『ノッキンオン・ロックドドア2』

青崎有吾さんの作品。

以下の作品が収録されている。


穴の開いた密室

時計にまつわるいくつかの嘘

穿地警部補、事件です

消える少女追う少女

最も間抜けな溺死体

ドアの鍵を開けるとき


「穴の開いた密室」のトリックに驚かされた。

「穿地警部補、事件です」は悲しい話だった。やるせない結末だった。

ずっと謎だった美影と倒理、氷雨と穿地の過去が書かれていて、自分の中ではとてもスッキリした。犯人がとても意外な人物だった。


印象に残っている文

そのあとも数回「どこにも行けない」を繰り返し、「どこにも行けない」というタイトルのその曲は終わった。とにかくどこにも行けないことだけは伝わってきた。

さて、“犯罪者は現場に戻る”とよく言われるね。この古い言い回しは古いがゆえにある程度正しい。彼らは往々にして現場に戻ってきたがる。見物目的の愉快犯もいるが、多くはそうではない。君たちも旅行に出たあとで、家の鍵をちゃんとかけたか心配になったことがあるだろう。それと同じだ。彼らは心配になるんだ。自分の犯行に落ち度はなかったか。消し忘れた証拠はないか。それを確かめずにはいられないんだーー

AIに世界中の自撮りをディープラーニングさせて平均を抽出したらこうなるだろうという感じの、型にはまった笑顔だった。

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