『メロスの翼』
横関大さんの作品。
卓球の親善試合で急遽出場した無名の中国選手の背中には、小さい日の丸が縫い付けてあった。
寺田虎太郎くんはとても可哀想だと思った。日大のアメフト部の事件を思い出しながら読んでいた。
過去と現代を行き来する中で徐々に真相が明らかになっていくという展開がとても面白かった。
羽根くんが再び出てくるとは思っていなかったので、胸が熱くなった。
物語終盤で翼がバトンを渡されたとき、自分がもし翼の立場だったら翼と同じ反応をしているだろうと思った。
印象に残っている文
それを差し引いたとしても、羽根のやったことはベッカムの芸術的なフリーキック並みに痛快だった。
黄色のシャツは中国のアウェイユニフォームのような位置づけで、国際大会などで中国人同士が当たる場合、格下が着るものとされていた。
「握り方は二種類だ。握手をするように持つのがシェークハンド、親指と人差し指でラケットを挟むタイプがペンホルダーだ」
不定期刑というのは受刑者が更生する可能性を考慮し、刑期を確定しない措置のことだ。未成年の場合に適用されることが多いそうだ。