小野寺史宜さんの作品。
俊英は妻の絵美を失った。
絵美は乗っていたタクシーが崖から転落して命を落とした。
残された妻の携帯電話の暗証番号を解除すると、怪しいメールが残っていた。絵美は「8」と呼ぶ人物と一緒に温泉旅行の計画を立てていたことがわかったのだ。
妻という「近いはずの人」でさえ、わからないことがたくさんある。
普段私たちはあらゆる顔を見せている。その一部の顔しか知らないからこそ、亡くなってから「なぜ?」というように感じるのかもしれない。
妻の秘密を知ったときの気持ちは、複雑だ。本当に知ったほうが良いのかどうか、先に教えてもらえたらどんなにいいだろう。
世の中には知らない方が良いこともあると感じた。
印象に残っている文