『最後のトリック』
深水黎一郎さんの作品。
あらすじに以下のようなことが書かれていた。
ラストに驚愕!犯人はこの本の≪読者全員≫!アイディア料は2億円。スランプ中の作家に、謎の男が「命と引き換えにしても惜しくない」と切実に訴えた、ミステリー界究極のトリックとは!?
「ここまで読者を期待させておいていいのか」と少しは思った。
結論から先に言うと、とても面白かった。
たしかに今までに見た事のないトリックであった。
印象に残った文。
俺の方からお前ら物書きに質問したい。作品を発表するというのは、否応なく毀誉褒貶の渦の中に巻き込まれるということだろ?褒められているうちは良いだろうが、どんな作品だって人間と同じで、万人に気に入られるなんてことは、絶対にあり得ない。
↑ 好みは人それぞれ。
苦虫を噛み潰したような顔でーーと言っても、本当に苦虫を噛み潰した人の顔を見たことなど一度もないので、これもいわゆる文学的クリシェであるが
↑ この表現が文中に何回か出てきて面白かった。