『ヒーロー!』

白岩玄さんの作品。白岩さんの作品は初めて読む。

休み時間に自分がパフォーマンスをすることで、いじめをなくすことができるのではと考える英雄。英雄にパフォーマンスの演出を頼まれた同級生。

2人はいじめをなくすことができるのか。


チアリーディング部が英雄のパフォーマンスに協力してくれる場面が良いと思った。

文化祭で校長先生がパフォーマンスをする場面は、とても盛り上がっただろうなと思った。

どうぶつ物語の「スカンク」の話が面白かった。

どうぶつ物語のクレジットを見て、安心した。


印象に残っている文

「つまりさ、いじめってのは、誰か特定の人に負の関心が集まるから起こるわけだよ。だったら教室の中で何か面白いことをして、みんなの関心を無理やりさらってしまえばいい。簡単に言えばさ、休み時間の教室に急にミッキーマウスが入ってきたら、みんなそれに気を取られて、いじめなんて絶対起こらないと思うんだ」

教室にいる高校生なんて、油の染みた紙みたいなものだ。一人に火を点けてしまえば燃え広がるのはすぐだった。

こっちが正直に話したところで、「気持ちはすごく立派だけど……」と共感したふうなことを言って取り合わないし、ひどければ「学校の風紀を乱さない形でやるのはどうだろう?」などと、命あるものを人形にしてマリオネット化するおぞましい提案をされるだけだ。

ネットの誹謗中傷はもはや当たり前に産み落とされる感情の排泄物みたいなものだ。

「正しさは人から優しさや思いやりを奪うんだ」

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