『ブラックウェルに憧れて』
南杏子さんの作品。
医療現場で奮闘する女性医師の物語。
女子や浪人生の点数を調整して不合格にさせてしまう。そんなことは小説の世界でしか起こらないと思っていたが、実際に起きていた。
「ガラスの天井」という言葉があるが、まだまだ日本は改善していかなければならないことがたくさんあると感じた。
第4章でエスコートドクターである涼子が担当した榎戸さん。
彼は末期がん患者である。
そんな榎戸さんの言葉がとても印象に残っている。
「無駄に見えることが、一番のぜいたくなんですよ」
認知症になると、やたらと着込むようになる。もともと動物に備わる防衛反応が強く出るためだと言う医師もいた。
浮気に気づくたびに、男にとって浮気はスポーツか趣味のようなものだとあきらめ、納得したつもりだった。