『空の中』
有川ひろさんの作品。
自衛隊三部作の一つ。
高度2万メートルの上空に存在する謎の生物「白鯨」を巡る攻防が書かれている。
冒頭で2つの死亡事故が起こって、衝撃を受けた。
光稀は最初男性だと思っていたら、女性だったので驚いた。
宮じいの土佐弁がとても良かった。
瞬と佳江のやり取りが甘酸っぱく、とてももどかしく思った。
印象に残っている文
高知はあまり学力問題でキリキリしていない土地柄で、よほどの進学校でもない限り、生徒が勉強に追いまくられるようなこともない。
世の中の少年漫画などを見ると、幼なじみとの甘酸っぱいラブコメなんかが氾濫しているが、実態はそんなおいしいものじゃない。ちょっとくらい幼なじみがかわいくたってーー大体は、男のほうが常に割食って損してるはずだ。内心で勝手に決めつける。
「……何で絶対『お昼のニュース』って付くんだろうなあ」
解離性同一障害で内在する人格の種類は、主人格、交代人格、オリジナル人格の三つだ。
大人に「友達になってやってほしい」なんて根回ししてほしいほど、高校生にもなった子供はプライドが低くないーーということを、大人になるともう思い出せないのだろうか。