心を脱ぐ~外に出す怖さ。
文字に起こしたり、口から話すとどうも本意が伝わらない。
いつからか忘れたくらい長年の悩みだ。どうすれば伝わる?そればかり考えてついついお手本にしたい文章と、自分の現在地を比べてしまう。
昔から物語性やテンポ感、その人らしい背景やセンスのかけらを見つけるのが大好きだ。光る原石を見つけては応援している。伸びしろしか感じないとワクワクする。新しい世界の扉が開く、そのまばゆい灯りが大好きだ。
完成されつつある表現には、新たな発見や視点の違いが楽しみで楽しみで。毎回ウキウキしながら本屋さんや舞台へ足を運ぶ。
そう自分が書けない理由は…表現を見ている分には楽しいのだ。それがプレイヤーになると、途端にウっと声が詰まる。
自分には出来ない。こんなの本当に需要あるの???どうやって出せば響くの?と自信のなさからつい加工技術を追ってしまう。
ライターになりたい。そんな気持ちがふっと浮かんだ。書けば書くほど自分の内面と、読者さんと向き合う時間。
新しく物事を始めると決めた時、最初の一歩はたまらなく怖い。なんなら笑顔は消え、足元がガクガク震えている。きっと世に出ている先輩方も、この怖さを乗り越えてきたのだろう。
一人になると毎回生まれたての小鹿ちゃんのようだ。
そんなビクビクを何年も何年も繰り返しては怖気づいている。
いつも人前では平気なふりをしていた。人前に出ることが内心とても恥ずかしい。正直恥ずかしいという気持ちを一番蔑ろにしていたのか。
一回り成長したとき「こんな恥ずかしさを抱えていたんだ」と笑い飛ばせるようになっていたい。長年そう信じ込ませ、緞帳が上がる瞬間を見守っていた。いざ舞台に上がり照明が当たると眩しすぎて毎回真顔で覚えていない。
今日が一番初心に忠実。なんてハラハラする文章だ。
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