『図書館の殺人』

青崎有吾さんの作品。
体育館、水族館に続いて今回は図書館での殺人。
私は青崎さんの館シリーズの中で、この作品が一番好きである。

ある日、図書館で大学生の死体が発見される。
死体の近くにはダイイングメッセージ?が残されていた。
犯人は一体誰なのか。
裏染天馬が躍動する。

犯人の動機が私には理解できなかった。
消去法でどんどん犯人が絞られていくのが、気持ちよかった。
天馬の過去も少しずつわかってきて、嬉しくなった。

印象に残っている文

計画は失敗した。中略
昨日一日でなんとか終わらせようと試みたものの、その結果はどうなったかというと、出だしの一文に要約されているとおりである。

お経のように不審者ギリギリの怪しさで数式を詠唱している者。教科書に夢中になるあまり木とぶつかって目を白黒させている者。「だからさ、『爪でひっかくグロービス』と覚えればいいんだよ」と友達に謎の語呂合わせを披露している者。

「ま、まさか、ディズニーランドは知ってますよね?」「当たり前だ。舐めるな」「よかった」「温泉が有名だよな」「どこと間違えてるんですか⁉︎」

短い髪に、赤みが差した丸っこい童顔。苗字はナスだが、見た目はどちらかというとトマトに近い。

「図書館の空気ってちょっと独特でしょ。それが、なんか特別な場所って感じがして。六冊の上限に合わせて本を選ぶ時間とか、バーコードで貸出処理するときの音とか、古い本を開きながら前にどんな人が読んだんだろうって考えたりとか……そういうのが好きだった」


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