『長い長い殺人』
数多くいる小説家の中で、宮部みゆきさんは私の好きな小説家の一人である。
宮部さんの書いた本で「長い長い殺人」という本がある。
タイトルを見たときには「殺人事件を解決するのに長い時間が掛かる話かな」と考えていた。
読み始めてからすぐに、ページをめくる手が止まらなくなった。
この本の特徴は、語り手が人ではないことである。
なんと、財布が語り手なのだ。
様々な登場人物の財布が各編に登場し、徐々に事件が明らかになっていく。
例えば一章では「刑事の財布」、六章では「死者の財布」、十章では「犯人の財布」というタイトルがつけられている。
財布を語り手にするという斬新なアイデアに脱帽した。
宮部さんは天才である。