『神様ゲーム』

麻耶雄嵩さんの作品。

主人公の芳雄は警察官の父を持つ。近所で起こっている連続猫殺しの犯人をクラスの友達と追っていく。ところが、その途中で人が殺されてしまう。犯人は一体誰なのか。

もし自分が芳雄の立場になったら、今後の人生を悲観して発狂してしまうだろう。それほど壮絶なラストだった。子ども向けのようなイラストが添えられているが、子ども向けではないと思った。


印象に残っている文

どうせ消えないなら三、四本まとめて残ってくれればいいのに。それなら諦めもつく。でも一本だけ残っていると、もったいないというか、せっかく誕生日を迎えたのに、まだ歳をとっていないような気がしてしまう。

「でも十一年後の六月三十日に、ビックバンと大きく矛盾するデータが発見されるはずだよ。面白いだろ。世界中がひっくりかえるよ。きみも期待しときなよ。いまから十一年後の六月三十日。忘れずにね。」

↑ここで「2054年」というような数字ではなく、「十一年後」としたところがすごいと思った。本がいつの時代に読まれても、読者が「今から十一年後ね」というように想像できる。

「別におかしくはないよ。こういう形でしか憂さ晴らしができないやつが、世の中には結構いるんだよ。壁に自分の名前を落書きしたりとかと同じさ。くだらないけど、こんなことでしか目立てない、自分の名前を世間に刻めない、哀れなやつなんだ。」

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