『廃遊園地の殺人』

斜線堂有紀さんの作品。

かつて銃乱射事件が起きて閉鎖となったイリュジオンランド。そこに招待された客たちは敷地内に宝があると告げられ、それぞれの思惑を胸に行動する。しかし、殺人事件が起こしてしまう。


眞上がさまざまなことをコンビニの業務になぞらえるのが興味深いと感じた。

アガサ・クリスティの『ひらいたトランプ』を読んでみたいと感じた。

それぞれの登場人物の過去が明かされていくのが面白かった。


印象に残っている文

最初に感じたのは、廃墟特有の錆臭さだった。けれど、それは一般的なものとは異なる。長年雨晒しになり、ゆっくりと腐食が進んだ金属からは、どこか懐かしい潮の臭いを嗅ぎ取ることが出来るのだ。

いかにも朗らかで優しそうな女性である。消費期限が近いサンドイッチでも買ってくれそうな人だな、と眞上は思った。

廃墟探索において一番気をつけなくてはならないのが天井の具合だ。基本的に、落ちてきて危険なものがある場所は避けて通る。天井自体が老朽化していそうな部屋にはそもそも入らない。

「過去の人間が語るべき言葉は、生きている人間が受け取るしかないんです。逆に、過去からの言葉が欲しいなら、自分が考え続けるしかないんです」

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