『子育てはもう卒業します』
垣谷美雨さんの作品。
地方から都内の修英大学に入学した淳子、明美、紫。この3人の就職や結婚、出産から子育てまでが書かれている。
当時の就職活動の状況はこんな感じだったのかと思い、驚いた。
「隣の芝生は青い」という言葉があるが、まさにこの3人の子育てに対して当てはまると感じた。
3人の子どもたちで集まる場面がとても良いなと思った。
最後の3人で集まる場面でのセリフは、垣谷さんから日本社会へのメッセージだと感じた。
印象に残っている文
しかし、ひとり暮らしをして初めて気づいたのだ。料理は買い物から始まるってことに。それまでは、ご飯も玉子もいつも〈自然と〉台所に揃っていると思っていた。それとゴミだ。ゴミというものは自分で捨てに行かないと、ずっとそこにあるという事実に初めて気づいて愕然としたのだった。
ーー苦しい時間が始まる前の執行猶予期間。