『総理の夫』

原田マハさんの作品。

史上初の女性総理大臣、相馬凛子の夫である日和の日記である。
凛子がどんなに忙しくても、周りの人に当たり散らさないところがすごいと思った。総理大臣は、分刻みのスケジュールで動いていて、本当にタフな人でないと務まらないと思った。『本日はお日柄もよく』に登場した久遠久美が総理のスピーチライターとなっていることが、個人的に嬉しかった。
原先生は駆け引きがうまく、自分も見習いたいと思った。

印象に残っている文

その恒例に従って、我が日常の出来事も微に入り細に入り細に入り書き込んでしまいそうで、なんだかいやだったのだ。

「それに、ご尊父の絶筆……『解剖代の上のミシンとこうもり傘の偶然の出会い』も、さっぱりわけがわからないながら、なんだかたまらん物語でしたね」

ーー連立与党協議会とは、相馬内閣の実質的な意思決定機関となる。その議長は、いわば連立与党の幹事長的な立場となり、政権運営の中心となって舵を取る最重要ポストだ。

アメリカ大統領の場合、就任から一〇〇日間は「ハネムーン期間」と呼ばれ、たとえ下手を打っても国民は寛大にそれを許す、とされている。

「助言をしないのが、最大の助言だと……僕は信じています」

凛子の瞳の湖に、ふたたび風が吹き渡った。水面が、みるみる急上昇した。

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