『吸涙鬼』


市川拓司さんの作品。

身体が弱く長く生きられない美紗。転校生の冬馬。冬馬の不思議な能力で美紗の病気が治る。

美紗と冬馬の愛には、汚れたものがなかった。お互いに想い合うこと、それだけで十分だと思う。ラストはハッピーではないが、読後感は良かった。

印象に残っている文

わたしは風が好きだ。風の音を聞くだけで心が浮き立つ。

「他人が言い争っているのを見るのがとてもつらかった。」

「思い出に囚われてはいけない。思い返し、懐かしむのは自由だが、それを立ち止まるための言い訳にしてはいけないよ。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?