『架空の球を追う』
森絵都さんの作品。
短編集である。
あっという間に読めてしまう。
こんなにクオリティの高い物語を読むことができて大満足だ。
「短編はこうやって書くんだよ」と森さんが読者にお手本を示してくれたように感じた。
私の中で特に印象に残っている作品はこの2つ。
「 銀座か、あるいは新宿か」・・・飲み会という場での会話がとてもリアルに感じた。
「パパイヤと五家宝」・・・ほんの日常の何気ないシーンを短編にしてしまう目の付け所がすごいと感じた。
印象に残っている文
このまま彼を帰すのはラストの二十ページを読まずして、ミステリー小説を図書館に返却するようなものだ。
ドレッシングとは往々にしてそんなものだ。古いものがまだ残っているうちに新しいものを試したくなる。