『二十四の瞳』
壺井栄さんの作品。
子どもたちの通学路が5キロということに驚いた。
女性が自転車に乗っていたら「おてんば」だと思われるという価値観が、今とは全く違うなと思った。
大石先生の職場の教員が「赤」だと疑われて、徹底的に捜査されるシーンがとても印象的だった。
大石先生は落とし穴によって怪我をしてしまって、可哀想だと思った。
戦争によって、最後の同窓会で全員が集まれなかったのが悲しかった。
印象に残っている文
その朝、岬の村の五年以上の生徒たちは、本校まで五キロの道をいそいそとあるいていた。
かぞえ年十さいになるまではあそんでもよいというのが、むかしからの子どものおきてのようになっていたが、あそぶといっても、それはほんとうに自由にあそぶのではなく、いつも弟や妹をつれたり、赤んぼうをおんぶしてのうえでのことだった。
「一年から六年まで、わたしはわたしなりに一生けんめいやったつもりよ。ところがどうでしょう。男の子ったら半分以上軍人志望なんだもの、いやんなった。」