今回の件というのは、
船長という1番の責任者が死亡している可能性が高いため、
怒りの矛先を社長に向けるという間違った構図になっている。
疑問に思う点がいくつかある。
1点目に、
遊覧船に乗った側は、なぜこの会社を選んだのかという点である。
HPで申し込むときに、どんな船だろうとワクワクしながら見たと思われる。
船の画像として、小型船KAZUⅠ・KAZUⅢが表示される。
2点目に、日本小型船舶検査機構(以下:JCI)
の審査は何をやっていたのだろうかという点である。
マスコミ各社はJCIにも突撃しないのだろうか
「沈没は杜撰な船舶審査のせいかもしれませんよ!今のお気持ちを!」
とお得意の突撃インタビューをしないのか不思議である。
また、遺族側はJCIにも説明会を求めるべきである。
審査基準も、遊覧船会社並みの杜撰さが浮き彫りにされるだろう。
過去をほじくるより、
この先1番重要なことは、船のサルベージ問題である。
おそらく知床観光は高額なサルベージ代を払えないので、
サルベージ会社は断ってしまうだろう。
サルベージ問題に関して、
『グラウドファンディング』でお金を募って引き上げればいいんじゃない?
と安易に考える者もいるかもしれない。
仮にお金が集まって、サルベージ会社に持って行っても断られてしまう。
勝手に会社所有の船を動かしたら、窃盗罪になってしまうから無理である。
サルベージを申請する知床観光に直接お金を渡したとしても、
絶対に受け取らないだろう。高額な贈与税がかかってしまうためである。
方法としては、誰かが知床観光を買い取ればサルベージは可能となる。
利益もでないことに億単位の金額を捨てられる奇特な人はいないため、
非現実的な方法である。
水深600メートルに沈んだえひめ丸の場合は、
サルベージに約6000万ドルかかっているという話がある。
これは相手がアメリカ海軍だったから、アメリカの国費で出せている。
今回のは、来月15日あたりから引き揚げという報道だが、
果たしてどうなるのだろうか