントにとって「今までよりひとつ進歩できる」ようなサービスを提供し続けられるようにしたいと思います。

未来予測には良質な問いの設定から

本題に戻りますね。

事業計画を立てるからには、当然、事業の未来を考え、市場を予測することになります。一方で、現代は予測不可能性が高い時代であり、実際、未来を予測するなんて、正直誰にもできない。

未来は予測できず不確実性も増す時代の一方で、事業は計画しないといけない。

こういった、ある意味、矛盾したものを抱えながら、責任者は意思決定をしているのだと思います。

このような中で、事業の未来について議論する場合に、最近いいなと思っているのは、「良質な問いを立てること」です。

全部をご紹介することはできませんが、
例えば、先日、アディッシュでは、ある事業の未来について議論する機会がありました。
「5年後のスタートアップ企業はどんなネットコミュニティを作っていると思うか?それは何故で、どのような技術動向の前提なのか?」
「その中でアディッシュはどのような部分に関わっていきたいか?」
「アディッシュのサービスで、想定していなかった使われ方をしているものには、何があるか?」
「それを掘り下げていくと、どんな課題が見えるか?」
など、様々な問いを用意しました。

最初は「問い」だけ立てて、回答はしません。
先にやるのは「問い」をブラッシュアップすること、です。
よい「問い」であればあるほど、よい議論ができます。
回答をするのはその後です。
少し時間を置いた後にやります。

時間を置くことで、冷静にというより一種冷めた視点で物事を考えることができます。(この「問い」の時間と「回答」の時間を分けるのは、結構オススメです!)
これらの「問い」と「回答」をもとに、事業の未来について考える時間を取ります。

このような問いかけの仕方は未来学の専門家からヒントをいただきました。
色々な質問を用意しておく。それを色々な業種やセクターにあてはめて考えてみる。
個別にそれらを考えた後に、統合してみる。
そういうやり方を取ることがあるそうで、応用してみたのです。

ちなみに、私は未来学的な本や歴史的な流れの書いてある本が結構好きで、マット・リドレーの「繁栄 ーー明日を切り拓くための人類10万年史」という書籍や、ミチオ・カクの「2100年の科学ライフ」など面白いです。


未来予測の前提を明確にして、スピーディーに変化できる組織を作る

上のような未来に対する考えを出して、統合して事業計画をまとめていくわけですが、その上で、社内でよく出てくる注意点が、以下の2つです。

1.事業プランを立てるときは、前提を明確に
2.スピーディーに変えられる組織にすること

1.事業プランを立てるときは、前提を明確に
プランは大事ですが、究極のところ未来は誰にも予測できない。プランにこだわりすぎず、その予測を行った前提をクリアにしておくこと。
事業計画を説明する場合には、そのプランだけを話すことが多いと思います。一方で、実際にその事業を進めていくメンバーの中では、そのプランを考えた背景や前提について共有することもとても大事。
前提が変わってしまえば、プランも変わらざるを得ないからです。今の結論を導き出したのは、どんな前提の元なのか、は意識しすぎても損はないように思います。

2.スピーディーに変えられる組織にすること
未来予測はあくまでも予測、前提が変わればプランも変わる。そして、変化が起きた時に柔軟に動ける組織であればあるほど、今の時代は強いのかな、という風にも思います。

アディッシュでは、特にリーダー層では、「1」の予測の前提を共有することや変化していくものだ、という意識は徐々に根付いてきました。
しかし、「2」のスピード感を持って柔軟に動ける組織になれているかについては、人数が500人を超えていることもあり、まだまだ改善の余地がある状況だなと感じています。

マネージャーに持ってほしい勇気とマインドチェンジ

スピーディーに変化できる組織になるには、マネージャーの影響が大きい。私が思う、マネージャーに持っていてほしいマインドは、この2つです。

1.前提を変えることを厭わない勇気を持つこと
2.元の自分の意見と違ったとしても、合意した後は、合意事項に頭を切り替えること(マインドチェンジ)

確実な未来予測は誰にもできませんが、組織はチームですから、チームとして向かう方向があるわけです。議論しチームとして意思決定したならば、例え自分が元は異なる意見を持っていたとしても、チームとして合意した方向に動かないといけません。

決定事項に対してもやもやして実行スピードが落ちるのは、良くないですよね。チームとして動いている以上、全体の意思決定に合意し、素早く切り替えて行動を起こす必要があります。

私がマネージャーだった時、マインドチェンジがうまくできないことがありました。
当時、私はモニタリング事業で新しい市場に参入するかどうかを決めかねていました。
チームとしては、新規参入しようという意見とそうでない意見もあり、結局、私が躊躇してしまい、結果としてそのときに参入はできませんでした。
しかし、現在その市場は確実に伸びており、その大半のシェアをライバル企業に奪われています。あの時、チームとして合意し、素早く動いていればこの大きなチャンスを逃すことはなかったなと、今でも悔しい思いが残っています。

マネージャーがどのようなマインドを持っているかで、組織は変わります。

「事業プランの前提段階を共有すること」
「スピーディーに変えられる組織を作ること」

この2つは、事業責任者として大切にしたい考え方だと思っています。


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