『農ガール、農ライフ』

垣谷美雨さんの作品。

垣谷さんの作品を読むのは『老後の資金がありません！』以来である。

垣谷美雨さんの作品。

農業について知らないことばかりだったので、大変勉強になった。

テレワークが今よりももっと進んでいくと、地方に住む人が増えるかもしれない。そうなったときに、ダブルワークなどで農業をする人もいるだろう。

土地を所有している側にも様々な事情があり、新規参入で農業を行うことは難しいのだと思った。

農業で稼ぐことがどれだけ難しいかが書かれていた。

物語の最初と最後で、上質なワンピースを着て優雅な暮らしをしている60代女性に対する見方が変化したところが印象的だ。

印象に残っている文

あなたは、どうやってこんな優雅な暮らしを手に入れたんですか。すれ違いざまに問い詰めてみたくなる。

泣くな。私が泣くのは人生に成功したときだけだ。そのときが来たら嬉し涙を流すのだ。

「だけど私、二度と企業に勤める気はないの。男の下で働くのは、もう真っ平ごめんよ。この世はいつまで経っても男中心社会だもの。特に日本はひどいわ。子供を持つ母親にとって日本の企業は悲惨な場所よ。子供や家庭を犠牲にせずには続けられないもの」

「男女平等が謳われるようになってから真っ先に変わったのは、実は男性なのよ。女性を守るという最低限の気遣いを一切しなくなったわ」

人の幸せを祝福できる人は、自身が幸せな状況にある人だ。そうでなければ人の幸せを妬んで当然だ。

人生の分岐点は、過ぎてから気づいても取り返しがつかないらしい。