別れた恋人へ その海の話
noteをご覧の皆様ありがとうございます。
こんな僕の文章を読まれる事が、幸か不幸か分からないですが、反面教師という言葉もあるし、何より時間がどれだけあるのか分からないので、また書かせていただきます。ご容赦ください。
別れた、愛する人へ。
君は、映画がとても好きでした。映画を好きで観られる人は、きっとやりきれない想いを抱えているに違いない。日々を、どうして良いか分からないから、それがキッカケで観はじめたのだと思います。
映画。
僕は、若い頃にはよく観たけれども、最近は、あんまり観ない。いまは観たい気もする。観ている間は、生きているだろうし。
むかし、素敵な映画を観たんだよ。
"ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアー"という映画で、僕はボブディランが好きで、天国にも興味があったから、あとジョジョの奇妙な冒険も好きだったから、タイトルだけで、観てみた。
君も、観たことあるんじゃないかと信じてる。
素敵だった。中でもキーワードとなる台詞が、
『天国では、海の話をするんだぜ』
というものだった。
そうだったのか。知らなかった。海の話を。
僕は、子供の頃に海へ連れて行ってもらった事がない。父親と母親とは争って離れ、旅行をするよな余裕も家に無かった。
また、僕は泳げないので、泳いでも沈んでくので、足のつかない水の中というものが恐怖でもある。あった。またまた、水を首から下に浴びるのがとんでもなく嫌いなので、水恐怖症というのかしらん?水場に自ら近づく事なく生きていた。
そんな話も、した事を、憶えてる?
そんな僕を海に連れ出してくれたのは君です。
その日も朝からSEXをして、僕はフラフラしてたけど、海岸線を、久しぶりに、まともに目にして、眩しいなぁと思いました。その頃は、まだ僕の心も青空を映す事ができたので、キラキラした風景に、かえって戸惑ったものです。
僕ら2人は、泳いだりはしなかったよ。ただ、岩場の方で、君はひたすら貝を拾い集めていました。お味噌汁にするんだって。僕はそんな君を、あらためて、好きだと思いました。
すぐに日は暮れて、翳り、僕らは、帰りました。なぜ、海に連れて行ってくれたのか、分からないけれど、幸福というものを、眩しく僕は感じられた事を、君に伝えたい。ありがとう。ありがとう。ありがとう。
君はたぶんnoteなど知らないから、これを読んでると言う事は、僕は天国へ遊びに行ったに違いない。やっと楽になれたんだ。嬉しいよ。
そこでは、とうぜん海の話をしなくちゃいけない。
先に天国へ還った妹は、海など知らないし、僕も君と観たキラキラした海岸だけが、海だから、少し心許無い感じチャンだよね。
ところ、君は、サーフィンをしていたと言ってた。たくさん海で遊んで、波に乗ったこともある君からは、海の話をたくさん聞ける気がします。
僕も、君がサーフボードに乗ってるのを見たかったです。きっと、胸がザワザワしたり、笑えたりできるに違いない。
またそこで逢えたなら、その時は、その話をたくさん聞かしてほしいな。その時は、とっても優しく聞いてみせるからね。
失うだけのこの世界で、やっと巡り逢えた君をたくさん傷つけた事を、もう一度謝ります。ごめんなさい。僕には出来なかったけれど、幸せになってください。幸福にしてくれる人が、いま、隣に居てくれてると、願ってます。
あはは。あははは。ははははははははは。
海の話を聞かせてね。