『ミス・パーフェクトが行く!』

横関大さんの作品。

厚労省に勤める真波莉子は、現総理大臣の隠し子である。

どんな仕事も完璧にこなす彼女についたあだ名は、「ミス・パーフェクト」。

彼女の警護をする城島とともに、難題を解決していく。


この本を読むまでは政治家の派閥というのがよく理解できていなかったが、具体的な事例を見て少しは理解できた。

赤字のファミレス店舗の立て直しでは、このような策を用いるのかと驚いた。

馬渕の銃撃事件の真相は意外なものだった。城島の立場を考えると複雑であるが、少しは気持ちも楽になったのではないだろうか。

赤字経営が続く市立病院の立て直しでは、反発が来るとわかっていてもそれを実行する莉子の勇気がすごいと感じた。


印象に残っている文

いきなり総理を警護するのは大役ではないか。そう思われがちだが、実は総理の警護というのはもっとも多くの人員を割いているので、新人を紛れ込ませるにはうってつけの環境なのだ。

「政治の世界にいるとそういう変化を見逃しがちだ。国会と会食の繰り返しだ。新鮮な情報と接する機会がないわけだからね」

厚労省は戦場だ。これは比喩でも何でもなく、本当に戦場だと莉子は思っている。

すでにスマートフォンはビジネスツールの一つだと莉子は思っているのだが、厚労省の上司の中にはいまだにそうは思っていない人もいて、仕事中はスマートフォンを見ないと決めている者もいた。そういう人に限って仕事が遅かった。

定年退職まで勤め上げる客室乗務員というのは非常に稀な存在だ。CAというのはあくまでもファーストキャリアであり、多くの者がセカンドキャリアに進んでいく。

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